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エロイカより愛をこめて 29 (プリンセスコミックス) みんなのレビュー
コミック
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紙の本
次なる舞台は、悠久のトルコ
2003/12/05 01:42
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投稿者:yurippe - この投稿者のレビュー一覧を見る
新刊が待ち遠しくてならないこの作品! 待望の29巻です。
NATOの情報部員(“鉄のクラウス”こと少佐)、旧KGB工作員(仔熊のミーシャ)、世界を股にかける大泥棒(伯爵)を中心に、キテレツな登場人物たちが、陰謀のあるところ右へ左へ、世界中を駆け巡るスパイ・アクション・コメディです。そして今回の舞台はエキゾチックな大地トルコ。KGB元工作員のテロ計画を阻止するため、鍵となるイスラムの宝剣を追って、一行の大追跡劇が繰り広げられます。
29巻に至っても作品のテンポは一向に衰えることなく、今回も読者を愉快な旅へと連れ出してくれます。少佐や伯爵や仔熊のミーシャ、そして彼らのユニークな部下達に会えるだけでも嬉しくて、毎回新刊を手に取ってしまうのですが…。
けれど、スパイ・アクションであるこの作品が本当に面白かったのは、やはり冷戦時代(単行本19巻まで)。東西対立構図が明確だったからこそ“NATO情報部(西側)の鉄のクラウス”V.S.“ソ連KGB(東側)の仔熊のミーシャ”との騙し合いは冴え渡りました。しかし今は、ロシアがNATOに加盟するかどうかというご時勢です。ベルリンの壁が崩壊し、東西のスパイがその役目を終えたとき、スパイ小説は絶滅の危機に瀕しましたが、本作も例外ではありません。
ストーリーの質も、人物達の魅力も今まで通り『エロイカ…』は続けられていますが、やはり往時の精彩は欠いています。そしてこの作品が冷戦時代のあの輝きを取り戻すことは、今後もうないでしょう。それはひとえに、時代のせい。
今現在、読者がこの作品を手に取る理由は、お馴染みの愛すべき登場人物達にまた会いたい、という一途なファン心ではないでしょうか。『エロイカより愛をこめて』と共に成長した読者達の、いわば“愛の残滓”なのかもしれません。
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