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「世界から文字が1つづつ消えていく」をコンセプトに書かれた作品。消えた文字を使う物、人はそれ以降二度と作品には登場しない。当然あとになればなるほど制約は厳しくなっていくんだけれど、最後の最後まで筆が冴えてるんだよな、このおっさんは。
惜しむらくは、企画の面白さに作品の内容が追いついていないこと。でも、それでも充分すごいんだがな。
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<あらすじ 裏表紙から抜粋>
「あ」が使えなくなると、「愛」も「あなた」も消えてしまった。世界からひとつ、またひとつと、ことばが消えてゆく。愛するものを失うことは、とても哀しい……。言語が消滅するなかで、執筆し、飲食し、講演し、交情する小説家を描き、その後の著者自身の断筆状況を予感させる、究極の実験的長篇小説。
</あらすじ>
ことばを駆使して話を紡いでゆく小説にとって、この試みは無謀とも言える。だが、筒井康隆はそれをやってのける。十年以上も前の作品であるのに、この話は新しいすぎる。新しすぎてついていけないくらいに。うーん、こんなの読まされちゃすごいとしか言い様が無いよね…。一度は読むべし。凄すぎます。
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この世はいったい何でできていると思う?
分子?原子?それとも愛?
言葉です、この世は言葉でできているんです。
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断筆の件で彼が怒って書いた本。こんなことできるなんて本当にすごい。吹き出しつつ、最後めちゃめちゃになるところまで読んだ。言葉は大事だよ!
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世界から言葉が消え ていく話
「世界からはすでに「あ」と「ぱ」と「せ」と「ぬ」と「ふ」と 「ゆ」と「ぷ」と「べ」と「ほ」と「め」と「ご」と「ぎ」と「ち」と「む」と「 ぴ」と「ね」と「ひ」と「ぼ」と「け」と「へ」と「ぽ」と「ろ」と「び」と「ぐ 」と「ぺ」と「え」と「ぜ」と「ヴ」が消えている」
もちろん文章にもね。
面白いぞ
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一章ごとに一文字ずつ音が消えていく、という実験的作品。例によって、虚構中の主人公(ほとんど筒井氏自身の投影)はそうした制限付の虚構の中にいることを意識していて…。最後まで虚構内物語がきちんと進行し、ラスト一文字の消滅と共に完結するという実験文学としての完成度の高さも驚異的ですが、同時に作家・筒井康隆の独白としても興味深く読める一冊。不思議に切ない傑作。
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悪戯に言葉を制限し続けたら表現世界はどうなるのっていう危惧のメッセージを込めた言語実験ゲーム小説。使える音が半分位に減っている段階で情事シーンや自伝を鮮やかに書ける筒井様にただただ脱帽。色々上手く言いくるめて、ラストは本当にひとつの音だけで小説を完成させた筒井様神。アグレッシブです。
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世界から言葉が少しずつ消えていく。背表紙から抜粋すると「あ」が無くなればあなたも愛もなくなるといった具合。
全てが無に帰すまで淡々と。
相当失われても、まだこれだけのものが残るのか!と驚く。
後味は不思議と悪くない。
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そのストーリーの面白さというよりは構成のすごさに評価が傾いてしまう一冊。著者、筒井康隆氏のこの時期の動きを少し調べてみると、この作品の背景もわかりやすいですが、個人的に衝撃を受けると同時に、物語に対する紹介もきちんとしたいなと思う一冊です。いずれ、この紹介を更新しなおすべき作品となるでしょう。
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ひとつずつ世界から減っていく文字。減った文字はそれ以降出てこない上に、その文字が入っているものも失われていきます。構成力に脱帽。最後はほとんど文字がないのに、物語が成立してるところもすごい。
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薦められて読んだ。実験小説。
一文字ずつ言葉を使えなくしていく。後半かなりの部分まで無理なく話が書けていたのが驚愕。作者の語彙数の多さや表現力のすばらしさがわかる。
内容はまぁ…。
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世界からランダムに五十音が一つずつ消えて行く。例えば「あ」が消えると同時に「愛」が消え、「ぱ」が消えるとパンが消え・・・世界を構成する物も人も少しずつ消えて行って、最後に残るのは?勿論本文も消えた音を使わずに綴られているが、解説を読むと実際は5箇所程間違って消えた音を使っている部分があるとか。本文とは関係ないが、この解説ではある学生が本作を研究した卒論が紹介されている。かなりの力作なので一読の価値あり。
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20081215読了。
世界から言葉が消えていく
最初に消えた言葉は「あ」
50音順の一番初めの文字だから結構使うと思っていたのに、消えてもさほど違和感がないのがすごい。
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世界から、一文字ずつ五十音が消えていく。
ランダムに。
「あ」がなくなれば「朝」が消える「愛」が消える。
人が消えていく。
物が無くなっていく。
虚構か現実か。
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世界から音がひとつずつ消えてゆく…??!虚構と現実が入り交じった小説。
『あ』が消えたら、『朝』という単語もなくなるし、『あなた』もなくなるから、奥さんは旦那さんをなんて呼ぼうか困る。
『ふ』が消えたら洋食を食べるときに使うアレが消える。あっ、あと名前に消えた文字が入っている人は存在も消えちゃう!
この小説で何より凄いと思うのは、一度文字を消したら、その文字を二度と出さないまま話を進めていくこと!(5つ違反があったらしいが)
ある言葉が使えなくなっても、言い換えるなどして、ここまで『小説』という形を保っていられることには驚き。
さすがに後半からは、どんどん音がなくなるから言い回しが非常にまどろっこしくなるけど、それもまた味があってよし。
いやはや、これは筒井さんは天才だと思わずにいられないよ。