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パーカー・パイン登場 みんなのレビュー
- アガサ・クリスティー (著), 乾 信一郎 (訳)
- 税込価格:792円(7pt)
- 出版社:早川書房
- 発売日:2004/01/01
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文庫
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紙の本
隠れた名主役
2021/10/31 11:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Y - この投稿者のレビュー一覧を見る
お悩み相談の事務所にやってくる人々の悩みを解決する、現実の探偵事務所に居そうな人柄のパーカー・パイン氏が主役。
持ち込まれる悩みも現実に有りそうなものが多い。が、解決方法が独特で、短編集だが次々読んでいっても読み飽きない。
事務所の仲間も個性的で、例えばポアロ物やマープル物では怪しまれ詰問される側になるだろう人物達が探偵側で働いている。
クリスティーの他有名作品を何冊か読んだあとで読むと事務所の仲間達がより好きになると思う。
紙の本
こんなスゴイ奴がいた
2020/04/22 18:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ミステリの女王」アガサ・クリスティーが生み出した名探偵といえば、誰もがエルキュール・ポアロとミス・マープルの名前を挙げるだろう。
この2人に関していえば、原作を知らなくても映画やドラマで名前だけは耳に入ってきたし、原作を読めばさらにその名前への崇拝は増してくる。
しかし、アガサにはまだ隠し球があった。
もしかしたら、ポアロやミス・マープル以上に素敵な逸材が。
それが、この短編集の主役、パーカー・パインだ。
「太っているとはいえないまでも、大柄な男だ。上品な禿げ方をした頭と、度の強いめがね、小さいきらきら光る目。そして、ある種の雰囲気―頼り甲斐があるという雰囲気の持ち主」、それがパーカー・パインだ。
パイン氏は探偵ではない。「あなたは幸福ですか?」という奇妙な新聞広告を出す身の上相談所のような仕事をしている男だ。
彼の自慢といえば、役所で調査統計の仕事を長年やってきて、その統計の知識で「幸せでない人」を救い出すというもの。
やってくるのが、「中年夫人」であったり「退屈している軍人」であったり「困りはてた婦人」であったり「不満な夫」であったり「サラリーマン」であったり「大金持ちの婦人」するのだが、彼らの悩みをパイン氏は自分のお抱えの部下を使って、相談者が知らないうちにその不満を消してしまうという、なんとも見事な手腕を発揮するのだ。
それが実にテレビ的で、この作品が発表された1934年にはもちろんテレビなどないが、アガサは映像的な展開をよく心得ている。
後半の六編は少し趣向が違うが、ここでもパイン氏の謎ときは見事だ。
紙の本
パーカー・パインみたいな人が、身近にいてくれたらいいなあ
2004/07/31 18:47
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:風(kaze) - この投稿者のレビュー一覧を見る
依頼人が抱えている悩み事を、機転と心理洞察で解決するパーカー・パイン。
本書には全部で12の短編が収められています。前半6つの話が、事務所にやって来た依頼人の相談をパーカー・パインが解決するというもの。それが後半6つの短編では、中東旅行をしているパイン氏が事件を解決するという筋立てになっています。
読んでいて面白かったのは、「中年夫人の事件」から「大金持ちの婦人の事件」までの、前半の作品でした。とりわけ、「大金持ちの婦人の事件」が印象に残る話でした。
富豪の婦人がオフィスにやって来て、「お金を使って幸せになりたいんだけど、どうしたらいいか分からない。いい考えがあったら、謝礼ははずむわよ」と、パイン氏に相談するところから話が始まります。(なかなか難しいケースだな)と内心思ったパイン氏でしたが、それはおくびにも出さず、「必ず、お望みをかなえて差しあげます」と言って、依頼を引き受けます。さて、パイン氏がしたことは……。
人生の機微を感じる味わい深い話で、最後のほうでは、ほろりとさせられました。クリスティーの短編のなかでも、トップクラスに推したい一編。久しぶりに再読したのですが、これはやはりいい話だなあと、胸にこう、ぐっとくるものがありました。
1934年発表の短編集。
同じ年に発表された短編集『リスタデール卿の謎』も、おすすめです。ミステリ作家のエドワード・D・ホックは、クリスティーの短編のなかでも読みごたえのある作品として、「検察側の証人」に続いて、『リスタデール卿の謎』収録の二篇を挙げています。(森英俊=監訳『ミステリ・ハンドブック アガサ・クリスティー』原書房 p.195)
紙の本
気楽に読める短編集
2023/08/17 20:06
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投稿者:kisuke - この投稿者のレビュー一覧を見る
アガサ・クリスティの作品には重いものも残酷なものもありますが、このパーカー・パイン氏の短篇は人々の悩みを解決するもので、気楽に楽しむことができます。
どれも面白いですが、私は特に富豪の未亡人の話と、夫の浮気に悩む主婦の話が好きです。
それにしてもこんなに様々なタイプの小説を書けたクリスティは本当に凄いです。
紙の本
お悩みも殺人事件もみんな解決
2017/05/24 22:47
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投稿者:J・P・フリーマン - この投稿者のレビュー一覧を見る
前半はパイン氏のオフィスに依頼人がやってきて悩みを解決してあげるパターン。後半はパイン氏が旅行先で事件に出くわすパターン。お悩み解決の仕事の方は探偵活動ではないので、バラエティに富んだ展開が見れて面白かった。