紙の本
サバイバルとミステリの融合、万々歳!!
2004/04/11 23:12
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投稿者:カルバドス - この投稿者のレビュー一覧を見る
久々に一気読みをした。生きるか死ぬか正真正銘のサバイバルゲームと、アリバイ崩し&犯人当ての本格ミステリとの見事なまでの融合。記念すべき第30回メフィスト賞に選ばれたのも頷ける。そしてもう一つ、すでに発売前にドラマ化が決定していたというのももっともなことだ。
閉塞空間においての推理ゲームには、疑心暗鬼がつきもの。誰が怪しいのか誰が信用おけそうなのか、逃げ出したくても逃げ出せない、死にたくはないが“死”は楽そうに見える……次々と突き付けられる過酷な現実が、自分以外の存在を全否定しようとする。これに完全に囚われてしまうと、もはや破滅への一途を辿るしかない。どこで妥協するか、いや、どこまで妥協できるかの線引きが、非常に困難なのだ。
ただでさえ疲労困憊の主人公を悩ませるのが、ある女性の存在だ。「生死に関わる状況で行動を共にする男女間には、恋愛感情が芽生えやすい」といわれる。これは、心理学や行動科学の分野で証明されていることだ。パニック映画で必ずといっていいほど恋愛シーンが描かれているように、本書の主人公も恋の気配を感じ取る。だがその場所は、サバイバルゲーム開催中のコロシアムに他ならない。気持ちに素直になるべきなのか、用心に用心を重ねるべきなのか、その葛藤もしっかりと描かれている。
実は、読み出して少しして、トリックは朧気ながら見えてきた。だが、どうにもハッキリしない。はやる気持ちを抑えつつ読み進め、クライマックスを迎える段になってようやくスッキリした(単に私の頭の回転が鈍いだけなのだが)。ほんの少しだけ必要だったひねりが、とても気持ち良かった。「似たような内容で全く別の作品を、もっともっと読んでみたい!」 読後、真っ先に思った感想がそれである。素直に拍手を送りたい。
紙の本
究極の推理ゲームへようこそ
2004/06/04 21:58
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投稿者:タカザワケンジ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリの楽しみは、作者が仕掛けた罠を見破ろうと、読者が知恵を絞ることにある。ミステリファンは、いつでも極上の謎を求めていて、奇抜な設定にも寛容になれる。
ある朝、目覚めると、そこは見知らぬ部屋だった。殺風景な部屋の外に出ると、自分と同じように、理由がわからないまま、そこにいる6人の男女がいた。外部との通信機能は一台のパソコンだけ。しかも、そのパソコンで受け取ったメッセージは恐るべきものだった。
これからここで殺人事件が連続して起きる。その犯人を当てるのが、このゲームに参加した「プレイヤー」に課せられた使命である。しかも、こことは別に、7人の男女が同じように「プレイヤー」として連続殺人事件の推理に挑んでいる。
犯人は「プレイヤー」の中にいる。別の7人よりも先に犯人を当てる以外に、この場所から生きて帰る方法はない。しかも、殺されるのは自分たち。
まさに極限状況での「推理ゲーム」である。語り手の「僕」は損保会社に勤める平凡なサラリーマン。特殊な能力もなければ、強烈なバイタリティーもない。無色透明とでも評するほかない、ありきたりなキャラクターだ。ゆえに、読者は「僕」をアバターとしてこのゲームに「参加」することになる。
映画『CUBE』ばりの密室サスペンスであり、ベストセラーとなった『バトル・ロワイヤル』や、貴志祐介の『クリムゾンの迷宮』のような、限定された状況でのサスペンスを思い起こす向きもあるだろう。テンポの良さと展開の早さは小気味よく、ムダが一切省かれた文体も、いかにも推理ゲームにふさわしい。人間ドラマのコクや深みを求める向きには物足りなさが残るかも知れないが、ミステリの持つ、ゲーム性に着目し、読者をいかに驚かせるかに目的を絞り、そのミッションを見事に達成している。作中、「主催者」が「極上の推理ゲーム」と自画自賛するが、その言葉に偽りはない。
森博嗣、新堂冬樹、舞城王太郎ら、ユニークな個性の人気作家たちを輩出しているメフィスト賞受賞作。ミステリというジャンルを軽々と超えるような異色のエンターテインメント作品を大胆にピックアップすることで定評ある賞だが、今回もまた新鮮な驚きがある。ミステリという、ある意味で特殊な状況を可能にするジャンルだからこそできることをやる──。エンターテインメントとしてのミステリの新しいかたちを示す野心作でありながら、その語り口が淡々としているところに新鮮さを感じる。次作が待ち遠しい新人がまた1人登場した。(タカザワケンジ/bk1エディター)
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非常に興味深い設定。プレイヤーの一人として読書出来た。作者も言ってる通り、ノンストップでさくさく進む。推理の核となるポイントは面白かった。このポイントの受け取り方によって、全ての評価が決定するのだろう。すべて主人公の視点で描かれているが、キャラの台詞ひとつひとつに反応する主人公の思考場面は有難くない。そこでストーリーが中断し、ストレスが溜まった。ラストはこの作品に相応しいと思う。肝心な部分については続編で明かされるのだろうか?
