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紙の本
声に出してその一編一編をじっくりと味わいたい一冊
2004/11/27 09:32
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
今年9月半ば、コーヒー・メーカーの広告<朝のリレー『空』>が2004年度テレビCMグランプリを受賞することになったという報道がありました。このCMは地球のどこかにある様々な朝空の映像を背景に、若い女性が静かに朗読する谷川俊太郎の詩「朝のリレー」と、谷川氏の息子・賢作氏のピアノ曲「天使の涙」とが織りなす、しっとりとした企業イメージ広告でした。
私はこの受賞報道を出張先のシチリア島でインターネットを通じて知りました。私が参加していた国際会議場に備え付けられたパソコンで、そのCM動画を見ることもできました。
丸い地球のどこかで常に生まれ続ける朝。それは世界各地の子供たちの頭上に等しく訪れ、果てしなく西へと向かってリレーされていく。そんな様子を詠ったこの詩を午前の早い時間に地中海の乾いた空のもとで読んだ私は、遠い日本からはるばるリレーされてきた朝の中に自分がいることを思い、世界的スケールの中に身を置く不思議さを感じたのです。
そしてまた、英語による連日の会議で疲れ切った私の耳に、自分が生まれ育った国の言葉はこの上なく心地よく響きました。パソコン画面で幾度もこのCMを再生し、日本語の美しさを繰り返し味わいました。
本書はこの「朝のリレー」をはじめ、朝を主題に詠んだ詩が、世界各地で切り取った朝の写真とともに編まれています。太陽が水平線や山際にうっすらと光の絵筆を振るう姿を収めた写真は、<命の黎明>を想起させ、生きてあることの荘厳な美しさを感じさせずにはおきません。
世界の子供たちが、朝とともに始まる新たな一日に希望と喜びを少しでも感じられることが出来る世の中であってほしいものです。残念ながら、朝の訪れは厳しい一日の再開を意味するだけだと感じる子供たちがまだ数多くいるのですから。
そうした現実に、言葉が立ち向かうことの大切さと厳しさとにも思いを馳せる一冊です。
紙の本
詩を読むということ、あるいは写真を見るということ
2005/01/04 22:33
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
昨年(04年)の秋口から仕事に追いまくられる日々が続いた。それまでであれば疲れた体と心を多くの本たちが癒してくれたのだが、さすがに本を読むこともつらくて通勤電車での行き帰りも眠ってしまうことが多くなった。読み始めたものの読み終えることのなかったたくさんの本たち。読まれることなく机の片隅に追いやられた本たち。疲れた私は読んでよとせがむ活字たちをうっちゃって、夢のない浅い眠りにまどろんだ。
詩なら読めるかもしれない。そんな私は一冊の詩集を手にする。谷川俊太郎の『あさ/朝』。詩人谷川がかつて詠った朝の詩を集めた詩集。煌くような言葉の結晶。なにより読むことが苦痛にならない。通勤電車で何駅かまぶたを閉じるのを我慢すれば読み終えてしまえる。しかも、疲弊した心に一滴の朝露のように染み入る言葉たち。私は少し頭をあげる。
詩の一節を引用してしまうのは強引かもしれないけれど、思わず書きとめてしまわずにはいられない、詩。言葉たち。
「百年前ぼくはここにいなかった/百年後ぼくはここにいないだろう/あたり前な所のようでいて/地上はきっと思いがけない場所なんだ」(朝・22頁)
活字を読むのはつらくても、写真なら見れるかもしれない。そんな私は一冊の写真集を手にする。吉村和敏の『あさ/朝』。写真家吉村が印画紙に刻んだ、この地球(ほし)の朝の風景。ちりばまれていく映像の凝縮。なにより見ることが苦痛にならない。通勤電車で何駅かまぶたを閉じるのを我慢すれば見終えてしまえる。しかも、疲弊した体に一筋の朝の光のように差し込む写真たち。私は少し背を立てる。
詩があって、写真があって。少しだけ、読むということに深呼吸しているような一冊である。
紙の本
確かに「あたらしい形」の本ではあるけれど、もっと純粋に詩と写真を楽しめる体裁であっても良かったかとは思います
2011/09/21 21:38
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
谷川俊太郎は、詩の良さをなかなか理解できない私にとって、比較的なじみやすい詩人であり、言葉遊びなど詩とは少し違った方法で言葉を取り扱う人というイメージから、その著作については目に止まれば買い求めてしまう、そんな人なのだけれど。でも、この本のことは知りませんでした。私が谷川俊太郎を追っている目は、その程度のものなのかもしれません。
他の人の書評を読むと、CMで取り上げられていただとか、何か賞を取っただとかとありますが、この頃とんと記憶力の衰えてきた身ではあまり覚えもありません。それでも確かに帯に「話題の“朝のリレー”も収録!!」なんてあるので、きっと比較的知られているものなのでしょう。
そんなこの本を、全然異なったルートで私は知りました。知れば、谷川俊太郎なので、読んでみたくなるというのも自然な流れでした。
まず、「あたらしいビジュアルブック」とあるように、右開きで読んでいくと谷川俊太郎の過去の詩から比較的「朝」をテーマやモチーフにした詩と吉村和敏の写真が並んでいる詩集として読めます。左開きで読んでいくと、同じく吉村和敏の写真が並んでおり、その中に谷川俊太郎の詩が収まっているという絵本のような体裁になっています。
