紙の本
シェルターを守りたいのか壊したいのか。
2006/10/31 00:41
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:casiro - この投稿者のレビュー一覧を見る
江藤恵は、都会のシェルターのような喫茶店でざんばらの短い髪をした女のコを拾ってしまった。「わたし、殺されるかもしれない」と言いながらも素性を語らない彼女を恵はなぜか放り出すことができない。その頃、歩は「中国に旅行に行く」と休暇を取った姉・恵の部屋にパスポートが残されていることに気付き。
整体師の力先生のシリーズ『カナリヤは眠れない』『茨姫はたたかう』に続く3作目です。文庫版も出ましたが、カバーが可愛いと思いこちらを買ってしまいました。そもそも前2作は文庫だったのにこれだけどうしてこのサイズで出たんでしょ?読み終わった今なら文庫でもよかったかな、と思っております。
もどかしいのは、姉妹が過去から歩き出そうとしている話なのだからだと思います。暗いほうだけを見つめている人と関わるのは辛い。恵の自虐的な考えは客観的に自己分析されている分、余計に、鬱々とした気分を誘発させてくれます。近藤さんの作風と云えば、まぁ、そうなのでしょうが。
力先生の手際の鮮やかさがあまり感じられなかったのが残念。
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おもしろかった★
自分の居場所から逃げ出した恵。
そこでであったいずみ。
恵を心配する妹の歩。
仕事の取材で東京へ行った歩の彼氏の小松崎。
ぶっきらぼうだけど見守る整体師の力先生。。。
後で知ったけど、シリーズ三作目だって。
ほかのも読もうっと。
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・カナリヤシリーズの第3作。ということに読み始めてから気付きました。相変わらずいい味ですね先生。この人の書くお話は、辛さもあるけどそれを乗り越える強さもあってすごく好きです。・今回は3作目にしてようやく姉妹のこともすっきり
し、小松崎は歩とらぶらぶだし、良い事づくめですね(笑)
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2008.03.30. 「整体師」シリーズ3作目。全貌が明らかになるまで、ハラハラして読んでしまった。そして、衝撃の事実が・・・。近藤さんの描く女の子は痛みを抱え込んでしまう。決して強くないのに、強がってしまう。それにしても、失踪したアイドルの女の子は本当にお騒がせだったなあ。私だったら、絶対に放り出しちゃうと思う。
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「カナリアは眠れない」「茨姫はたたかう」の続編。
合田力先生の整体院には歩、恵の姉妹がいて・・・。
彼女達には過去に確執があり、そこから逃げ出そうとする恵。
心のシェルターを都会に求めて、現実から逃げている。
そこにアイドルであることから逃げ、シェルターを求めているいずみが現れ、事件に巻き込まれていく・・・。
すんなり読めて面白い。
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シェルターのような場所、存在、そういうのがあるだけで少しはまっすぐ立っていられるのかもしれない。妹とその彼氏、姉と偶然出会った少女、それからどんと構えている先生。
2008/10/20
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途中は面白かったんだけど、結末はイマイチ。かなぁ(^^;)
この人の話って、殺人現場とか生々しい描写は少ないけど推理小説みたいな感じ?
