紙の本
伏線が脚光をあびるとき
2004/02/15 17:38
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投稿者:江川あおい - この投稿者のレビュー一覧を見る
クリスタルの古代機械により転送されたグイン。サーガは一挙に過去の伏線を解き明かす真実にたどり着くのか? 躊躇するグインの前に現れた老人は? 前半に現れたグラチーのおっさん(失礼かな?)が笑いを誘いつつも、後半の白髪の老人に話をつなぐ。これだから栗本先生の本は面白い、という栗本文学の真髄となる作品だと思う。
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しばらく外伝が続くのかと思ってたけど、ちゃんと本編が続いて良かったです(笑) 久々のノスフェラス、グインとロカンドラスの邂逅。そして、星船へ。またもや、これからってところで終わってる(^^;
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豹頭人身の英雄グインの活躍を描く未曾有のエピック・ファンタジーシリーズの93巻。
グイン・サーガとの付き合いはもう20年程になる。40巻がでた頃にもう一度1巻から読み返してみようとしたことがあって、それだけで3ヶ月くらいかかったのを覚えている。それももう随分前の話だけれど。今読み返そうとしたらどれくらいかかるだろうか。何巻になるのか知らないが無事完結したら是非読み返したいものだ。
栗本薫の作風は、綿密なプロットを積み上げてひとつの作品を作り上げるタイプとは正反対で、思いのたけを原稿用紙に叩きつけ、つじつまの合わないところは強引にあわせながら、物語の勢いにまかせて綴っていくタイプ。好き嫌いは分かれるところだろうけれど、こんなに素敵な物語が終わってしまうなんてという残念な思いを何度もしてきて終わらない物語を書きたくなった、という作者の思いは共感できるし、終わらない物語という評価軸ではグイン・サーガと比較できるものがほとんどない現状では、好き嫌いは言っていられない。それに、また勢いだけで書いているなあと思わずにいられないちぐはぐなストーリー展開を目の当たりにしても、強引にストーリーを進めてしまう手腕に身を任せるのも悪くはない。そう思わせるだけの物語の力があると思う。
さて、本巻では、92巻の復活の朝がまったりとほとんど話の進まなかった息継ぎの巻であったのと比べるとだんだん話が盛り上がってきて大きな展開を迎える手前といったところ。次の巻が楽しみだ。
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この巻の登場人物は、なんと4人!!
しかも、むさいおっさんばかりでした。
あっ、オバケもいちおう登場していることになるのかな。
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久しぶりに主人公グインの心がよく分かる巻(いつも寡黙で、大人なので…)思えば、グインが一番過酷で、淋しいですね…周りに沢山人はいるけど、孤独かも…
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グインvsアモン@ノスフェラス編の幕開け。グインの生態の考察は何とも力技w。グインのレントゲンを撮ったり人間ドックに入れたりすれば~?ロカンドラスのよればグラチウスは青い青い若造呼ばわりの816歳。確かにグル・ヌーを前にしてグラチウスのビビリぶりが可愛いらしいww。
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あまりにも多くをみたがゆえに、もはやカナンの悲劇にさえ、胸が揺れぬようになったというのか。いや、そうではない。悲劇の数は、ひとの子の数だけあるのだ。(p.226)