紙の本
タイムトラベラーたちの愛の奇跡の物語
2004/04/10 03:04
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:風(KAZE) - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイムトラベル・ロマンスまっしぐら!
時を超えた愛の物語に、強く胸を揺さぶられました。
ロバート・F・ヤングのタイムトラベル・ロマンスの
泣かせの名品「たんぽぽ娘」が大好きな方に、
ぜひ読んでみて! とお薦めしたい作品集。
クロノス・ジョウンターと名づけられた「物質過去射出機」に
乗って、愛する人の許へと時を超えた旅に赴く男女の物語。
タイムトラベルとロマンス(愛の物語)とは、「解説」で
山岸真さんが書いているとおり、とても相性がいいですよね。
これはその王道を行く、それも真一文字に駈けて行く話たち。
なかでも、「吸原和彦の軌跡」「布川輝良の軌跡」の話に
胸が熱くなりました。泣けてきて仕方ありませんでした。
登場人物が時空を超えて描く軌跡は、
そのまま愛の奇跡へとつながって行きます。
つがえた矢が、まっしぐらに的に向かって
飛んで行くかのように。
バズビイの「ここがウィネトカなら、きみはジュディ」、
フィニイの「愛の手紙」、そして繰り返してしまいますが、
ヤングの「たんぽぽ娘」といったタイムトラベル、
愛の物語の名品が好きな方でしたら、きっと梶尾さんの
この作品集、気に入ってくださるんじゃないでしょうか。
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タイムトラベルロマンスといえば梶尾さんでしょう(言い切り)。
切ない気持ちや、ひとを愛する情熱が感じられます。
この本はおすすめです^^
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一昨年に大ヒットした映画『黄泉がえり』の作者、梶尾真治のタイムトラベルラブロマンスといった所でしょうか?未来からの黄泉がえりですね★今秋公開の『この胸いっぱいの愛を』の原作です♪♪
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演劇集団キャラメルボックスのによって舞台化されました。何といっても1話目が!吹原和彦の軌跡が!!もう泣けて泣けてしょうがないです。
舞台は、原作にない設定もあっていっそう泣ける結果に!!菅野さんかっこよすぎる〜。
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もしも過去に跳ぶことが出来たのなら――。
そういう反実仮想を現実にする「クロノス・ジョウンター」。時の神〔クロノス〕に挑む人々の物語。
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ご存知、この秋「この胸いっぱいの愛を」と言う映画化された原作です。この冬にはキャラメルボックスの劇「クロノス」の原作にもなりました。
クロノスの原作は第1話である「吹原和彦の軌跡」。クロノス・ジョウンターと言う物質を書くに送り込むことが出来る機械が開発されて、それを使って過去の愛する人を助けに行くと言う話。しかし、問題があるのは前にも書いたように、過去にいられる時間はわずかで、また、その反動で、過去から戻るときには現在を飛び越えて未来に行ってしまうと言うこと。
ただ、この事実を利用すると2作目でもあったけど、意識的に過去に行くことではるかかなたの未来にも行けてしまうと言う問題もあり、これはやっぱり禁断の機械かなと思ったりもしました。
しかし、過去の滞在時間のタイムリミットと、未来に飛ばされてしまうと言う事実が、それぞれの物語に重要な要素として絡んでいるように思います。そこに感動があると言うことで、そのアイディアには脱帽です。
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物体を過去に射出する装置、「クロノス・ジョウンター」と、それに関わった人々を描くラブストーリー中短編4編。色々と不完全なタイムマシンと、その制約を活かした内容は面白いが、最初の『吹原和彦の軌跡』を除いた3編は似たようなエンドなので、ちょっと食傷気味かも。にしても、タイムトリップ×恋愛というのは、ハッピーエンドにせよアンハッピーエンドにせよ、相性いいよなぁ。
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切ないです。成就される想いと、そうでない想い。
時間というものは戻れないから、貴重なものだと感じるんです。でも、戻れてしまったら?
パラドックスを言い始めたら、色々ありそうですが、物語としてはすごく綺麗です。
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純愛の物語です。一歩間違えれば、ストーカーに近い(笑)しかし時間SFには恋愛が相性いいです。過ぎ去っていく時のせつなさ故でしょうか。小道具としての「銀のカエル」が印象的です。美しい物語は、饒舌に語りすぎない余韻があってこそ美しいんだなぁということを、再確認させてもらいました。
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版を重ねるごとに、話が追加されているらしいが、今回手に取ったのは文庫版ではなく、ハードカバー版のため、収録されている話は「吹原和彦の軌跡」と「布川輝良の軌跡」の2編。吹原の方は先にキャラメルボックスの舞台を観ていたため、登場人物やサブストーリがない分、すっきりとした印象。しかしラストシーンはやっぱり泣けるなあ。
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「クロノスジョウンター」タイムマシンだけれど、決して現在には戻れない宿命を背負っている、それでも人はタイムマシンに縋るときがある。
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過去へ飛ぶ機械をめぐる話。以前読んだ梶尾氏の本は笑える本だったんで、ちょっと以外だった。泣ける。ちょっと強引かもってところもあるけど、泣けちゃいました。
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時間+恋愛テーマに絶対的な評価をもつ梶尾真治。そんな彼の時間+恋愛連作が面白くない訳がありません。まさに王道。まさに直球勝負。
クロノスジョンターという、不完全なタイムマシンを巡って描き出される話はどれも、クロノスジョウンターがないと成立しないものばかり。「SFでしか表現しえない話」です。
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作者の梶尾真治は「黄泉がえり」でしか知らなかった(しかも読んでいない…)から、この人はホラー畑の人だと思ってた。
実はSF畑の人だったんか〜。
SFは小難しい理屈がつらつら並べられている作品が多いので苦手なんだけど、これは割と作品の中にのめり込みやすかった。
この作品は「クロノス・ジョウンター(以下CJ)」という過去に跳ぶ装置を巡る、3人それぞれの話と、外伝として「クロノス・コンディショナー」という精神だけ過去に跳ばす装置の話。
外伝の方は正直なくてもよかったですが、「CJ」に関わる3編は面白かったです。
どれも、いっそ清清しいぐらいに「恋愛」がテーマだった。
「吹原和彦の軌跡」の場合、傍から見たら全然幸福にはなれないけれど、それでもひたむきに目標に向かって成し遂げる姿は感動的。
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「この胸いっぱいの愛を」を見てから買った本。
過去へ飛ぶことの出来る機械、クロノスジョウンターに出会った人たちの、それぞれの物語が綴られた作品。
そんなんありか・・・!と思いつつも「よかったね・・・布川くん!」とか思ってしまった「布川輝良の軌跡」が私は一番好きでした。
わりとハッピーエンド的に終わるものばかりなので、読んだ後は悪い気分にはなりません。
大切なものを失う前の過去にとべる事実。
自分が同じ状況におかれたら?
間違いなくとびたい。でも、その代償を天秤にかけても私はとべるだろうか。
読んだ後に自分なら?と考えてしまった本。
ぜひお芝居も見てみたいお話です。