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紙の本

野性の純粋なまでの凶暴性と対峙したとき、人はどうするのか?

2004/01/18 09:26

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ヒロクマ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 開高健ノンフィクション賞第1回受賞作品である。著者の平岡氏は関西テレビのカメラマンを経て、現在はフリーの映像カメラマンである。この作品は関西テレビのカメラマン時代の1996年に取材で訪れたシベリアでの、野性の虎を撮影するまでの様子を綴ったものだ。
 当時、シベリアに生息していると推測される虎の数はわずか約300頭。1年中を山中で過ごすレンジャー隊員でも年に1〜2度出くわすかどうかという存在だ。その虎を約半年のロケ期間中に撮影できるかどうか、最初から過酷な条件が課せられていた。
 撮影地となるシホテ・アリニ山中はマイナス30度の極寒の地域。そして道なき山道を、毎日重いカメラを抱え、ガイドの経験と勘を頼りにいつ会えるとも知れぬ虎に巡り会うため歩き続ける。
 そうした毎日の中で、日本の撮影スタッフとロシア人のガイドやハンター、その家族たちとの間に連帯感が生まれてくる。
 虎に会いたいと願う一方で、密猟者たちが虎に襲われ喰い殺されるというニュースが飛び込んできて、あらためて野性の獰猛さに戦慄するスタッフたち。
 そんな困難な撮影が続いたある日、ついに虎の姿をカメラに捕らえる一瞬がやってっくる。その距離は20メートルあるかないか。最初は眠っていた2頭の虎は、やがて撮影している著者たちに気付き、その野性の純粋なまでの凶暴性をむき出しにする。まさに死と隣り合わせの一瞬、そのとき著者は何を思い、カメラを構え続けたのか。ここがこの作品の白眉である。
 自然の獣の本性と対峙したときの緊張感や畏敬の念が臨場感を持って描かれ、読みごたえがある。
 虎の撮影に成功するまでの日々は、決して大きな起伏のあるものではないが、そこをしっかりと読ませるのは、著者のロシアの自然や人々への愛情が行間にあふれているからだろう。
 骨太のノンフィクションの久々の収穫である。

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