紙の本
主人公の精一杯生きている姿に感動!
2004/08/09 08:20
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投稿者:やちも - この投稿者のレビュー一覧を見る
(たとえそれが“内向的”であるとわかっていても)
非日常的な世界へ挑戦することで青春時代を自分に
誠実に生ききろうとする若者の姿を真正面から描い
た傑作である。
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主人公の望む死に方にとても共感できてしまう自分はネガティブなんだろうな「どうせ死ぬなら女の子守ってかっこよく」とか確かに思う、それがかっこいいかは別にしてそういうこと俺も思う。こういうありきたりすぎるようなちょっとSFな青春小説は個人的に大好きなのでとても好感が湧きます。物語の真意を掴む為に一回読んでみて嫌いじゃなかったなら是非二回読むべきだと思う。
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読んでいて、イタさと心地よさを同時に感じた。かつて、というか今も引き摺っている、馬鹿馬鹿しい青臭い感情というものをストレートに発散させたこの小説に、僕は愛着を抱かずに入られなかった。それは世代的にも変わらない筆者との共通のバックグラウンドがあるからかもしれない。フィクションなのに、語られる言葉に軽さとリアルな重さという反する感情を同時に抱いてしまったから、そう思ったこの世界というのは、本当にというか全く意味不明だ。矛盾だらけでいて理路整然。哀しみに満ちていて、しかし喜びもある。善もあれば悪もあり、幸福があれば不幸もある。生と死。相反するものが平然と、悠然と、突然に目の当たりにする。望んでもいなく、初めからそこにあったように。兎も角そういうものを目の当たりにしてきたら、何か立ち向かおうと思う。釈然としないからだ。反抗することは、決して不自然な行動ではなく、成長の過程で存在するものだからだ。だけど、なんだか、それは無意味なことのように感じてしまっている自分に気付かされる。いや、とっくに知ってしまっている。何時の間にかそういうものだと、頭の中に叩き込まれたかのように、知っている。それがTVでのことか、本でのことか、それとも親を見てそう思ったのか、はたまた社会の雰囲気を読み取ったのか。どれかというより、その全てのような気がする。気が付けば知っていた。反抗するというもののナンセンスさと言うものを。遺伝子レベルにまで書き込まれたかのような、支配力。で、やることといえばまるでアンダーグラウンドの住人の真似事のような、暗いところでの陰湿な行動だった。馬鹿馬鹿しいにも程があり、大人たち馬鹿にして、彼らを見返すというよりも、さらに彼らの最悪な劣悪な粗悪なコピーな行動だった。タルドの模倣説を思いださずにはいられないような、ばかばかしさ。結局何がしたかったんだろうと後になってから考えたら何時の間にか時間が経っていたというウラシマ現象を目の当たりにしてさらに世の中の不条理さに嘆いてしまう。一個一個がネガティブで、それがくっついて一つのチェーンにつながってしまっているような人生だ、なんて自分の不幸に酔いしれる。絵に描いたような後ろ向きな幸福感だ。だけど、そうしてはいられないのだ。人生生きてきてそんな阿呆なままで死んでたまるか!意味があるかどうかは知らないが、だからって無意味にしたいとは思わない!きっと誰もがそういうことを思わずにはいられなかっただろうし、思いたくもなかっただろう。あまりの不器用さというか己の無様さに打ちひしがれるから・・・本書はそんな、ひたすらに後ろ向きな、そんでもって不器用だけど不器用なりに何かを掴もうとしている登場人物たちによって紡がれた、甘酸っぱいというかしょっぱい青春小説。例え、世界というものが無常だろうと非情だろうと卑怯だろうと悲壮であろうとも、それぞれが自分達の目標を持っていて不器用なりに前へ進もうとする――といっても、三歩進んで二歩下がったりと遅々としか進んでいるようないないような――、でも希望なんてあまり持っちゃいない、しつこいようだが何度も書かせてもらうならば後ろ向きな幸福追求のサクセスストーリーだ。き���と今も、この瞬間にも、同じようなヤツがいるかもしれない。そういうヤツにオススメしたい本だ。正しく、青春小説の代表作と言っても良い。
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購入動機は表紙が安部吉俊のイラストだったから。などとジャケ買い。
内容はチェーンソー男が夜な夜な現れ、女子高生と戦いを繰り広げる壮絶な格闘小説じゃなくて青臭い青春小説です。
いい年して青春小説読んで主人公の少年に共感してしまう自分って。。。
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謎のチェーンソー男と日々戦う美少女絵理ちゃんと、二人の戦いに偶然居合わせた主人公の物語。
二人の関係が気になるし、チェーンソー男の正体も気になる。
一番不思議なのは、どうしてチェーンソー男があらわれたのかってことです。
この男に関しては、いろいろつっこみたくなるところがあるのですが、最後まで読むと全部解決して、すっきり。
とてもよい終わり方をしています。
“ごめんなさい。やっぱりあいつと戦います”
このフレーズが大好きです。
絵理ちゃん、本当にかわいいんですよ。
戦う女の子だけど、めちゃくちゃいい。
あこがれてしまいます。
一度読み出したらとまらない本でした。
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▼共感できるかできないか。ってのが、一つ重要なファクターとしてあるんだろうな。私は上手に取り込めなかった。でも、「ああ、わかるよ」って言う人が出てくると思うし、魅力的でもあると思う。ちょっと評価に迷う。▼文体はつたない文章――と切り捨てることもできる。ストーリーは青春小説のモチーフとしてはありきたり――と言ってしまえばそれまで。でも、こう、よくわからないけど、何か、ある気はする。▼ネガティブっていうよか、気取ってない。力みすぎてもいない。何となく、ほのぐらくて、所帯じみていて、明るい恋物語――なんじゃないかな。
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この本はどうなんだろう…。賛否両論ありそう。僕は好きですよ。軽い感じでちょっと重た目の内容を扱ってる感じで。
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美少女戦士が悪者と戦う青春ストーリー。角川文庫というより、スニーカー文庫っぽい。表紙からしてもライトノベル風味。でも万引きとか、少年少女に読ませられないところがあるから角川文庫なのかなあ。ノリは軽快だけど、本当は真面目な話だったりもします。頑張れ陽介!
