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(収録作品)十七年蝉/黒星/真夜中の調書/声/餞/鉢植えの女/眼前の密室/赤い名刺
(本格ミステリ大賞候補(2005/5回))
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臨場=変死体のある現場へ検死官が赴くこと
その検死眼の確かさから「終身検死官」の異名を取る 倉石義男のかかわる 8つの短編。
世間的に言えば表舞台には立つことのない いわば縁の下の力持ち的役割である 検死官。そこにも職人気質とも言える男がいる。誰のために検死をするのか?上司のためか?世間のためか?否、ホトケさんのためだ!と間髪を入れず断言する徹底振り。異端と言われようが上司から煙たがられようが天職と定めた検死の道を歩きつづける。
警察の舞台裏を書かせたら天下一品の作者であるが また一人 惚れ惚れする男を生み出してくれた。
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臨場と言うのは聴きなれない言葉ですが、警察組織で事件現場に臨み、初動捜査に当たることを言うらしいです。8編の短編からなっています。
主人公は、終身検視官の異名を持つ倉石。私は最初に読んだときに、倉石は、TVドラマの白い巨塔に出ていた大河内教授(品川徹さん)を思い出しました。それくらいイメージがダブりました。
しかし、大河内教授は私生活でも、夜遅くまでマージャンをしたり、ごみの日じゃないときにごみを出したりしない感じですが(^^)
作品は、短編集ながら、共通の人物も出てきて、連作小説のような形で、8件の事件を追う感じです。第三の時効で見せてくれた手法が、そのまま検視官というスタンスから書かれていると言っていいでしょう。しかし、第三の時効よりも、1作品のテーマが濃厚なような気がしました。したがって、短編でおいておくのはもったいないと言うか、あっさりしすぎていると言うか、もっと読んでいたい気分になります。
これだけの事件を8件、すべて1冊にまとめたのは、ある意味お得で、またスピード感もありますが、1冊に2〜3編で、3部作くらいの掘り下げた紹介でも良かったかなって気持ちです。2004.7.16
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「終身検視官」倉石。「イタリアのマフィアみたい」な細い尖った容貌に、捜査官たちが「校長」と呼び慕うほどの確かで鋭い眼光の持ち主・・・・かっこよすぎでした。
はずれなしの連作短編集。
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「このミステリーがすごい! 2005年版」第9位の作品です。今回は終身検視官を書いています。被害者が残したものだけで、犯人を突き止める、まさに二時間ドラマにうってつけの題材ですね。短編であるがゆえに、犯人探しの醍醐味はありませんが面白さは格別です。
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各短編の共通の登場人物、終身検視官、倉石がカッコイイ。それぞれの短編は、シリーズ物の一話完結のドラマで完成度は高いと思う。
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検察官の話。細かいとこまでちゃんと描かれてて、本物の検察官が書いたんかな。細かいけど、滑らかで読みやすい印象。
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組織内部の確執やジレンマよりも、事件に関わった人たちの人生をクローズアップしている。そこに倉石の「眼」と彼の姿勢を巧く絡めることで、事件の真相の裏に垣間見える人間模様に深みを出している。シンプルな文章だが、シンプルすぎる余り、読者にある程度の無理を強いてはいないだろうか。
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20050902
珍しく図書館で見つけた。未読の場合は絶対借りることにしている。この作家の書く話は、起承転結がはっきりしてて読みやすく外れなし。
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読者に「早く次が読みたい!」と思わせるような文章、そして専門的で臨場感がありながらも分かりやすい文章。
この本には幾つかの短編があって、全ての短編には『倉石さん』という共通の人物が出てきます。
倉石さんに関しては、『渋くてカッコイイおじ様』というように一言では表せないくらいの格好良さと、死体が残したものでホシ(犯人)を見つけるほどの鋭い観察力、どれを取っても凄い人だと思わされます。
短編の一つ一つはとても面白いのに、それが長編ではなかったのが非常に残念です。
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横山秀夫らしい作品。
検死官の話をこんだけつきつめて書く人もそういないでしょう。でもやっぱり面白い。
専門的な話をうまく噛み砕いてわかりやすくし、それにリアルな人間の感情、弱みを乗せてます。リアルすぎて怖くなるけど。
この人の本が隙だったら読んでも外れではないはず。大当たりでもないけど。
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「終身検視官」の異名をとる倉石氏の見事すぎる推理、それはまさに快刀乱麻だ。警察を舞台にした短編連作はやはりいい。この眼、この感、この発想。実在したら、いくつかの迷宮入り事件は消えたことだろう。個性的な人物の多い横山警察作品の中でも、かなり強烈な印象を放つ。これは、買い!です。
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2005年度「このミステリーがすごい!」で第9位。横山作品にしては珍しく組織の影があまり感じられない作品で、主人公でもある終身検視官の異名を持つ倉石のキャラクターが際立って面白いです。
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終身検視官と異名をとる鑑識出身の警視が主人公(といっても、彼を周囲から見る人の視点だけど)。法医学の授業もとってたので、彼の着眼点がとても面白い。ただ最後の蝉の話だけがいまいち納得感がないので、★ひとつマイナス。
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短編集。
鑑識によって死者の言わんとしていることをどこまで知り得るのか。
鑑識と言えばリンカーンライムシリーズなんだけど(笑)、細かな捜査には感心させられた。