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まだ3巻やちょっとの時点でこのレヴュー書いてますが、こんなにも張り巡らされすぎた複線をどう纏めるのかが楽しみでしょうがない漫画です。完結するのは何年後なんだろうなあ…
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全巻所有。一巻は読みながら泣き崩れそうになった。そのうちに置かれながら自らを否定してくる世界と闘いながら「生きる」あるいは「在り続ける」こと、いかにしてそうするかのひとつのモデルとして今後も読み直したい。
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ライカがかわいい。マリエンバートの気持ちはとてもよくわかる。まだ彼女の半分くらいの年だけど…子供は別にほしくないけどっていうかもういらないけど、恋のときめきはほしいよね☆
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この物語は、登場人物が多すぎる。人物間の関係が一度読んだだけでは、掴めない。というわけで、第2巻では、章の終わりに人物間の関係が説明してある。
映画、マトリックスでは、現実とサイバースペースの関係を論理的に考えようとすると、納得のいく筋道がつかめるわけもなく、物語の中に入り込めず楽しめなかった。
バルバラ異界でも、現実世界と、キリヤの作り上げた仮想世界に青羽が住み着き、そこに渡会時夫が入り込みタカに引きずられていくうちに、バルバラにいたパインがこちらの世界に来て、キリヤのことをタカだという。現実とバルバラが交錯してきた。
バルバラでは、死者がでると心臓を取り出してみんなで食べる儀式が行われる。死者の心臓を食べると永遠の命が約束されるという。(青羽が、眠りに入り込んだのは、両親を殺して心臓を食べたため、という噂もあるのでそれと関係した儀式なのか)渡会も弔いに参加し、心臓を口にしたら、現実世界の渡会の心臓が停止してしまった。現実世界と仮想世界のはずのバルバラが密接に関係しているというところが、バルバラ異界の新鮮味というところと思うが今後どう展開するか楽しみだ。
●第2巻の内容
若返りの試薬を飲んだ青羽の祖母、十条菜々実は、若返り、若返った姿でマリエンバートと名乗り渡会時夫に近づき愛を告白し、一夜を共にする。若返った菜々実は、渡会の子供を生むというが、試薬の実験者は、卵細胞は、すでに子供を生める状態ではないという。
キリヤは、母親からの電話で、時夫には会うなという。なぜ時夫と結婚したのかと聞くとあなたが出来ちゃったから仕方なくという。生まなきゃよかったのにというと、赤ん坊に罪はないからという。(望まれずに生まれたときかされた子供は、一体どう生きればいいんだ。)父親の時夫は、もっと君に会いに言って君の成長に関わればよかった、後悔しているという。キリヤとしては、ずっと孤独に悩んできたのに、いまさら父親として関わろうとするのが許せない。
時夫は、青羽がキリヤに送ってきたメッセージの意味を探るために、再度、青羽の夢に入り込む。バルバラでは、タカやパインは以前と変わらないが、青羽は成長していた。タカは父親がほしいという。パインは、人工子宮から生まれたので、別に父親は要らないという。タカはバルバラをでて、学校に通いたいという。青羽はここが世界の中心だからここを出たくないという。世界の外では戦争をやっていて、大勢が死んだ。ここでは誰も死なない。雷ジジに聞くと、バルバラの人間も死ぬという。死ぬと遺体を外の世界の人体研究局が引き取り、十条製薬の工場で不老不死の薬にされるという。(なぜ仮想の世界と現実の世界が結びついてしまうのか。)
青羽がキリヤのところに現れ、青羽とキリヤは、かつて、水で満たされた火星の海で、一つの生命体として幸福な日々を送っていたという。地球で再び生まれ変わり、一つの生命体として永遠の命を持つようになる。それが希望であり、来るべき未来であるという。
キリヤが今まで何度も火星の夢を見たのは、火星の記憶が蘇ったからだった。(萩尾望都は火星が好きと見える。「スターレッド」を始めとしてたびたび出てくる)
バルバラで、ヒナコが死んだ。渡会は、ダイヤに連れられてお通夜に出席したら、ヒナコの心臓と浮き袋を取り出しみんなで食べるのだという。(バルバラの住民には浮き袋があって体が空中に浮くらしい。)食べると永遠の命が約束されるのだという。渡会が食べると、現実世界の渡会は、心停止になってしまう。
パインがパリスと名乗って、転校してきて、キリヤのことをタカだという。
時夫は、バルバラの時代を確かめに青羽の夢に入り込んだら、2150年だという。2130年に火星大戦争があり、多くの人が死んだという。
(2004年6月20日・記)
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バルバラは、夢の世界?それとも、100年後の未来?
