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みんなのレビュー155件

みんなの評価4.2

評価内訳

150 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

定形外フェアリィテイル

2006/07/28 01:33

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:*K* - この投稿者のレビュー一覧を見る

 規定の型を外れているのは、その描かれた世界の未来的な様相の所為ではない。
 鼠でも何でも良いが、哀れな姿に身を窶した王子が不運な少女の随伴者となり、知恵だとか、無力ながらに不思議な技をもって旅を支え、苦難に耐え、悪い魔法使いか何かを滅ぼして幸福に結ばれる。
 おとぎ話というのは、そうしたものでは無かったか。

 少女は幼い娼婦。
 黄金の鼠は人語を解し、様々な道具に姿を変える。魔法では無く科学によって、ではあるが。
 そして、悪い魔法使い…あるいは、邪な王、醜い悪魔であるべき男。
 ただ善良であるだけで道が開け救いの手が差し伸べられる、おとぎ話の殻を割ってみれば、少女娼婦の名に選ばれた孵りかけの雛鳥がグロテスクにこぼれ落ちる。
 現実と変わらず、一切が勝手良く片付けられることはなく、問題は常に不完全に解決する。すべてが、希望だけで上手く運ぶことなど無い。教訓にもならない、有り触れた光景の描写である。それが魔法の世界と変わらない、どこか見慣れた光景も残した未来世界であるとしても。
 鼠は、詰まるところ鼠に過ぎない。
 少女は、少女に過ぎない。
 魔法使いは万能ではない、そうであれば、導く者や少女が希望を抱くことさえも無く、万事が彼の思いのままに済むのだから。
 世界や人々や正義や理想のためではなく、少女は少女自身のために戦った。
 幸福の幕の陰に、あらゆる実際が翳ることもなく、装飾を払ってみれば、あまりに身近で現実的な骨子を露に、悲しみや後悔を抱いて、それでも勝って生き残るための、おとぎ話に似た物語。

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紙の本

火柱は反撃の狼煙。もう逃げない。育ち、奪還し、回復する。

2004/01/09 22:30

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:3307 - この投稿者のレビュー一覧を見る

その世界は、たとえ唯一無二の存在ではあっても、
四次元を従えたネズミ型万能兵器が居るくらいには突飛で、
被害者がやがて加害者になる暴力の連鎖が存在する程度に身近。

・ルーン=バロット
 感じた痛みを自分から切り離し、やり過ごしてきた少女。

・ウフコック=ペンティーノ
 肉体はマスコット、ハートは二枚目。ネズミ型万能兵器。

・ドクター・イースター
 ハカセ。役どころは「おやっさん」。飄々とクール。

・ディムズデイル=ボイルド
 最強の刺客、バロットたちの追っ手。立ちふさがる壁。

・SFのお楽しみ、思わず欲しくなるアイテムの数々。
・物語の構造は、複数の童話モチーフを散りばめて普遍と接続。
・姑息・サイコ・大人物。敵役も充実、勢いもスリルも完璧。

本書の魅力を挙げれば切りがないけれど、
私にとって、これらの要素も世界も何もかも全ては
上記4人のためだけに用意された、化学変化用のシャーレ。
シンプルなルールが美しく機能するから、ご都合主義は混ざらない。

おとぎ話もRPGも、さらわれた姫は救出を待つことが多いけど、
我らがヒロイン バロットは、自分を自分の手で取り戻す。
剣の代わりにウフコックを肩に、復讐活劇の旅路を行く。

■ 「そいつは良かった」
■ ドクターはいったんウフコックから目を離し、しみじみと
■ コーヒーをすすった。
■ 「何が良いんだ、ドクター?」
■ 「マリッジブルーって知ってるか、ウフコック」
■ 「なんだ、それ」
■ 「一度決めたことに対して、ぐだぐだぬかすことさ。個人的な感情が
■  どうとか、自分は大丈夫なのかとか、何が必然で何が偶然なのかとか、
■ そういったことをだらだら考えるんだ」
■ 「俺がそれだと?」
■ (2巻・P189より引用)

生き延びるために殻をまとったバロットの閉じた世界を薄く包み、
辛抱強く声をかけ続けるウフコックは、彼女のためだけに存在する孵卵器。
生まれ直す卵、温め続けるウフコック。彼らをずっと見ていたい一冊。

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紙の本

カジノシーンが秀逸

2004/07/24 23:17

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:早秋 - この投稿者のレビュー一覧を見る

勢いがあって全3巻を読みとおしてしまう。凄い。
私はSFという冠がついたものを余り読まないのだが(ごめんなさい、偏見ですね)これは違和感なく読めた。
作者の筆力やしっかりとした世界観、人物の魅力のお蔭かと思う。

なんといっても圧巻はカジノシーン!
描写が秀逸。
このシーンを読みたいがために、何度も最初から読み返した。
読むか否か迷っている人で、カジノに興味があるなら読むべし。
このカジノシーンだけでも読む価値がある。

SFに対するとっつきにくさが緩和されたかも知れない。
なににせよ、こんな作品があることに感謝。

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2004/09/25 06:59

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2004/12/11 04:43

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2004/10/15 14:16

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2005/06/23 20:01

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2005/07/09 23:32

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