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生活形式の民主主義 デンマーク社会の哲学 みんなのレビュー
- ハル・コック (著), 小池 直人 (訳)
- 税込価格:1,870円(17pt)
- 出版社:花伝社
- 発行年月:2004.1
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紙の本
今は陳腐化してしまった民主主義とは本来何だったのか?
2006/12/09 17:59
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:cuba-l - この投稿者のレビュー一覧を見る
学校でも社会でも民主主義は多数決をとることと同じ意味になってしまって、人々がそれを疑問にすら思わない世の中は民主主義社会なのだろうか?、というよな問いに明確に答えを示してくれる本書は民主主義について60年も前に書かれた啓蒙書である。
多数決はや投票は民主主義の手続の一断片ではあるが、民主主義そのものではない。単に多数派を占めるために行われる宣伝やその他の手段は民主主義ではないし、さらには多数派が数を武器に社会を支配しようとするなら、支配の論理が剣から投票用紙に変わっただけに過ぎない。だから民主主義においては人間的な覚醒、即ち啓蒙と教育なくしてはまさに「多数派は怪物」となる。
即ち、民主主義の本質は政治的手続や社会制度にあるわけではなく、人間を民主化することにある。それは自立的に自由と正義を知り追求する人間性をはぐくむことにある、と著者は結論付ける。
「民主主義は到達した状態ではなく、日々解決されるべき課題である。」
それ故、民主主義は日々の生活形式・生活態度そのものなのであるとするのだが、自由主義という美名の元、強者必勝の市場経済と抱き合わせで信奉されて劣化したといわれる現代の民主主義を再考する原点ともなるべき本である。
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