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高校2年の山本陽介は、冬の物凄い寒い日、高級霜降り牛肉を万引きした帰り道に、一人の女子高生に出会った。
セーラー服姿の美少女・雪崎絵理は、不死身のチェーンソー男と戦っていたのだった!
彼女は何故戦うのか。そして、チェーンソー男とは一体何者なのか。
『NHKにようこそ』と同じで、イラストの印象からか、明るいバトルアクションコメディみたいなのを想像してたんですが、蓋を開けてみると全然違っていました。
タイトルの通り、全体にあるのはネガティブな考え。
前向きなように見えて、後ろ向き。
それでも、絵理ちゃんは戦うし、陽介はそのサポートをする。
何故かと聞かれたら、「倒さなくちゃいけないから」。
チェーンソー男っていうのは、言ってみればこの世の理不尽さとかそういうものの象徴なんだと思う。
それを、家族を亡くしてしまった絵理ちゃんが実物化してしまった。
倒そうとする絵理ちゃんは、まだ前向きなのかもしれない。
ラストにかけては、ちょっとじんときました。
読後は、「後ろ向きな幸せだとしても、幸せならそれで良い」という気分になりました。
高校生くらいの頃に、読みたかったな。
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大好きな作品。ただ読み手によっては、全く理解出来ない作品かも(何の変哲も無い、ちょっとオタク向けのラブコメ?とか思ってしまうだろう)少なくとも、今の現状に「何らかの不満」を抱いている方でないと、本編の意味は理解し辛い。
一見ライトノベルの様に軽快ですが、この話の本質はとてもシビア。だけど、読後はそれでも何故だか少し救われた様な気分にさせられます。
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だめな男と危ない女子高生が繰り広げるバトル。理不尽なモノや不幸なことに抵抗しようとする小説。その「理不尽」や「不幸」という形の無いものに分かりやすい形を与えたのが明確な敵として登場する「チェーンソー男」ボーイミーツガールズの王道と泥臭さを上手くミックスできている。青春疾走パンク系。
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ほとんどライトノベル。めちゃくちゃ密度が薄いんですよこの小説。
ふと本を閉じて、「え、もう半分以上読んじゃったの? まだ10ページくらいだと思ってたのに」とビックリしましたよ(笑)。
なんか冒頭からずーっと同じような、足が地面についてない日を繰り返して、最後の最後に爪先だけ着地したかなあ、というカンジ。
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滝本竜彦ワールドの原点的作品。設定などの面白さはあるけど、「NHKにようこそ!」と比べるとイマイチの感があるかも。
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大好き。自分的にはベスト1小説かも。
現代の鬱屈した世界をリアルな若者の視線で描いた切ない青春物語。ラストの駆け抜ける様な疾走感がとても爽快で痛々しい。エンタメより感性で描かれた作品なので、解からない人には解からないかもしれない。
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感想:漫画を読んでいるようでした。
乙一氏が彼(滝本)を同年代としてかなり意識しているらしく、前々から滝本作品を読んでみるといいなと思いつつ、先延ばしにしつつ、たまに忘れつつ(どうなんだ!笑)
んで、図書館に行ったところ、借りて下さい!と言わんばかりに、ちょうど目の高さの棚で寝転がっていた(多分、非常識な奴が無造作に置いて逃げていた)ので、これってデスティニー?みたいなノリで借りて帰ったというプチエピソードあり(どうでもいいな・・・)
ほんとに漫画みたいでした。何も考えずに読めます。唯一考える事と言えば、最後どうなるんだろう?ということだけでした(あくまで私の場合ですが)
この作品を読んで思ったのは、作り物語として読んで楽しむべきであって、何かの意味を求めるものではないな!ということでした。徹底的なエンターテイメントだと感じたからです。
しかしながら、主人公が人生や日々の生活に悩んでいる描写もあったので、作者的には、もしかしたら何かしら読者に伝えたいことがあったのかもしれないな と思ったりもしますが・・・
文章は簡潔でとても読みやすいと思います。
作者自身も陽介のようにモヤモヤしていたのかな などと推測したりしました。