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頼朝が義経を討ったのも仕方がないか
2022/05/11 15:59
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
源義経の生涯を描いた、司馬遼太郎の文庫本で上下2巻となる長編小説。
下巻は「旭将軍」と呼ばれた木曽義仲との戦いに始まり、平家との鵯(ひよどり)越えで有名な一ノ谷の決戦、屋島の戦い、そして平家を滅亡させた壇ノ浦の戦いと、義経の華麗なる戦いざまが描かれる。
同時に、その後、兄頼朝から疎まれて、彼が地盤とした京都から追われていく姿も描かれているが、その逃亡の次第はほとんど描かれてはいない。
司馬にとっては、京都を追われた時点で、義経の人生はほぼ終わっていたのかもしれない。
この長い物語を読む限りにおいて、決して義経は悲劇の武将には見えない。
どころか、その性格はあまりにも幼く、これでは兄頼朝も怒るだろうし、討伐しても仕方がないように思える。
頼朝は義経をどう見ていたか。
「合戦にかけては天才であろう。しかし(中略)政治感覚の無さ、物事の軽率さ、自負心のつよさ、とめどのない甘ったれ、それらはまるで幼児か、痴呆にちかい」と、手厳しい。
それは、ある意味、頼朝の眼を通した司馬の、義経評ともいえる。
もちろん、義経側から見た場合、いろんな解釈はできるだろうし、おそらく多くの義経作品は多岐にわたる解釈で描かれているだろうが、少なくとも司馬の義経評は厳しいと見ていい。
平泉で討ち取られた義経の首は最後鎌倉の頼朝のもとに運ばれたという。
その時、頼朝は「悪は、ほろんだ」といったと、司馬は物語の最後に書き、「悪とは、なんだろう」と問いを投げかけている。
もしかしたら、悪とは、無知がもたらすものかもしれないと、この長い物語を読み終え、思った。
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読み終え。
大河開始に間に合った!
けど、司馬遼の書く義経は、私の好きな義経像じゃなかったから、ちょっとガッカリ。
まぁ、大河前に、時代背景と流れはおさらいできたから、それはそれでよし。
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大好きっすから。自分義経大好きっすから。ちょっと残念なところは義経の最後、衣川の戦いが書かれていないところかなぁ。だからそこが好きな人には物足りないかも。でも、あたしは義経は北上して生きていたってほうがヒーローっぽくて好きだけどね(*'ー'*)
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昨日の夜に読み終わった〜〜〜〜!!
最後まで義経は報われなかったけど…(T_T)
読み始めたのは「何で頼朝はあんなに義経を嫌ったんだろう」っていう理由が知りたかったから。
それで読み終わってみて、まだ統治国家が出来上がっていない頃の日本の生き残っていく厳しさが背景にあったのかなあってちょっと分かったかな…
義経は才能を持ち過ぎていたために、頼朝から将来自分の作ろうといている鎌倉国家の敵になると恐れられて、結局疎まれたけど、なんかやっぱりとっても切なかった…
話の中では、義経は肉親に育てられていなかったから、普通以上に兄からの愛情を求めていたって書かれていたけど、もちろんフィクションだから実際はどうだったかは分からないよに…
でも義経がそれまで戦争と言えば、ただ真っ向勝負だった日本で、初めて戦法を用いた人間で、しかもそれを何回も大成功させていることは事実で、その義経が実の兄に正当に評価されずに、殺されたってのは、彼が今でも人気のある史実上の人物である
理由なんだろうなあ。「悲劇のヒロイン」だね。
とにかく、面白かった☆☆☆
大河見ちゃいそうだなあ〜〜〜A^^;)
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NHKで放送中なので慌てて読みました!上・下と2巻だけなので大事なシーンが大幅にカットされており期待したよりガッカリでした。でも司馬遼太郎は面白いよ♪
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義經といへば、辨慶と牛若丸の話で知つてゐる人が多い。
私も知つてゐることといへば、
源平の戰ひでの「ひよどり越え」だとか「屋島の戰ひ」だとか、
兄・頼朝に追はれて、平泉の藤原を頼つて逃げたものの、最後は殺されてしまつたとか、
一説によれば大陸まで逃げ延びて、チンギス・ハンになつたとか、
せいぜい、その程度のことしか知らなかつた。
この小説は、何故義經が兄・頼朝に討たれることになつたか、がよく判るやうに書かれてゐる。
要約して云つてしまへば、次のとほりだらう。
義經は戰術能力に關しては天才だつたが、戰略やましてや政治についてはまるで子供だつた。
