投稿元:
レビューを見る
温暖化が進んだ近未来。地形も政治も変わった英国が舞台。
元実験的特殊部隊の軍人である主人公・グレッグは、その軍隊の元で後天的に超能力を身につけた。人の感情を読み取ることのできる能力がそれ。
軍を辞めて探偵まがいの依頼などを受けているグレッグの元に、国際企業であるイヴェント・ホライズン社から、社内で起こっている陰謀を調査するように依頼がくる。
グレッグをサポートするのは、若くしてイヴェント・ホライズンの後継者に選ばれた少女ジュリア。
仕事面ではなく、プライベートでグレッグを支えるのは、働き者のエリナ。
グレッグが暴く、イヴェント・ホライズンを取り巻く陰謀はどんなものなのか。
という話なのだが、これまた非常に読みにくい。
あとがきを読んでみると、舞台設計を綿密に行う作者なのだそうだ。それはSFを書く場合重要なのかもしれないのだが、延々世界の説明をされると読む気が失せることも多い。
この作品では、そこまで説明がくどくどされているわけでもないのだが、どうにも読み進めなかった。
読み進めなかった理由はいくつかある。
主人公のグレッグに魅力を感じなかったこと。
メインで出てくる女の子ふたり、ジュリアとエリナの個性が似通っている上に、どうにもこうにも魅力的に感じなかったこと。
意味のない(と感じてしまう)行動や、世界描写、登場人物が多くて、覚えておけなかったこと。
もしかしたらこの作者、人物を描くのがうまくないのか? それとも、訳者と合わないだけなのか?(海外作品を読むときの最大の難関。訳にも相性がある。どうしても読めない訳者っているもんだ)
ストーリーは、経済ミステリー的な探偵物語かと思いきや、ジュリアやエリナを守るランボー的なアクション物語だったり、なんだかちょっとどっちつかず。