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紙の本

最初のうちはね、山田も結構流行のスタイルの小説を書き始めちゃったかな、って思うわけですよ。それが途中から、ビミョーに予想とずれてきてね、最後はやっぱり山田は天才だと納得してしまうわけ

2004/02/27 21:18

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

山田正紀の自信作であるそうな。安直なタイトルは、正直、らしくない、とは思うけれど、確かに話は予想外の展開を見せて、その構造の複雑さといい、文章のうまさといい(いわゆる文学的な香気はないけれど)、何度でも読み返しが出来そうで、これをプロダクションI・Gあたりがアニメ化したら、タランティーノあたりは狂喜乱舞するのではないかと思ってしまう。

で、毎回、ワンパターンだけれど本そのものから言えば、半透明のカバーを上手に使った装丁は、福田昌弘(キックアンドパンチ)とある。( )書きは、ムエタイのジムの名前だろうか。ボリュームこそ違うけれど、古川日出男『サウンドトラック』のカバーデザインを思わせる。

「歌うな
 殺すな
 目覚めるな」
 
という巻頭の言葉に続き、P・K・ディック『暗黒のスキャナー』から

「きみの片方の脳半球は、この世界を鏡に映ったようなものとして認識しているようなものだ」を含む一文が引用される。

全体は十章構成。第一章「頭狩り」に続き、以下「私、目、愛」、「ベラスケス・エンジン」、「鏡は横にひび割れて」、「おれはブレーキ、おまえはアクセル」、「魔術」、「鏡の私はすべて幻」、「鏡と殺人者は二人組」、「多分、世界は壊れてもう直らない」、「鏡の国の殺人者」以上である。それにプロローグ、後書きがつく。

で、話は流行の異常殺人、快楽殺人、サイコパス風な始まり方をする。若い赤江刑事が血みどろの殺人現場から離れたところで異様なものを発見するのだ。しかし、物語はそのままストレートに進まない。女子高校生作家である新珠静香の話になるのだ。彼女は「援交探偵・野添笙子シリーズ」を執筆する36歳の女流作家である。

彼女には16歳になる娘晴香がいるが、二人で夜の公園に散歩に出て、そのまま失踪、未だに行方が知れない。母親としての資質に疑問を抱きながら、彼女は刑務所に取材に行くのである。相手は限りなく死刑に近い無期懲役の水頭男。同行するのが、30間近い秘書の海棠甍である。水が静香に、娘の居所を教える代わりに持ちかけたのがバラバラ死体にされた自分の腕や足、頭を捜してほしいというものだった。20代半ばの、静香が惚れ惚れするような美しい無期懲役犯。謎の言葉ベラスケス・エンジン。

そして、これに「援交探偵・野添笙子シリーズ」の文章が入ってくる。小説のタイトルに現れる「ダブル」。一種のメタ・ミステリふうなところがある。しかし、読んでいてム?と思い始める。割り切れていたはずの境界が曖昧になってくるのだ。とりあえず読み進むと、わけがわからなくなってくる。完全に山田の術中に嵌った証拠である。

いったい、オカマを装うスキンヘッドの怪物アイは何者なのか。赤江刑事が援交する(実は、単に付き合っているに過ぎないのだが)相手は、実際は誰なのか。殺されたのは、誰か。今、血を流してのた打ち回っているのは静香なのか、それとも他の人間か。笙子の特異な推理能力と、それを利用する警察庁上層部という図式は、現実とどうリンクするのか。

静香が頭男に指摘される障害の部分を読みながら、あれこれって小栗虫太郎『黒死館殺人事件』(1934)じゃない、と思い、逆に半世紀以上も前に活躍した小栗の凄さに感心してしまった。何と言ったって70年前に、現代の病理を予感していたのだ。山田のこの本も『黒死館』同様、何度でも読み直して、張られた伏線の面白さ、いや底の見えない人間の不可思議さに酔い続けることができる。ボリュームの割に中味の濃い本。

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