投稿元:
レビューを見る
人物描写が叙情感たっぷりで、中学に上がりたてくらいだったわたしは、読み終わって心が豊かになったように感じました。「あすなろ物語」共、孤独と成長が芯にあり、この頃読むのにはぴったりの本でした。
投稿元:
レビューを見る
小学生の時、友達に薦められて読んだ、初めての本格的な小説。ほんわかあたたかく、ちょっと切ないいい小説だったと思う。「妾」という言葉を初めて知ったあの日。
投稿元:
レビューを見る
中…3?の時かなんかのやっぱり課題図書。授業でやったってのに、「こうちゃ!」とか「ためよ」しか覚えてないなんてナンなんだコラ!(えい)でもこんな感じの田舎はいいよなぁとか思いました。おぬいばあさん!(支離滅裂!)
投稿元:
レビューを見る
昔はこういう時代だったんだ。大変な時代だったんだな。
読んでいるうちに、自分が物語の中に置かれてる気がします。ただ、自伝というのはあまり好きじゃないから、★−かな。でも、呼んで見る価値はあると思います
投稿元:
レビューを見る
父母と離れ、伊豆湯ヶ島の豊かな自然の下に成長する少年! 異性への淡い慕情と故郷への郷愁をたたえた自伝的作品。
投稿元:
レビューを見る
「伊豆の湯ヶ島の山村で、おぬい婆さんと二人で暮らす洪作少年の日々。ゆたかな自然と、複雑な人間関
係のなかで、洪作少年の心は育っていきます。井上靖の自伝的な名作」
――ああ、良いな。この小説すきです。 もう純!の一言。 洪作少年の成長を描いた小説なんですけ
ど、もう感情が伝わってきて。 おばあちゃんの気持ちも洪作少年の気持ちもすごくわかるよ。子どもの
頃って何であんなに純粋なのかな。いろんなことにいちいち打ちのめされますよね。 洪作少年も紆余曲
折経ておとなになるけど、共感する部分がたくさんあって。じーんと味わいながら読みました。 なんつ
ってもおばあちゃんがいい!あの包容力っていうんですか。安心感ていうんですか。おぬい婆さんに会い
たいです。 これ井上靖さんの自伝的小説らしいです。だからかな。精練されてるっていうか。 特に目
立った展開とか、オチとかはないんですよ。ただおばあちゃんと孫の生活の物語なんですけど。でも、こ
れがホントに良い小説なんだなって読み終わってから思いました――
投稿元:
レビューを見る
この物語は好きで好きで、中学生の頃から何度読んだか分からない。主人公・洪作と自分を重ねあちこちで共感を感じるし(自然の中で生まれ育ち祖母に溺愛されるとことか)戦前の田舎の暮らしがユーモラスに描かれているのも魅力。どこまでが井上靖さんの実体験かは分からないけれど、それにしてもなんと鮮明に少年時代のことを覚えておられたことでしょう。
投稿元:
レビューを見る
全体が清純で品格があって、たっぷりとした情感で溢れています。
特に何が書かれているわけでもないけれど、どこか精神的にも肉体的にも、ぽっ、と心温まる作品。
(2010.02.15)
投稿元:
レビューを見る
沼津の自然、親以外の人との生活・・・親元から六本木の学校に通う小学生だった私とは全く違う世界が、そこに展開されていて、すっかり魅入られたことを想い出す。そして、根底に流れる「克己」というテーマに共鳴して読んだなあ。教科書にものっていると思うけれど、子供にぜひ読んでほしい一冊。あと第2の人生を始めようとしている方に、商業世界にどっぷりつかった自分の思考の癖をリセットするにも良いかと・・・。
投稿元:
レビューを見る
洪作は5歳から両親と離れ、曽祖父の妾であったおぬい婆さんと土蔵で暮らしている。おぬい婆さんは本家の上の家の悪口を言ったり、異常なまでの愛情を洪作に注いだ。
伊豆の山奥の部落で友達たちと伸び伸び遊び、親戚たちと関係していくうちに、まわりに対しても、自分に対しても精神的に成長していく様が鮮やかに描かれている。
名作です。
投稿元:
レビューを見る
高校の時に模試の問題で後編2章から少しだけ読んだ記憶が。その時ものすごくこの本の世界に引き込まれた覚えがあります。実際読み終わってみてちょっと泣いた。
投稿元:
レビューを見る
浦野所有
→10/09/26 山口さんレンタル →11/03/27返却
-------------------------
『しろばんば』、よかったです。This is 名作。ですね、まさしく。
孫バカ、傍若無人、世間知らずで恥知らず。そんなおぬい婆さんと、婆さんを誰よりも頼りにしながら、ときに鬱陶しく思ってしまう洪作少年。
2人の純な生き方が、友人関係、親戚関係、隣近所の住民関係を交えつつ、つとめて冷静に、洪作の視線でもって表現されています。これほど緻密な心理描写の作品は、そうそう読めるものではありません。
さまざまな人や物と出会い、そのたびに洪作が抱く感想は、正に少年ならでは。子どもだけがもつ理性と本能が見事に描かれていて、「ああ、自分も昔はこんなだったのかもしれないな」と、不思議に納得してしまうのです。
そして『しろばんば』でもっとも特徴的な表現といえば、たとえば次のくだり。
「納屋を少し焼いただけで火事は大事にならず収まった。子供たちは火事も見に行かなければならなかったし、バスも見なければならなかった。それからまた火事を出した農家の嫁が、自分の不始末で火を出したということで、火事の収まった直後、どこかへ姿を消すという事件があった。子供たちはまたこの嫁を探しに長野部落の山へも出かけて行かなければならなかった。やりたいことは沢山あったが、体は一つしかなかった。」(後編四章より)
何か事件があると、それを見届けなくてはいけない。それが子供の特権というか、義務なんですよね。
とにかく『しろばんば』は感動的な作品ではあるけれど、愉快な場面もたくさん散りばめられています。私も列車内で読んでいて、思わずクスッと笑うことも何度もありました。そういう意味でも、これまで読んだ小説とは異なる性質の作品だったと思います。
投稿元:
レビューを見る
小学校中学年くらいで読んだ。
まだ当時の私には早かったようで、
ページをめくるだけだったような…。
もう一度読みたいと思う。
投稿元:
レビューを見る
父母のもとを離れ、おぬい婆さんの土蔵で暮らす少年、洪作の健気で繊細な心の描写が有無を云えずやさしく、美しい。
無条件の愛を惜しみなく洪作へと注ぐおぬい婆さんとの絆や、あたたかい愛による幼い魂の成長を、繊細な筆致の綴りを辿るうちに、私は洪作を応援し、またいつか来るであろうおぬい婆さんの死に対して、不安と哀しみを抱えていました。
子ども時代のみ与えられる宝物のような記憶の断片小説。
かけがえのないノスタルジーが伊豆湯ヶ島の自然の中で横溢する名作です。
投稿元:
レビューを見る
ド田舎な村で曽祖父の妾のおぬいばあさんと暮らす小学生の洪作。今のご時世では考えられないような家庭環境。
おぬい婆さんの洪作への愛情、洪作も分かってはいるけど成長とともに鬱陶しくも感じ始めるというありきたりな話と言えばそうだ。
私の大嫌いなド田舎の閉鎖感に対するもどかしさ、ちょっと分かる。
しかし一昔前の田舎の日本の風景、いいなーなどと思ってしまった。
おぬい婆さんの末期の時、この小説で感動はしないだろう、と思っていたにもかかわらず不覚にもグッときた。