「サクリファイス」もいろんな謎が提示されて、最後に向けて色々とそれらの謎が解かれていくみたいな感じだったし。。
でも本屋大賞の候補に挙がっただけあって「サクリファイス」の方が面白かったね。(^^;)
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そこそこ面白くて、シリーズ作もあるみたいだけど、もういいかなって感じ。
人を傷つけるってキャッチボールみたいだ。相手を傷つけたことで自分も傷つき、またそれを相手に投げ返し、結局は両方がぼろぼろになってしまう。
そんな人間関係に疲れて、逃げ出したくなってしまうこと誰でも経験があるのではないだろうか。
登場人物の構成がバランスが取れていて上手くまとまっているので、安心して読みすすめられるのがよかった。
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最近、読むようになった近藤史恵さんの作品です。
読みやすかった。
ミステリーとしての印象は薄い感じがしましたが、この姉妹の心のひだみたいな処には、少し惹かれました。
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2003年12月21日読了。以下、過去の日記から抜粋。
整体師探偵シリーズ第3巻。
前作に引き続き、ストーリーの中心は姉妹の関係。
過去の諍いからずっと心底に秘めてきた気持が明らかになる。
姉妹といえど女性同士、思うことも多々あろうが、
少しずつ距離を縮めようとする二人はやはり他人ではないのだ。
加えて、もう一つの話の中心は姉と出会った一人の少女。
中学時代に受けたイジメから抜け出すために、芸能界入りした
彼女ではあったら、現実の厳しさを受け止めかねている。
この場合、空想の中だけの話じゃないのだろう。
芸能人は憧れの存在であると同時に、格好のバッシングの対象だ。
それがやっかみ半分のものであったとしても、時として
信じられないぐらい残酷な言葉や態度を平気で投げかける。
それを乗り越えて微笑んでいられる人が生き残るのだ。
「ぶっちゃけていえば、自分と何人かの友達だけ、自分のことを
好きやったら、人生なんてうまいこと行くもんやで」
だから、他人が何を言おうと懼れることはないのだ、と。
それらの言葉がどれほど悲しくても、腹立たしくても、
自分の本質が傷つけられることは決してないのだ、と。
少女の身体をほぐしながら、整体師が言葉を紡ぐ。
イイ言葉だ。私の心も少し救われたような気がした。
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まさか恵さん視点が読めるとは思わなかったので嬉しかったです笑
ごめんねって言いながら東京に残る恵さん
でも連れて帰りたい小松崎
前二作も読んでいるのでまた読みなおしたいです
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サクリファイスほどの感動はなかったもののそこそこ楽しめました。
これがシリーズ三作目とは知らずに手に取ってしまったので一作目と二作目も読みたいなぁ。
姉と妹の過去はとても陰湿で暗い物のハズなのに近藤さんがサラっと書いてしまっているのでそこまで悲惨な過去に映らなかったなぁ。
近藤さんの客観的な書き方は好きだけれど、もっと盛り上げてもいいんじゃないかと思ったかな。
姉妹がそれぞれに心の傷を持っているというストーリーなので一作目と二作目を読んでそこをもっと知り、感じてこそ、この三作目が面白く感じられるのかもしれないけれど。
そう思うと割り込みしたのは良くなかったかもと反省。
でもシリーズ物って知らなかったんだもの。
とりあえず、読み込みたい作家さんには決定です。
うーん読みたい本が多すぎる…
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2010/12/20 豪快で謎なオーナーは「ビストロ」シリーズと似た感じ。前作を読まずにいきなり読む。
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整体師〈合田力シリーズ〉の3作目。
東京に出てきた姉・恵と、大阪で過ごす妹・歩を交互に描く。
恵は謎の家出少女いずみと過ごす。歩は中国に旅行に行ったはずの姉のパスポートが家に置きっぱなしになっていることに気付き、動揺する。
トラウマのある姉妹の絆というものにあまり感情移入できず。読みやすいが共感はできなかった。
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癒し系ミステリー、整体師・合田力シリーズの第3弾。
物語の視点は、合田先生の接骨院の受付の歩ちゃんに恋しちゃっている小松崎くんと、歩ちゃんの姉であり接骨院で一緒に働く恵の2人。2人の視点を交互に展開して行きながら物語を2つの方向から見て行くのは前作2つと同じ。今回初めてシリーズキャラである恵の視点から、シリーズキャラたちの関係を深く見直すような内容。
恵と歩のなかにあるわだかまり、労りたいのに怖くて入って行けない小松崎くん、それを無愛想に見守る合田先生。
恵と歩の過去、合田先生の過去がなんとなく見えてきて、シリーズが一段落と言うことなのかな。でも、この4人の歪で、でも優しい関係をまだまだ読みたいなーと余韻の残る作品でした。