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非日常ミステリー。
雪山の山荘よりも、嵐の孤島よりもありえない。
バトルロワイヤル的展開、と感じた。
究極の状態、究極の選択。
まさに『極限』
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前置きは一切無し。理由の説明もなし。いきなり殺人ゲームに参加させられる、という設定は映画「cube」に通じるものがあるような。それでも緊迫感はかなりのものです。犯人と閉じ込められ、いつ自分が被害者になるか分からない恐怖。結束しなければならないのに完全には他人に心を許せない緊張。さらに他のチームより犯人を早く見つけなければならないという焦燥。ある時点でトリックが読めてくるのと、これだけ無機に近い状況なのに甘やかな感情が入り込んでくるのがちょっと残念です。
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デビュー作。
文章は読みやすいけど、色々失敗しています。
とりあえず動機が不明。
そしてトリックも意味不明。(不可能という意味ではなく)
「箱の中の天国と地獄」も筆力が不足している部分があると思ったけど、これに比べればずいぶん進化してたんだな。うん。
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結構説明部分が長くて.最初飽きそうだったけど.おもろかった☆
途中まじで怖かったけどね 苦笑
一気に読んじゃうねー。
解決したら.すーーーっきり♪
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時限絶命マンションがくそ面白かったのでちょっと拍子抜け。シリーズに大仕掛けを期待してしまうのは良くない癖だなあ。
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B+
主催者によって館×2に拉致られた集団で殺人犯は誰かを当てるゲーム。
なかなか良いね。
久々に王道館もの読んだ。
ただ人々のパニック的行動が少ないなぁと。その上でのお互い+主催者への駆け引き欲しかった。
題材は良かったから主催者の空気っぷりが勿体ない。
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完全に「推理ゲーム」の世界。こんなゲーム……放り込まれたくないわ。ロマンス部分がどうもとってつけたようにも思えるんだけど、まあいいか。
メインのトリックはわかったのだけれど、「ヒント」の意味は解けなかった~。なるほどねえ、と納得。個人的にはこの部分が一番好きだったり。
しかしこれじゃ……「夏の館」と「冬の館」、公平じゃあないと思うんだけどな。結果的にはアレだったんだけどね。
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第30回メフィスト賞受賞作ということ。
貴志祐介さんが解説を書いているという事で読んでみました。
目が覚めると奇妙な建物に幽閉されていた7人の男女。
主催者を名乗るものの話では、どこか別の場所にも同じ状況の建物に同じように男女7人がいるという。
そしてそれぞれの場所で殺人事件が行われる。
両建物の人間に課されるのは、互いに連絡を取り合いながらその両建物の犯人を推理し特定すること。
先に当てた方が勝利。敗者達には死が待っている。
コンセプトは良かったのですが、構成などがイマイチ。
もう少し心理戦のような展開が広げられたら面白かったと思います。
貴志祐介さんが解説を書いているのは、貴志さんのあの作品とストーリーが似ているからでしょう。
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とても面白い設定で引き込まれました。
途中ぞくぞくっとするような誰だかわからない犯人への恐怖は
とてもよかったです。
しかし最後が少し残念だなと思いました。
なぜこのゲームを誰がおこなったのかなど
もう少しこのゲームの真髄を知りたかったです。
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見覚えのない部屋で目を覚ました会社員の『駒形』。そこは外部と遮断された建物で、同じような状況で七人の人間が集められていた。状況が掴めない彼らへ『主催者』と名乗る人物から連絡が入る。それはここと、もう一つの同じ条件下にある二つの館で起こる殺人事件の犯人を当てろというものだった。負ければ死が待っている。そして被害者となるのもこの中の人間・・・命をかけたサバイバルゲームが始まった。
突然不条理な状況に追い込まれた登場者たち。意味も分からず始まる死の推理ゲーム。
ストーリーでも文章でも楽しませる気はないようなので、ここは純粋に推理を楽しむものなんだろうな、と読んでみました。にしても情報が少なすぎやしませんかね~、と言う間に人数も減ってきちゃうし。相手の館の情報なんて皆無に等しいし。ここはまさかの外部説?それはないだろとか考えてみたりして、いやいやいきなりでてない犯人持ってくるのは反則だしとかね。
結果、びみょう・・・
以下ネタばれありです
アリバイありとされた人に関しては、当初から崩せると思ってたんだけど、つうかそれさえも無意味だった。ヒントなさすぎの序盤に比べ、解決編では安易に提示してきて、しかもそれは反則ギリギリじゃないですか?推理の楽しさが味わえなかったなぁ・・発想自体は悪くないと思うんだけどもっていきかたがねぇ・・
つうか、アルマジロの牙なんて知らないよ!
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設定が結構好きな作品。ある程度予想はついたけれどハラハラさせられた。
でも、登場人物が好きになれない。冬の方の最後はひどい…
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第三十回メフィスト賞受賞作。メフィスト賞、まだ続いていたのかってなことは置いといて。
どうも文章が合わない。下手、なわけではないと思うが。至る所に引っかかる記述というか、表現が。
設定は面白い、けど文章が下手。某山田氏を思い出すな。
ただ、山田氏と違って話は面白い。二つの館にそれぞれ集められた七人のメンバ。その中で起こる殺人事件の犯人を当てるゲーム。「主催者」からのヒントとか、それを利用し犯人に至る推理とか。そこはとても面白いし、読む価値はある。楽しめた。
以下反転。
ただな、まあ、犯人二人が共謀しているっていうのはヒントを解く以前に気付ける気もする。確証を持てるわけじゃないけど。そこから、夏の館と冬の館が同じ場所にあるっていうのも気付けるよね。
初めは夏の館の人間が冬の館で、冬の館の人間が夏の館でそれぞれ犯行を重ねてるんだと思ったんだけど。
まあ、夏の館で残り三人になったときに分かるな。「あ、こっちに犯人いねぇ」って。
この作品、今春ドラマ化するらしいよ。読売テレビで。ただし、関西テレビ限定らしい。
04.04.14