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自殺をした青年がふと気づくと、なぜか崖にへばりついている。
自殺をした青年は崖をのぼってみるとそこには、年齢も性別もばらばらな三人の人間達がいて、そのうち神様まで現れる。
神様はその場にいた(青年も含め)四人に対して、命を粗末にした罰をあたえる。
それは、七週間の内に一〇〇人の命を救えというものだった。
なんだか馬鹿馬鹿しい設定であるけれど、実はこれが重たい。
様々な「死にたい」と思っている人間を救っていく彼ら。そんな自殺志願者のエピソードを軸に物語は進んでいくのだけれど、常につきまとうのは、もう自殺してしまった主人公達の存在。
「自殺志願者は未来が見えなくなる」という作中の言葉の通り、自殺した主人公達は、徐々に「見えないはずだった未来」に身を置いた自分に、何度も疑問を抱く。
どうして、死んでしまったんだろう。
もっとこうして生きていれば、もっと図々しく生きていれば。何度も自問自答を繰り返す。
この自問自答は、主人公達の心境でもあり、読者へのメッセージでもあるのでしょう。
嫌味の無い書き方が、心に響きました。
潜在的な自殺志願者達に、生きる意味を繰り返し叫び続ける自殺者である主人公達。
滑稽な光景だけど、最後にはこちらも熱くなってしまう。自殺しようとする人たちに「がんばれ」と叫びたくなる(鬱病にはいけないらしいけど)。
主人公達が自殺を食い止めるたびに、なんだかこちらの「がんばれ」という言葉が届いたような気になるほど、物語にのめり込めました。
でも、読者にとっての「目」である主人公達にかける言葉がない事に気づき、なんだか複雑な気持ちになってしまうのも、この本の魅力かも知れない。
この本は、まさに「救い」をテーマにしていて、全体的には爽やかに読み通せました。もちろん、ずっしりと心に残る重さはありますが、嫌な気分ではありません。
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「自殺者の命を救え! 」と風変わりな神様が浮かばれない霊たちに下した。天国行きと引き替えに人名救助隊を結成させ、地上で100人の命を救うこと。救う立場に救われる立場、いろいろあるが、世の中すてたもんじゃないと思いたくなりますね。
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結構おもしろかった。自殺しようとするものを自殺した4人が助けていくお話。きれいごとすぎずいやみでもなく案外楽しく読めた
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大学受験に失敗した 裕一、ヤクザの親分 八木、零細企業の経営者 市川、アンニュイな若い女 美晴、という いずれも訳あって自ら命を絶った4人が主人公である。無駄な死に方をしたために、いまだ天国へいけずにいるところに 神が降りてきて 49日の間に自殺者を100人救えば天国逝きを約束する、と言われ 地上に降ろされるのである。
設定は間違いなくコメディなのである。が、読み進むと決して笑ってはいられなくなりのだ。哀しすぎる。今、という時代の病巣をこれでもかと見せつけられるようであり、無力感にも捕らわれる。
じんわりさせられる物語でもある。
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それぞれの事情で自殺してしまい成仏できてない主人公4人。そこへ神様が現れ、100人の自殺願望者を助ければ天国へ行けると期限付きで現代の日本に4人を送った。死んだ年代も違う4人なので死語を使うあたりはかなり笑えた。が、最初はテンポ良く読み進んでいったが、これが100人になるまで読むのか・・という飽きも途中出た。ラストも読めてしまい、ちょっと残念。
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胡散臭い題名で、幽霊が自殺しようとする人に(自殺を)思いとどまらせるという、あり得ない設定。
でも、人間の弱さや身勝手さを考えさせられる内容だったと思う。
4人の幽霊(かつての自殺者)は100人の命を救うことによって、天国に行くことが出来る。
助けようとする人の中には、このまま死なせてやった方が幸せではないかと思う人もいる。
助けるのに値しないような極悪な人物もいる。
どんなに生きたいと願っても、不本意に死んで行く人がいる。
そして、この世に誕生したからには、やがてみな死んで行かねばならない。
簡単に自らの命を絶つなんて、やっぱり許されないことだと思った。
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自殺という重いテーマの作品ですが、要所要所に良い感じで笑いが含まれています。四苦八苦しながらも懸命に自殺者を救おうとする主人公たちの姿がとても素敵。読むだけで何か救われる感じがしました。笑いあり涙ありの感動作です。
デビュー作の「13階段」から、この「幽霊〜」まで、作者が訴えかけているのは「命の大切さ」だと感じさせられます。
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妹にずっと薦められて読みました。思いのほか良かったです。結構一気に読んでしまいました。最後には少し泣いちゃったし。自殺するのって、ほんと周りの人が大変だよね。別に死ぬのは自由だけど、無責任だねと思ってしまうなー。
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う〜んと、確か、自殺した幽霊達が、神の命令を受け、協力しながら自殺しようとしている人々を助けるって話だったかな。命を粗末にした代償として人助けをしてから天国へ行きなさい。
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自殺することが良いか悪いかなんて正直わかんない。
でもちょっとでも死にたいと思う人がいるならば、その前に是非読んで欲しいと思う作品。
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久しぶりに泣きそうになった凄い本。自殺をした人が幽霊になって自殺しようとしている人を助ける話。それ自体は…どうなんだろう。傲慢な気もするけれど。でも“分かる”から優しさなのかなぁ。話の中で鬱の人とかがでてきて、その人達に向けられる言葉にちょっと救われる。でも“ありのままの自分”を簡単に好きになれるなら苦労はしないよなぁなんて思ったり。所々ギャグ(?)も入ってて面白いし、題材も好き。ストーリーもよし。よい本です。
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久々にすごい本に出逢いました!!◇◆自殺をした人が幽霊になって自殺しようとしている人を助けるお話。
「未来が定まっていない以上、すべての絶望は勘違いである。」
笑える部分もあって、かなり楽しめる!◎
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神様がパラシュートで降りてくるという設定は少し?だったけれど、面白かったです。
最後の父と息子の語り合いにはちょっとホロリと来ました。
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感動的な一冊でした。最後は泣いてしまいました。読み始めはもっと軽い読み物かと思っていたのですが、なかなか深いストーリー。初めて読んだ作家さんでしたが、他の本も読んでみたいと思いました。
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夕方までは死なないでください。僕たちが必ず助けてあげます
大学受験に失敗して首吊り自殺し幽霊となった裕一は、同じ立場の三人と共に、天国行きと引きかえに自殺者の救助を神に命じられる