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紙の本
そらいっぱいの「一」
2003/10/16 12:53
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ろこのすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ひとり暮しの のぞみさん」は物語絵本。
絵は大野八生さんの絵でこれが素晴らしくこの絵本にマッチしていてほのぼの、ひたひた、心に染みて実に、実に良い。
ひとり暮らしののぞみさんの部屋にはからっぽの鳥かごが一つある。ある日そのとりかごがどんどん大きくなって部屋いっぱいのおおきさになってしまった。そこへおおきめの小鳥とちいさめの小鳥がやってくる。
そこからこのお話がはじまる。
のぞみさんとこの2羽の小鳥たちの生活ぶりはまるで寒い日に飲むあったかいココアのよう。読みながら自然と顔がほころんでいる自分にきがつく。ぽかぽか、にこにこ読み進めるうちに、急にぽっかりと心に穴があく。大きめの小鳥が南の国へ渡っていってしまったからだ。
のぞみさんは「三から一をひいて二になった というのではなく一と一とをたして ニなのだ ということだった」と言う。この個所で私はどっと涙が出てきた。
母が亡くなった後のことを急に思い出したから。
そうだ、そうだ。ひいてニになったのでなく、一と一をたしてニにしたことが今の今になって気がついた。残されたもの達の心が寄り添いあって「ニ」にしたのだった。やがて小さめの小鳥まで去って行って「のぞみさん」は「三から二をひいて 一になった」。
でものぞみさんはこう思う。「三から二をひいて 一になった ともいえるがはじめから 一だった ともいえる」と。
でものぞみさんの「一」は今や空いっぱい、宇宙いっぱいの「一」であって、数なんかであらわしきれない大きな「一」となった。けっしてひとりぽっちの「一」なんかじゃない。
遠くへ行ってしまっても決して「ひとりぽっち」ではない大きな「一」を残して行ったものは何か?
私を長い間さみしくつらく、苦しめてきた「喪失感」がこの絵本で変わった。
あたたかくゆったりと「一」を噛み締める。
そんな絵本にめぐりあえた。
あったかい。
紙の本
美しく深い。
2021/03/10 21:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひとり暮らしののぞみさんの部屋。そこにあった小さな鳥かごが、少しずつ大きくなって、部屋いっぱいになったころ、大きい鳥と小さい小鳥がやってきて、のぞみさんと暮らすようになる。
ただそれだけの話なのだが、読み手にとっては、なんだかふと微笑みたくなるような穏やかで優しい日々。物語のエンディングは、また一人暮らしののぞみさんに戻るけど、穏やかで優しい感じは残されて、なにかひとりでいても充実した暮らしにも思えたり。
詩人によるお話と、それを膨らませる美しい挿画で綴る、深い物語でした。
紙の本
編集者コメント
2003/10/05 03:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:大庭 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「フレッシュで温かくて笑える物語」
ひとり暮らしの女性が主人公のファンタジー。文学であって、しかもソフトノベルのような「しなやかさ」も兼ねそなえたおしゃれな物語絵本です。ファッショナブルでいてしかも文学である、そのような硬軟を兼ねそなえた本。プレゼントとしても最適です。
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