穏やかな世界に見えたバルバラも、なんか、仮面をかぶっているみたいです。
もう、ちゃんとストーリーを追いかけられているのかどうか?
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2052年、両親が殺されるという惨殺事件のあと、9年にわたって眠り続ける少女と、彼女の夢のなかにはいっていく男、そしてその息子の物語。
「残酷な神が支配する」の後に描かれた作品で、「ああ、あれはやっぱり萩尾望都にとってターニングポイントになった作品だったんだな」と感じる。もっとも、それを具体的に説明しろといわれると困るんだがww
ただ、きっと今までの萩尾望都なら、夢に入っていく男、トキオの息子、キリヤを主人公にしただろう。そして、ずっと彼の視点で描いていただろう。「スター・レッド」のように。
が、これは絶対的に、トキオの物語なのだ。
眠り続ける少女、青羽の物語だけれど(彼女の夢の中の世界、バルバラは彼女を中心に世界はなりたっている)やはり、夫として、父親として、不完全なトキオが、その不完全さをそのままに世界を愛する物語であるように感じた。
うん、そうだ。
キーワードは、親であり、不完全な世界、なのだ。
それにしても、説明不足で訳わかりません、っていうギリギリのラインで保持されている世界の美しさよ。
萩尾望都の世界が美しいのは、このあやうい中で美しいバランスを保っているからなんだと思う。
萩尾望都が読める、今に生きてて、本当に幸せ。
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全4巻。すべて読みましたが、表紙がかわいいアオバちゃんを本棚に並べました。2052年、未来のお話。人の夢に入り、癒すカウンセラー時夫は、義理の息子であるキリヤと、ある凄惨な事件のあと眼を覚まさないアオバという少女の夢がつながっていることを発見する。
萩尾先生が講演会で、「残酷な神が支配する」を書いて、自分のなかで憑き物がとれたみたいにいままでの凝り固まった思いがすべて流れ出て、それから日本を舞台にした作品を書くことができた、というようなことをおっしゃっていたので、手に取った作品。最後まで読むと、とても切ない気持ちになります。なぜかはいえないけれど。アオバちゃんは、聡明で、美しくて、一途な気持ちのある女性。キリヤ君は、ちょっとさびしくて、意地がある、でも揺れている青年。キリヤと時夫が向かい合って食事しているシーン、気まずい空気なのだけど、二人の男性のむずがゆい色っぽさは、さすが萩尾先生。
トーマとはまったくちがうけれど、これもよい作品でした。
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2004年4月20日初版第1刷発行
2007年1月25日第4刷発行
萩尾望都のSFはレイ・ブラッドベリのような少年ぽい不思議さやロバート・F・ヤングのような懐かしいロマンがあって好きだが、それに加えて取り返しのつかない寂しさと残酷さというか、強烈な喪失感を伴う甘さが感じられて独特の陶酔感を味わえるので中毒になる。
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萩尾先生の親子関係は集団的他者と言うか、親は親、子は子で、それぞれが自己を持っていて、親として、子としての自分よりも、一人の人間としての自分が勝っている気がする。
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火星と地球、未来と現在。なにが夢でなにが現実なのか…
しかしキリヤの母はもうちょっと、見たくもないレベルだけども、時夫も…時夫もなあ…
親ももちろん人間だけども、子どもの前では「親である」という幻想を守らなきゃいけないと思うのだ…。少なくとも「親であろう」としているのであれば。せめて子どもがそっと目をつぶれるくらいの粗でなくては…。
まあ要はデリケートな時期に迂闊なことしちゃいかんよーっていう…。