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電子書籍
面白かった
2017/05/21 00:32
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読書灯 - この投稿者のレビュー一覧を見る
司馬遼太郎の作品でこの本のこの第一巻が一番好きだ。
まるでライトノベルのような詩的な書き出しだが、熱気が伝わってくる。
巻を追うにつれて淡々とした歴史小説のような文体に落ち着いてしまうけれども、私はこの巻の熱さがやっぱり忘れられない。
紙の本
「麒麟がくる」再開までに読んでおきたい
2020/06/23 16:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
新潮文庫版で4冊となっている長編歴史小説を読むにあたって、まず書誌的な話から書こう。
戦国時代の美濃の武将斎藤道三とその娘婿である織田信長の物語を司馬遼太郎さんが書いたのは、1963年(昭和38年)8月から1966年(昭和41年)6月までで、雑誌「サンデー毎日」に連載された。
ちょうど司馬さんは40歳で、前年には『竜馬がゆく』や『燃えよ剣』の連載も始めていたから、まさに油ののった執筆時期だったのだろう。
連載が終了した1966年には『竜馬がゆく』の完結と合わせ、第14回菊池寛賞も受賞している。
斎藤道三といえば、戦国時代、あるいは下克上の象徴ともいえる武将である。
もとの名は松波庄九郎。
巷間いわれるように京都の油屋の女主人と懇ろとなり、やがて天下をねらう大きな野望を持つようになって、名前も出世のつど変わっていく。
人から「蝮の道三」と恐れられるほどの人物だったから、権謀術数に長けた悪人であったにちがいない。
それでいて、司馬さんが描く道三(司馬さんはこの物語では終始庄九郎と表記したが)は唾棄するほどの悪人ではない。
むしろ、痛快な男として、読者は感情を添えることになる。
例えば、こんな一節。
「庄九郎の人生には目的がある。目的があってこその人生だと思っている。生きる意味とは、その目的にむかった進むことだ。」
こんな男の生き方に昭和40年代の男たちは鵜方どんなに勇気づけられたことだろう。
第一巻となるこの巻では道三がいかにして油屋の主人に納まり、その後美濃にはいって国主土岐頼芸の女までも奪い去る姿が描かれる。
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