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清水義範さんの本は面白いしためになる。
何かを學ばうと思つて良む譯ではないが、讀み終ると何かを學んでゐる、そんな本が多い。
この本も例外ではない。
表題作は「日本語」の今の姿を面白く描いてゐる。
といっても、亂れてゐるから正さうなんて、この筆者は一言も云つてゐない。
でも、學んでしまふのだな、これが。
音聲入力の話や、名古屋弁の宇宙旅行など、通勤電車なんかで讀んでゐたら、笑いをこらへるのに苦勞するかもしれない。
2003年5月27日讀了
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これ、めっちゃ面白い!悪い日本語を自由自在に操る作者のタメになる小説。堅い話じゃなくて、結構笑えます。こういうんだいすきだ!
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トロン君の話が、どうしても具合が悪くひっかかる。あの話は子どもチェッカーだろうか。トロン君が正しいと思ってしまうのは、僕が子どもだからだろうか。
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3冊まとめ買いした清水義範作品の、最後の1冊。
これ最後にして大正解。
ふふ。ふふ。ふはははは!
日本語と名古屋を描かせたら、この人ほんと天才です。
いや、変態です。
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例によって短編集。それもどこまで本気だかわからないような。というのも、ストーリーとか感動とかそういうのを求めて読むとやっぱりがっかりする。一見とっても「笑えそうな」気がするんだけど、どうも笑えない。面白くないわけでも、シリアスなわけでもない。笑うきっかけを逃してしまうのである。そして逃した後に見えてくるのが、日本語と戯れている楽しそうな作者の顔である。どうやら、そのいたずらっぽい顔が好きで、つい手に取ってしまうようだ。
実は作者もその作品の中でしっかり書いているのだけど、どう考えても他の作家ならエッセイにするだろうなというネタを短編小説に仕上げてある。短編小説とまでも行かず、「短編小説風な」とでも言いたくなるものさえある。正直、不思議だ。彼のエッセイ、とても面白いのである。同じネタをエッセイにした作品を、きわめて読んでみたくなる。
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現代の日本語の乱れを叩きのめす!的な感じなのかと思いきや、むしろ助長している‥。しかも楽しんで。電車の中にもかかわらず思わず吹き出した。おもしろい。
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再読。
タイトル、そして表紙絵から、昨今の日本語の乱れを嘆く本かと思ったら、全く趣が異なる。「正しい」日本語を説くような章もあるが、正しさを追求しすぎると逆に訳わかんなくなるよ、こんな風に。ということを表しているような気がする。著者は「正しい」日本語、「美しい」日本語をおちょくっているような感じ。
正直小説としてどう解釈したらよいのか困る章もあるが、実際の日常なんてこんなものかもしれない。パフィーの歌をでたらめな当て字を付けて書いているところが、個人的には面白かった。
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酷い比喩を思いついた方が論争の勝者ということになってしまったら、それは議論ではなく言葉のゲーム。議論は比喩でやるのではない。対象をしっかり見据え論を組み立て考察したうえで行うもの。あくまでも比喩は文章を豊かなにし、説明力を高め、味わいを増すためのツール。世の多くの人が表面的な比喩に終始し議論をたとえ話に貶めてしまっている。自分のことを指摘されているようで耳に痛かった。
あとがきのように掲載されている表題作もまことに痛烈。近頃の若いものがと、言い募りたい老人たちが国内にひしめいている。日本語の乱れを送れと言えば景品もないのに大量の投書が押し寄せてくる。「日本語の乱れ」は老人を元気にさせる魔法の言葉でもある。じじいの背中が何とも寒々しい。
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著者の日本語に対する深い観察、批評はするどい。名古屋弁で宇宙旅行に行く人々はユーモアで楽しめる。議論には比喩を使わないこと、は真理である。政治家はよく比喩やるので一読の価値あり。
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日本語の乱れを嘆く投書が続々やってくる…という短編「日本語の乱れ」に始まり、その小説を載せた教科書指導書の「不通過」記述で終わる。
構成の上でもにやりとさせる。
ただ、「日本語の乱れ」、ちょっと微妙な感じもある。
これは笑っていればいいのかどうか。
下手をすると、へ~そうなんだ~、と感心してしまう。
どう向き合っていいのか、ちょっと困る。
「絵のない絵日記」も、うすら恐ろしい小品。
すべて人のせいと考える新入社員の一人称の視点で小説が描写される。
おっとりした(?)主人公が、実社会のルールを理解できないまま、周囲との軋轢を深めていく。
この主人公に感情移入したらいいのかどうなのか。
普通一人称小説なら感情移入していけばいいのだけど…
こちらが小説のルールを読み切れないことと、主人公の姿が重なってぞっとする。
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私が低能だからか、なにが言いたいのか分からない、、
著者の方はユーモアのセンスがあるということは分かりました。それについていけないと読みきれません。
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言葉に関する評論と思ったら、言葉を題材にした短編小説集であった。それぞれ気切り口が斬新で、シュールでさえある。
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日本語の乱れを最後まで事細かに書いてある本かと思いきや、クスッと笑える話がいくつか入っていてとても楽しめました。伝言ゲームはわかるわかる。と頷きながら笑ってしまいました。名古屋人が宇宙に行く話は名古屋の人とあまり関わりがなくても笑えたので、名古屋の人と接点があったらきっともっと面白かったのかなぁと思います。小学生に比喩を教える話もとても好きでした。いい本に出会えました。
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所々思わず声を出して笑ってしまった。
脱力感満載、抱腹絶倒。
最初は、タイトル通り「日本語の乱れ」。
ラジオ番組で、日本語の乱れについて語り、聴取者にも気付いたことがあれば番組宛に送って欲しいと呼びかけると、特に老人からの投書が山のように届いたと。
その内容については、なるほどと思わせるものがあり、多少のずっこけがあるにしても、啓蒙的な本かと思いきや、次から相当ぶっ飛び、ついに元に戻ることはなかった。
たとえて言うならば
小学生の作文を例に、比喩の大切さを訴える教師と、テクニックにこだわるべきではないと言う教師の話。
耳の言葉、目の言葉
話し言葉をIBMのVia Voiceを使って文章化するが、津軽弁、名古屋弁、関西弁、福岡弁、鹿児島弁で話すとどうなるか。また、古典文学も。結果は推して知るべし。笑かしてくれる。
伝言ゲーム
会社の常務がダラダラ会議について注意したところ、その理由が常務の娘さんの出来ちゃった婚に結びつけられ、ここだけ話に尾ひれが付き、固有名詞がいつの間にか間違って伝わり、挙げ句の果てに無実の社員がクビになると言う、さもありなん的な話。
題名に困る話
ある作家に書き下ろしを依頼する出版社の編集者。作家は面倒臭がり、題名は作品の命と宣う。以前の小説の題名も3か月悩み苦しんだ結果「猥談」と言う素晴らしい題名が思い付いたと言う。で、今回も、、、
宮事記
古事記や日本書紀のパロディ版か。
宮事とは国を治める上での法方、国を動かす力である金方、それらを取り仕切る役方を言い、この国の官と僚が、この国をどう運営してきたかを書き記したいわゆる歴史書。しかしここに出てくる人物名の面白さ、そして実際のスキャンダルに絡めた話。
二00一年宇宙の恥
宇宙旅行を楽しむご一行の中にいる、数人の名古屋出身の人たちの会話。住んでいたことがあるので、思い出してしまったぎゃぁ。やばおも。
清水さんの作品は初めてだったけど、クセになりそう。
しかしこれ以上作品が増えないのは残念。