紙の本
怪奇幻想色の濃いクリスティーの作品集
2004/06/20 23:51
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投稿者:風(kaze) - この投稿者のレビュー一覧を見る
純粋なミステリと言えるのは「検察側の証人」一編のみ。他の作品は、心霊術や憑依現象、予知能力などをテーマに、不気味な雰囲気を醸し出している。本書は、そうした怪奇幻想色の濃い短編集である(1933年)。
純然たる怪奇小説でもない、かと言ってミステリでもない、中途半端な印象も受けたけれど、そこはクリスティー、なかなか面白いじゃないのという作品がいくつもあった。なかでも、O・ヘンリ風の話の妙味を感じた「翼の呼ぶ声」が一押し。金の威力に縛られた億万長者が、現世からの脱出を希求する話が面白かった。
「検察側の証人」は、後年(1954年)、クリスティーが戯曲化したものを、ビリー・ワイルダー監督が映画化した作品として有名(映画の邦題は「情婦」)。話がどう転がっていくか予測がついていたとは言え、かっちりと引き締まったプロットと、巧みな人物造型に、これは見事な作品だなあと唸らされた。
まあ、クリスティーの異色短編集ではあるけれど、緊迫したムードが高まっていく話のスリリング感などには、ぞくぞくさせられる雰囲気があって楽しめた。
風間賢二氏の巻末解説は、「ミステリと怪奇幻想」「精神分析学と心霊主義」の面から、本作品集の味わいを見ていったもの。読みごたえがあった。
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ホラー他の短編集
2023/11/06 19:30
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投稿者:kisuke - この投稿者のレビュー一覧を見る
ポアロやマープル等の有名探偵は登場しない、怪奇的な作品の多い短編集。霧に包まれたような、はっきりしない結末のお話は読んでいて疲れました。
「青い壺」はオチがありますが、途中で真相に気づいてしまいました。
「検察側の証人」、これは映画化されただけあり、クリスティらしい作品だと思います。
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怪奇な短編集+1
2014/07/31 21:14
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投稿者:yami_aru - この投稿者のレビュー一覧を見る
本作は「検察側の証人」で知られる、怪奇オカルト系の短編集です。
ほとんどが超常現象やオカルトに彩られた作品なのですが、
やはり探偵小説としては「検察側の証人」が白眉でしょう。
今となっては通用しないようなネタですが、まさにこの時代にしか書かれない内容です。
この作品のためだけに購入しても良いかと思います。
ほかの短編はまあ、これといってどうということはない作品なんですが。
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ベルギーの小さな村に侵入したドイツ兵士を、謎の爆発現象で吹き飛ばしたのは聖女と評判の修道女であった。まもなく、彼女は「死の猟犬」について謎めいた話を始めるが…。超自然現象とそれに絡む犯罪を描いた表題作をはじめ、幻想怪奇をテーマにした異色短篇11篇と映画化された名作短篇「検察側の証人」を収録。
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神秘主義っぽい作品を多く集めた短編集。中学生の頃けっこう好きでよく読んでいたのだが、いかにも中学生が好きそうだ。当時はとくにジャンルを意識していなかったが、やっぱりミステリ色が強いものがおもしろい。
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少し不思議で怖い話の短編集です。1つのお話が40P前後なので毎晩寝る前に1話ずつ読んだら意外と楽しめました。個人的には「第四の男」「ランプ」「ラジオ」「検察側の証人」「アーサー・カーマイクル卿の奇妙な事件」が好きです。
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短編集。
ホラー……というか、不思議な怪談とミステリーが、一緒くたに入っています。
そして、ホラーとミステリーは、途中まで雰囲気が一緒なので、読んでいると、最後まで、
「これは、ホラーとして読んでいくべきなのか?ミステリーとして読んでいくべきなのか?」
が、混乱してしまいます。
その混乱をふくめて楽しめるかというと、そこまではいってないような気が。
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アガサ・クリスティーのハヤカワミステリで新訳だったので読んでみた。
ミステリーじゃなく
ホラーというかオカルト短編集。
さすがにクリスティーで安定感はあるけど、とくに怖くない。
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怪奇系短編集。
クリスティが面白がりながら書いたとは
思えないんだけども……。
主に霊媒師の話。
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アガサ・クリスティのホラーやオカルトばかりの短編集。
その中で異色なのが「検察側の証人」。
これは映画化されたり別に単行本化されたりもしているので面白かったが、それ以外はイマイチ好みじゃなかった。
やはりクリスティはミステリやサスペンスのがいい。
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猟犬が関連したミステリはいくつかある。
本短編集にも、猟犬にまつわる話が一つある。
短編集の名前は、どの短編の名前にするかは迷わないのだろうか。
しばしば、一番いいと思うものでない名前になっていることもある。
本編は、2週間楽しむことができました。
短編集には、他の作品と関連した話題、用語をみつけるのが楽しみです。
似た構造、似た登場人物、似た風景、似た駅名があると、
アガサクリスティものを読み進むときのヒントになります。
自分では、ミステリと怪奇物の区別がつきません。ごめんなさい。
ネタばれになるといけないのでこのあたりで。
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アガサクリスティには珍しく、超常現象などを主に納めた、短編集です。
他の小説では、現実味に溢れる、理に適った推理を展開するので、幽霊や超能力などとは無縁の人かと思っていたのですが、これを読むと、その考え方が変わってきます。
アガサクリスティという人物が不思議に見えてくる一冊です。
中には、ぞくっと来る短編も有りますので、ただの推理物に飽きた方は、是非お試しください♪
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まさかの超常現象やゴシックホラーな一冊。
確かに解説を読むとミステリー好きが傾倒するのもわかるような気がしますけども。「検察側の証人」先に映画で見ていて個人的にベスト10に入る映画だと思って原作読んでみたら‥あれ、こんな展開だったけ‥??映画のほうが私はLOVEですね。
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クリスティのオカルト色の強い短編集です。探偵はでてこない。面白かったのは赤信号、ラジオ、検察側の証人である。特にこの検察側の証人はオカルト出なく法廷もので、意外な結末に驚く。中途半端で不満が残る作品もあるが、新しい一面が見えた作品集です。
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ミステリというよりは、少し不思議な話の短編集。
事件は起こるが、トリックでもなく不思議な感じで終わる。