紙の本
旧制高等学校の概要書
2020/05/19 16:40
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投稿者:文学少年A - この投稿者のレビュー一覧を見る
設立から廃止、各高校の校風、事件や伝説などをコンパクトにまとめた概要書。
旧制女学校が旧制中学より進学率が高かったり、旧制高等学校が戦後すぐに女子を受け入れたりなど興味深い。
また廃止になったのはGHQ(連合国軍総司令部)の意向ではなく、日本側が戦時中から旧制高等学校の廃止して教育改革を推進しよう意向が書かれている。
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旧制高等学校についての概説書。
設立および廃止の過程、試験や制度、各校の気風など多岐に渡る情報がコンパクトにまとめられている。
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[ 内容 ]
旧制高校で過ごした青春の一時期を懐かしさをこめて語るOBたちは多い。
その廃止は日本の国家・社会にとって大きな損失だったと憤る声も聞こえる。
しかし、制度がなくなってから半世紀、旧制高校について知る人は年々少なくなるばかりだ。
各校ごとの校風の違い、創設時の事情、入学・卒業人数、入試合格難易度、軍事教練や左翼運動をめぐる事件、変わった卒業生等々について詳細に調べ、その実態をあざやかに復元した異色の歴史ノンフィクション。
[ 目次 ]
第1章 明治の旋律
第2章 黎明の季節
第3章 華の全盛時代
第4章 三十八校の風土記
第5章 話題と事件を追って
第6章 終末の日々
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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戦前の日本の教養文化を支えた旧制高等学校とはどういう存在だったのか。8つのナンバースクールだけでなく、全38校に及ぶ旧制高校の生い立ち、校風、そして事件などに詳しい。戦後5年ほど残存したときには女子学生を迎え入れた時代があったということも驚きでしたが、それだけ戦前は日本人にとっては女子教育に関心がなかったということなのでしょうか。旧制女学校が旧制中学よりも進学率が高かったという時代でさえそうであったということも併せると、興味深いです。しかし、このような教養主義ともいうべき教育が本当に良かったのか、GHQ・米国の要請で廃止になったのではなく、むしろ日本側から廃止の意見があったということも驚きでした。古き良き時代と思いますが、確かに戦争を止めることが出来なかったエリートを作り出していたとすれば、必ずしも成功した教育ではなかったのかも知れません。
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平成15年刊。戦前の旧制高校について、その形成過程、各学校の特色等を解説したもの。もっとも、カリキュラムや入試問題は叙述されず、総花的な書物。簡明な資料として意味を持つタイプの書籍か。個人的には七年制高校(旧制中学入学後、旧制高校の入試のないもの。武蔵高校や成蹊高校)が興味深い。エリート教育のありようについては、個人的に考えるところがないわけではないが、スタートは18歳くらいからで良いんじゃないかと思う。