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高い評価の役に立ったレビュー
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2006/07/31 13:00
死を前に生きることの意味を問いただす
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
第1回(2002年度)「このミステリーがすごい!」大賞金賞受賞作。
才能あるピアニスト如月は、ウィーンで銃撃事件に巻き込まれ、その左手の薬指を失います。その時、被害者の娘だった知的障碍者の千織と出会います。
身寄りを失った千織を連れて帰国した如月は、両親が千織を預かります。
千織は、ピアノに対するサヴァン症候群を見せます。そしてふたりは小さなコンサートを、介護施設や病院で行い始めます。
まず、冒頭でよどみなく物語に誘う文章力に驚きます。
千織の障碍、その診察に伴う脳の働き、障碍者とともに生活する戸惑いと学びなど、説明部分を説明と思わせない巧さ。
小説のテーマは途中、障碍者の小さなコンサートから引き出される能力の開花ではなく、死を前にした人間の心の動きや、人々に対する深い愛情、精一杯生きることの大切さなどにシフトしていきます。
ストーリーはそれに伴い、意外性な方向に向かいます。もちろんサヴァン症候群を扱った小説も、昏睡状態の魂の憑依なども、全く新しいものではなく、使い古されたものですが。
けれど、そうしなければ著者はこのテーマが描けなかったのでしょうね。ストーリーとテーマに、必然性を感じます。
ピアニストの夢を諦めた如月の無念や、千織への嫉妬。また普段は障碍に隠れている千織の罪の意識と謝罪。そして昏睡状態に陥る真理子の愛と無念。
これらの心の変化を、丁寧に描きます。
また、夕焼けのなか、人影が列を作り、ゆっくりと歩むなどの風景描写、ピアノの奏でる音色の描写力の高さ。筆力がタダモノではない。
低い評価の役に立ったレビュー
6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2004/01/23 12:50
これってミステリー?
投稿者:井伊 - この投稿者のレビュー一覧を見る
奇蹟というのだから何が起こるのかと思って読み進めていたら、
どこかで読んだことがあるネタが出てきてびっくり。それでも
こんなネタを使うからにはラストではきっと…と期待しつつ
読み終えてがっくり。
ミステリーと思って読んだこともいけないと思います。ミステ
リーの定義はわかりませんが、少なくとも自分の中のミステリー
ではありませんでした。
文章のことについて言えば(読み手の問題ということは重々承知
で書きますが)とにかく随所で「くどい」です。医学的説明、
病院施設ついて、生とは死とは、云々…。とにかく読むことに
努力を要します。
「このミステリーがすごい」大賞受賞作
出会えたことを感謝したくなる傑作!
張り巡らされた伏線がラストで感動へと結実する
帯やポップに騙されるなということをあらためて教えられた
一冊でした。
紙の本
このミス??
2018/05/11 19:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ROVA - この投稿者のレビュー一覧を見る
『このミス』の文字でわくわくして読んだミステリ好きですが
これってミステリ・・・か・・・?伏線も言う程あるわけではないし・・・。
何より真理子の性格がどうにも頂けないので
我ながら酷いなと思いつつも「早く逝って千織ちゃん返せよ」と思ってしまいました。