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夜のピクニック みんなのレビュー

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みんなのレビュー753件

みんなの評価4.2

評価内訳

734 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

人生はゴールインすることではなく、歩いていくことこそが目的

2006/01/05 23:28

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る

融(とおる)と貴子が通う高校には毎秋恒例の行事があった。80キロの道を一晩かけて全校生徒が歩き通すのだ。高三の二人にとっては最後の歩行祭で、貴子は融に対してひとつの賭けをすることになる。その賭けとは…。

 貴子と融の間に横たわるわだかまりは、そもそも当人たちの想定外のところで生まれたものです。自分たちの力の及ばないその出来事を、二人は長年びくつきながら抱え込んできました。そして二人が少しずつ歩み寄りを見せるのは、夜のピクニックという不思議な「いつもと違う浮かれた世界」である歩行祭の中でのことです。

 物語の終盤で、貴子は賭けに勝ちます。焦燥を癒す一瞬が貴子と融には訪れるかに見えます。歩行祭同様、二人の目的もゴールを迎えるようでもあります。しかし実はそれがひとつの終わりや区切りを意味するわけではないことを悟るだけの知を二人は持っています。そのことを示す、この小説の最大の見せ場ともいうべき次の言葉を私はとても美しいと感じました。

「これから先、二人を待ち受ける長い歳月。言葉を交わし、互いの存在を認めてしまった今から、二人の新しい関係を待ち受けている時間。もはや逃げられない。一生、断ち切ることのできない、これからの関係こそが、本当の世界なのだ。
 それが決して甘美なものだけではないことを二人は予感していた。」(330頁)

 マラソンの二倍近い距離をゴールするという物語を通してこの小説は、人生とはゴールすることが目的ではなく、歩んでいくことが目的だということを静かに語っています。多くを引き受けながら、そして清濁併せ呑みながら歩み続ける。そこに人生の深みが潜んでいるのです。
 高校生の二人がそのことに少しずつ気づいていくであろうことを確かに予感させるこの物語を、私はぜひ多くの若者に読んでもらいたいと感じます。

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紙の本

自覚してファンタジーに参加する、ということ

2004/09/13 18:34

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:UMI - この投稿者のレビュー一覧を見る

「絵のように美しい景色」も「栗のように美味しいカボチャ」も、いつも下らない例え方だな、と思っていた。どっちも美しいし、どっちも美味しいのに、なぜわざわざ他のものに例えられなければならないのだろう。何かに例えてわかったような気になるのは人の悪い癖だろうと思う。だからこの作品を読んで、『黒と茶の幻想』だな、と思った自分は少し下らない人間のように思えた。

 朝の八時から翌朝の朝八時まで歩き続けるという高校行事「夜間歩行祭」が、今回の舞台である。同じクラスになってしまった異母兄弟を軸に、物語は進んでいく。大きな事件が起こるわけではないが、歩くリズムと会話のリズムが心地よく、すいすいと読んでしまう。スパイスとして、ちょっとしたホラーとちょっとしたミステリーが加わっているあたりも恩田陸らしい。

 ただ歩くだけの行事なのに、彼らは「修学旅行よりいい」と言う。それは、夜になって隣で歩く親友の顔も見えなくなったときに、普段は言えないことも言えるという魔法がかかるからじゃないかと思う。本当はみんな、本音を語る機会をじっと待っている。今だから言っちゃうけどね、と口を開く機会を狙っている。
 大人には高校生活そのものがすでにファンタジーになってしまっているけれども、その中のイベントはさらにファンタジー色を強める。彼らはそれを自覚しながら非日常の世界を自分の足で歩いていく。昼と夜との境を、大人と子供の境目を、危ういバランスで彼らは歩く。
 
 ただ歩くだけの行事で、どうしてここまで高校生の頼りない清々しさを見事に描ききってしまえるのだろう。たった一晩の出来事を描くだけで、読む者の心をこんなにも簡単に過去へ連れ出してくれるというのは、一体どういうことなのだろう。
 恩田陸に限っては、例えるものがまるで思い浮かばない。

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紙の本

高校生ぐらいのときに読んでおきたかった。

2020/07/04 09:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る

高校の行事で、えんえん朝から翌朝まで歩き通す間に、異母きょうだいとの感情のもつれをほぐし、友人との友情を再確認するストーリー。まだ精神的に成長しきらない高校時代のいざこざや感情を思い出しました。高校生ぐらいで読んでいたら、また違った感想を抱いただろうと思います。

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2004/09/23 02:01

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2004/09/29 00:44

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2004/10/05 16:38

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2004/10/05 23:55

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2004/10/06 00:33

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2004/10/11 00:05

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2004/10/12 17:31

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2004/10/14 00:03

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2004/10/15 11:07

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2004/11/17 13:29

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2004/11/28 10:58

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