兄は源氏といふ武家の棟梁としての立場からものを考へたが、義經にはまつたくその考へ方が理解できなかつた。
つまり、兄は武家政治を行なふ上での組織や規律を築かうとしたが、義經は目の前の戰にしか興味がなかつたと云へる。
そして、兄との血の繋がりを過大視しすぎた。
一言で云つてしまへば、義經はまるで子供のやうな男だつたといふことだ。
しかし、さうは云つても、その戰術勘は天才であつた。
騎兵の機動力を驅使した奇襲戰法といふものは、
義經が「ひよどり越え」で採用するまで誰も行なつたことがないらしい。
それどころか、義經以降では、信長が「桶狹間」で行なつた以外にはなく、
その次となると日露戰爭で秋山好古が採用するまで無かつたさうだ。
まさに天才と云つても過言ではない。
この作品は義經の逃避行についてはまつたく描かれてゐない。
作者に義經の悲劇を描く氣持ちはなかつたやうである。
私がこの作品で一番魅力的だと感じたのは、後白河法皇である。
この人を中心としてこの時代を描いた作品を讀んでみたいと思つた。
2004年12月15日讀了
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司馬遼太郎の義経は、単純で甘ったれで、政治に疎く、そして魅力にあふれています。
感想はこちら。
http://xxxsoraxxx.blog11.fc2.com/blog-entry-35.html
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平家は滅び、藤原氏も滅び、そして、政治的インテリが欠如していた、といわれる義経も、兄頼朝に命を狙われるべき人物となり、権力のあるものに趣く朝廷は頼朝のみかたをし、次第に追い詰められていく。鎌倉時代到来直前、義経物語下巻。
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義経の本っていっぱいあるんだよね。この義経を読むと、萩尾望都さんが描いてた義経像とは、ちょっと違う感じがした。こっちの義経の方が、もう少し、どろどろしてる感じがする。きっと、他の義経を読んたら、もっといろんな義経像がでてくるんだろうな。。大河ドラマ、みとけばよかった。
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ちょっと終盤がね。。司馬さん途中で面倒くさくならなかった?とか敢えて突っ込みたい。まぁそれでも最後まで読んでしまうのだけど。
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下巻は木曽義仲の都落ち〜義経の死まで。
下巻から義経の軍神ぶりが如何なく発揮されますが、そのバカッぷりにイラつきもしました。
政治的資質がここまで足りないってどうよ!?
けれど、このアンバラスさも彼の魅力なんだなぁとも思う。
何より、ここまで魅力的な義経をかける司馬さんはスゴイ。
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どこかで見た『義経は歴史上もっとも古いヒーローである』という言葉が忘れられません。歴史物は苦手なのですがこの本は読みやすかったのですんなり読了しました。ちょっと義経に詳しくなった気がします。
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義経の天才的な戦いぶりを読みとることができる。
義経がいなければ、鎌倉幕府なんてものは存在できなかったのではないか。
好色という点をのぞけば、一つの思いに向かってひたすら突き進む義経の姿は憧れを感じてしまう。
義経をかっこいいヒーローとしてではなく、あくまで客観的に悪いところもすごいところも語り尽くした、おもしろい小説であった。
なんとなく、職場での自分の行動の仕方を感じ取ることができるようなものがあった。
義経を真似するか、反面教師とするか…。
2008年1月10日読了
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義経の下巻。木曽義仲を京から駆逐した義経は、平家を一の谷や屋島で倒し、最後には壇ノ浦でついに平家を滅ぼす。しかし、この戦いによって高まった義経の武功のひとつひとつが、鎌倉にいる頼朝には、権力を脅かす存在として映り、大きな懸念材料となっている。結局、頼朝から義経を討つ命令が下され、義経一行は日本を転々とし奥州で最後のときを向える。歌舞伎「勧進帳」の場面はでてこないが、最後まで弁慶は義経の忠実な部下として働いている。義経の政治力の欠如が自分の死の原因であるが、それがまた義経の大きな魅力となっている。
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一の谷の戦い、矢島の戦い、壇ノ浦の戦いとかの詳細な記述がすごい面白かった。
楽勝で勝利したと思ってたんだけど、そうでもないんだね。
木曾の義仲とかのことも知れてよかった。