- 現在お取り扱いが
できません - ほしい本に追加する
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
5 件中 1 件~ 5 件を表示 |
紙の本
戦中期の、少年冒険物語
2004/03/21 23:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けんいち - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題作は、文字通りの冒険小説である。しかも、乱歩、自家薬籠中の少年もの、これは面白くないはずがない。ついつい、少年たちを応援してしまうし、次々と襲いかかるトラブルを、乗り越えていく勇気とと知恵には、手に汗握るスリリングな楽しさがある。
たたし、一方で考えておかなければならないのは、無人島という未開の地において、生活の基盤を作りながら、「やまと国」をたて、日の丸をかかげるということの、発表期=戦時下における、社会=世界史的な意味である。こうした読み方が、必ずしも正しくはないのだろうし、過度な政治意識なのかもしれないが、それは戦時下日本の「世界史の哲学」(アジア植民地化の正当性の物語)とも共振したものであることもまた確かである。
小説としての面白さと、歴史的な位置とをあわせ読めるところが、乱歩の面白さでもあり、読書の楽しみでもあるのだ。
5 件中 1 件~ 5 件を表示 |