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歌の翼に ピアノ教室は謎だらけ 音楽ミステリー みんなのレビュー

  • 菅 浩江 (著)
  • 税込価格:9438pt
  • 出版社:祥伝社
  • 発行年月:2003.5
  • 発送可能日:購入できません

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みんなのレビュー13件

みんなの評価3.9

評価内訳

  • 星 5 (3件)
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  • 星 3 (3件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
13 件中 1 件~ 13 件を表示

紙の本

褒めさせていただきます。傷があるとすれば、ありふれたタイトルだけ。あとは、ただただ感心し、最後は涙、涙、涙。菅さん、ありがとうございました

2003/06/29 20:47

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

いやあ、久しぶりに目と目の間、花の付け根の奥の辺りがオモーくなって、目の前の文字がゆがんでしまった。第八話を読んでいる時は、男の卑劣さに歯軋りすらしていたというのに。でも、こんな涙なら私は大歓迎だ。確かに、これは純粋な推理小説、変な人生訓を垂れようなんて気は、きっと作者にはない。しかし、そんなことは読者には関係がない。心地よいのだ、人が本当に救われていくだろう予感に満ちた結末が。それがもたらす涙が。

この推理短編集は、近年の日本の推理小説界が生んだ最も美味しい果実。ここには、大げさな犯罪は描かれない。あるのは音楽教室に通う子供たちの悩みであり、あるいは自分の同僚への嫉妬に苦しむ教師の告白と、まさに日常に潜む小さな謎と、さりげない解決である。北村薫や大倉崇裕、宮部みゆきの初期短編を思ってもらうのが早い。

小説の中心にいるのは、町の楽器店の音楽教室でピアノを教えている杉原亮子。といっても、主人公というのとは、ちょっと違う。各編で活躍するのは、悩みを抱える生徒や友人、楽器店の息子たちである。そして、九つの話を通じて、様々な謎と、亮子の過去がゆっくりと明かされていく。その筆致が、ともすればリアリティを欠くと云われかねない亮子の性格に、真実味を与えていく。菅浩江によって、一見ありえないような亮子の性格が、丁寧に描かれると、もう読者は肯いて、泣くしかない。いやあ、長い前振りになってしまった。九つの作品からなる傑作短編集の中味に入ろう。

亮子にピアノを習っている小学六年生のユイカが変質者に襲われた。大切な証拠の品を小二の弟ダイチがなくしてしまった「バイエルとソナチネ」。亮子の前では、のびのびとレッスンを受けて帰るハルナは、中学一年生。山田夫人は娘のために自宅に防音室まで作ってしまう「英雄と皇帝」。楽器店の倅で高校一年生の慎太郎の友人は、コピーバンド〈タスク〉のマモル、ヒロム、ミサキ。時計店の前で見かけた女学生のひとことが「大きな古時計」。音楽療法士の大八木千鶴は、亮子の家を覗き込む怪しい中年男を見かけた。変質者に異常な反応を示す亮子のために一肌脱いだ彼女が「マイ・ウェイ」。

実千代にとってピアノを弾くということは、ステータス。そんな彼女には、苦労知らずでおっとりした亮子が目障りでならない「タランテラ」。亮子の生徒ハズキは学童の生徒。彼女が鞄から取り出した教則本にべったり絵の具が「いつか王子様が」。千鶴と裕実子と亮子の3人が訪れた老人ホームで見かけた二人の老女は「トロイメライ」。亮子が再び演奏が出来るようになるためには、彼女自身が過去に向き合わなければ。彼女の身を心配する友人たちが「ラプソディ・イン・ブルー」。近付いてくるピアノの発表会。でも何故か生徒たちの練習がちぐはぐで「お母さま聞いてちょうだい」。

で、私が一番気に入ったのが、菅が使う擬音だ。「くぽっ」「うにい」という言葉だけで、私は完全にノックアウト。こういう楽しさは荻原浩『誘拐ラプソディ』の少年の会話以来の経験。向こうは、どちらかというと笑いが身上だったけれど、この本は違う。ともかく、小さな幸せが、思わず手をうってしまうような宝物が、さりげなく、よく考えられて散りばめられている。こういう作品を読む喜びは、受け狙いを徹底的に狙った東野圭吾『手紙』のような小説では味わえないものだ。

それにしても、内容に比べてタイトルは貧弱。『歌の翼に』は、ケン・フォレット『鷲の翼に乗って』のほうに軍配を上げたいし、副題の『ピアノ教室は謎だらけ』は、あまりにストレート。しかし、そんな小さな私の不満を吹き飛ばすレベルの高さだ。この作品、海外に紹介されても賞賛されるに違いない。私が連想したのは、ハリー・ケメルマンのラビ・スモール・シリーズ。日本のミステリはここまで来た、と実感させてくれる。凄い作家がいるものだ。

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紙の本

隣の芝生も痛い、物語。

2003/07/04 21:16

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:3307 - この投稿者のレビュー一覧を見る

菅浩江さんの言葉は、画材や楽器を兼ねます。

小説で音色を奏でることができる希有な作家さんだから、
さびれつつある商店街の小さな音楽教室を舞台にした時点で、
本書はもう成功したのではないでしょうか。

菅さんの独壇場で展開される全9話の連作短編には、
無数の人生が圧縮されています。

 第1話 バイエルとソナチネ
 第2話 英雄と皇帝
 第3話 大きな古時計

「日常の謎」が切れ味よく語られる上記から
スタートして、菅さんの物語は深化します。


 『本書の「名探偵」である主人公の
  特別な力は何によってもたらされたのか?』

これが、本書のもう一つの謎として
章を重ねるごとに語られていきます。
嫌な予感はありましたが、非常に痛かったです。

人間を男性と女性に分けて論じずに、
欲得のために人を喰い物にする者か否かで
線を引いて欲しいとは願いますが、
男としては頭を抱えざるを得ない痛さがありました。


主人公が気持ち殺して萎縮して耐えていく過程を
きちんと描写されるから、思わず菅さんに
「筆を弱めてください」「裏設定にしてください」と
泣きを入れたくなるくらい、しんどかったです。

しかし、しんどいですが、優れた力を備えた人物の
孤独と苦悩を踏まえた上で夢を語るのが
菅さんの世界ですから、必要な描写だったのでしょう。

第一、読むだけで痛いのなら、
それを書ききった菅さんの痛みは
更に大きく深いのでしょうし。


本書では、悲しみと傷と共に、なんとか生きてきた主人公が、
魅力的な脇役たちの人生と関わることで、
もう一度世界に自分を結びつけて行く姿を描きます。
そこに希望があります。

思わず自分の人生を放り出したくなるような時、
隣の芝生は青く見えます。

でも、一歩引いて眺めれば、各自の方法こそ違うものの
みんなそれぞれ自分を世界につなぎ止めようと、
日々頑張っているわけです。

本書を通読すると、ある脇役の呟きが身に染みます。

 ——みんなたいへんだったんだ。
        (P156から引用)


たとえ耳をふさぎたいような事柄だとしても、
菅さんの言葉になら、耳を傾けてしまうと再確認した一冊。

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2005/02/05 12:40

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2006/02/11 02:35

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