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犬は勘定に入れません あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎 みんなのレビュー
- コニー・ウィリス (著), 大森 望 (訳)
- 税込価格:3,080円(28pt)
- 出版社:早川書房
- 発売日:2004/04/01
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紙の本
にぎやかな21世紀からベル・エポックな19世紀へ、タイム・トラベルは猫と犬を連れて〜恋と歴史のすれ違い!?
2006/08/25 18:09
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:TYANA - この投稿者のレビュー一覧を見る
コニー・ウィリスのチャーミングな大傑作。タイムトラベル物なので、ジャンル的にはSFでしょうか。
科学的で難しいというようなことは全然ないので、面白い小説を読みたい人ならどなたでも、オススメですよ〜。
「消えたヴィクトリア朝花瓶の謎」という副題が示すように〜歴史ミステリに近い内容。
「犬は勘定に入れません」というタイトルは「ボートの三人男」の副題だったもの。あちらでは有名なユーモア小説で、犬も一緒にボートに乗ってテムズ川下りをするわけですが、三人というのに犬は入ってない、という意味。犬は言うまでもなく、というニュアンスのようです。
21世紀、近未来のオックスフォードから時間旅行へ旅立つ若き研究者ネッドとヴェリティが主人公。
つまり、中世へのタイムトラベルを描いて荘厳なまでの迫力のあった「ドゥームズデイ・ブック」と舞台設定は同じです。
今回は主な行き先が19世紀の平和な時代で、恋愛の要素も強く、楽しめる仕上がりになっています。
この話の中では時間旅行は十分可能になっているけど、費用がかかるのでスポンサー無しでは成り立たない、何ともせちがらいものとなっているんですね。
ネッドとヴェリティは、スポンサーの好き勝手な要請にしたがって何度も行き来を繰り返します。時差ボケならぬ時間旅行ボケという症状に悩まされながら、歴史に誤った影響を与えないように奮闘することになるのです。
タイムトラベルの影響で出会う人が出会わなかったら、記録されていた結婚はどうなってしまうのか??
そして、ネッド自身と美しいヴェリティの恋は…
未来では絶滅種となってしまった猫を巡っての物語でもあります。
テムズ川下りの風景は美しいのですが、猫と犬を連れてでは、そりゃあ大変でしょう!?
プリンセス・アージュマンドというたいそうな名前の猫にネッドは思い切り振り回されます。この猫が後書きで「性格の悪い猫」と表現されているけど、猫としてはごく自然にふるまっているだけで性格は悪いってほどじゃないのも〜猫好きには笑えます。
旅の道連れのブルドッグも言うまでもなく活躍、良い味出してますよ〜。
紙の本
ジェローム・K・ジェロームへのオマージュ・SF編
2005/08/04 08:49
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る
昨年秋,ヴィクトリア朝のユーモア小説「ボートの三人男」(ジェローム・K・ジェローム著)を読んだ。そのあとで,多くの作家がこの小説に影響を受けてこれに対するオマージュみたいな作品を発表していることを知り,そういうモノのうち邦訳されているのを入手して読んでみようと,思ったこれが第一弾。オビに「ヒューゴー賞・ローカス賞・クルト・ラスヴィッツ賞受賞」とあるのを見ればそのミチのヒトには判る通り,なんとこいつはSFなのである。
……2057年,オックスフォード大学の史学部の学生であるネッド・ヘンリーは,タイムトラベル研究のスポンサー,レイディ・シュラプネルのコヴェントリー大聖堂再建のために働いている。第二次世界大戦中のロンドン大空襲で消失したこの建造物を往事と寸分の狂いもなく再現するため,目下彼が探しているのは「主教の鳥株」と呼ばれる花瓶……のようなもの。空襲の夜までは確かにあったその花瓶を探して過去への旅を繰り返した彼はついに過労で倒れ,教授の計らいで19世紀のヴィクトリア朝で「静養」をすることになるが……。
「ボートの三人男」的ヴィクトリア朝ユーモアとハードSFの見事な融合。翻訳の大森望氏(ところで最近知ったんだけど,この「大森望」って名前,本名ぢゃなく清原なつのの漫画からとってるって本当?)があとがきで書いている通り,最初のウチは主人公同様読者も事態が良くつかめないのだが,おぼろげに話が見えてくるとこれがなかなか本を置けなくなる面白さ。歴史をひとつのカオス系と仮定し,その因果をまさしく糸車のように繋げてみせる離れ業,しかも細部には神が宿っている(……(笑)と書きたいがこのあたり,読んだヒトしか面白くないかも)。とにかく,こいつぁ傑作であります。
紙の本
タイトルに惹かれてもはずれなし!
2004/08/21 02:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Maku - この投稿者のレビュー一覧を見る
<犬は勘定にいれません>??
Y新聞の書評欄で、題名を見てすぐに購入しました。
もちろん、作者がオマージュした<ボートの3人男>も一緒に購入しました。(こちらは、古き良きイギリス式ユーモアでしょうか…。)
SFであり、<ボートの3人>のようななぜかイギリスちっくなユーモアあり(私は、この絶妙なユーモアが一番気に入ってます)、恋愛あり、推理あり、フリフリのヒアヒダあり、ジュジュちゃんあり(呼んだ方はご存知ですね)、猛女はいるけど、猛犬なし。
この手の本を滅多に買わない私的には、<夏への扉>以来のHITでした。
紙の本
“とにかく読み進めるのが吉”の、最高傑作!!
2004/06/24 23:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あんず86 - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初に言っておきます。
SFと聞くと難しそうで敬遠される方がいらっしゃるかもしれませんが、
この作品はそのような心配は全く無用です。
どうぞ安心して読み進めてください。
とはいえ、最初の数十ページは確かにちょっと読みにくいかもしれません。かくゆう私も読み始めて
すぐに寝てしまいました(^^ゞ でもだいじょうぶ。最初はワケわかんなくても、
面白くなくてもそのまま読んでみてください。
おそらく70〜80ページくらい読めば、そこから先は楽しい世界があなたを待っています。
とにかくのめりこんで読めます。ただ読んで読んで読み進む!だけです。
読み終わったときには恍惚としてしまって、ただもうはあ〜〜とため息をつくのみです。
タイトルの「犬は勘定に入りません」というのは、ジョローム・K・ジェロームの「ボートの三人男」の副題そのものをタイトルにしたものだそうで。
19世紀ヴィクトリア朝が舞台で、テムズ川を三人の男たちがボートで
川下りするという、のんびりとしたユーモア小説です。
実際、本書のなかにもその「三人男」とすれ違う場面が出てきます。
21世紀オックスフォード大学の史学生ネッドの19世紀での冒険、謎解き、ロマンス…
そうなんです、SFと言ってもこれはただのSFじゃない、ミステリでもあり、冒険小説でもあり、
ロマンスでもあり、さらに歴史小説でもある…と、いろいろな意味で楽しめます。
まさに最高傑作と呼ばれる小説だと思います。
舞台ものんびりとした19世紀がメインですし。テムズ川の川下りの場面などは本当にいいなあ、
自分もいってみたいと思わせる光景がひろがっています。
とにかく読み進めるのが吉という作品。ヴィクトリア朝版「バック・トゥ・ザ・フューチャー」と
解説でも書かれてましたがまさにその通り!
自分があることをしたせいで歴史が変わってしまう!?
運命の女性と結婚するはずだった男性が…これまた運命の男性Cさんと結婚するはずだった女性と
出会ってしまって…といった話。
すごく楽しい。読んで絶対に損はない話です。ぜひ!!
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