どちらもきれいな写真に、言葉が重なり合って、「朝」を紡ぎだしているのがわかります。プリンス・エドワード島で撮影された写真が多く、「朝」と言っても都会の朝とは異なる、ある種静謐な「朝」が見てとれて、写真を眺めているだけで穏やかな気分になってきますし、こんな朝の中にいることができたら、無理をしないで静かに力が湧いてくるような気がします。
なので、写真が前面に出ている左開きの絵本体裁の方が、私にはより好ましく思えてしまいます。
こんな本が出ていたということをもっと早く知りたかったですし、そうは言ってもこうして巡り会えたのだから、わずかな時間の違いなど忘れて、何度もページをめくり、谷川俊太郎と吉村和敏の紡ぎだしてくれた「朝/あさ」に浸りたいと思います。
紙の本
あたらしい、あさ。
2005/11/19 22:27
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オクヤマメグミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
どちら側から開いても楽しめる、美しい写真詩集。
「あさ」から読み始めると、まるで子供に読み聞かせるような平仮名の分かりやすい言葉が並ぶ。
静けさの中からゆっくりと顔を出す太陽。
あたりまえの景色に感謝して『おはよう!』と声をかけたい気分になる。
一方の「朝」はまた趣きの違うつくりになっている。
より深く朝を感じるというか…はるか昔から続いてきた朝に潜む、喜びや悲しみを感じることが出来る。
TVCMで使われた「朝のリレー」も収録されている。
私が迎えている朝は、一側面でしかない。
■谷川 俊太郎・吉村 和敏『ゆう/夕』
紙の本
一日のはじまり
2004/07/13 21:11
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナカムラマサル - この投稿者のレビュー一覧を見る
詩人と写真家は似た者同士なのかもしれない。彼らは、私たちが日頃見逃している風景に気付かせてくれる。当たり前だと思って心にも留めない思いを、切り取って示してくれる。
本書は、二人の天才の存在によって可能になった「朝」をテーマにした詩集×写真集だ。
一つ一つの言葉、一枚一枚の写真から、地球の息吹が確かに感じられる。
谷川俊太郎によって生み出された、朝露のようにキラキラしたことばたちを見ていると、「朝ゆえの無垢なこころ」で、朝を迎えることの幸せを実感できる。
—ぼくらは朝をリレーするのだ 経度から経度へと そうしていわば交替で地球を守る
「朝のリレー」という詩の一節を読むと、さわやかな使命感を、かろやかな自負を、感じている自分に気づく。
吉村和敏の撮る天啓のような写真は、この風景の前に自分を立たせたら、目眩を起こしてしまうのではないかと思うほど、美しい。
人間がどうあがいても真似のできない空の色、意志を持っているかのような雲、健気ささえ感じさせる野の草…神に近いところにいる人間だけが見ることのできる景色を見ているようだ。
あとがきで、朝を「再生」のときだと彼は述べているが、見ているだけで希望が涌いてくる写真から、その思いは十分に伝わってくる。
一日が始まる。そのことが、これほど幸せなことだと思わせてくれる本を私は他に知らない。
紙の本
美しい夏の朝に 日々朝の友として、ぜひ手元に一冊!
2018/07/23 06:14
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
あさ、朝。
詩人の谷川俊太郎さん、
写真家の吉村和敏さん、お二人が手がけた一冊です。
とても美しい本です。
谷川さんの言葉と吉村さんの写真に、まさに心洗われる感じです。
谷川さんで朝と言えば、そう「朝のリレー」ももちろん、紹介されています。
吉村さんの写真は、あの赤毛のアンの舞台で知られているプリンス・エドワード島の写真がたくさん紹介されていました。
朝、一番にこの一冊を開くと、いいですよ。
「美しい夏の朝に」という詩、すこしだけ最初のところを引いてみますね。
巨人になりたい
この山々を
この雲を
この青空を
この夏の朝を
両腕に抱きとりたい
吉村さんの写真を見ながら、心優しい巨人気分になります。
猛暑の今年の夏だからこそ、日々朝の友として、ぜひ、手元に一冊!
紙の本
赤紫色の朝焼けや黄金色の海、金剛石のように美しい朝露が迎える「あさ」
2016/04/23 23:24
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投稿者:星月夜 - この投稿者のレビュー一覧を見る
左から読むと、吉村和敏さんの風景写真に、ひらがなの詩が添えられた絵本「あさ」。
右から読むと、谷川俊太郎さんの詩に風景写真が添えられた詩集「朝」。
谷川俊太郎さんの詩と、
プリンスエドワード島の写真などで有名な吉村和敏さんの風景写真が
コラボレーションしている、新しい形のビジュアルブックです。
右から読む詩集には、谷川さんの有名で人気のある「朝のリレー」も収録。
左から読む絵本は、プリンスエドワード島やケベックなどの、カナダの雄大な自然の迎える「あさ」が、圧巻の美しさ。
深い青色の空が赤紫色に染まる朝焼けの写真が美しい、
「おひさまのてがふれると よるははずかしがって あかくなる」
黄金色に照らされる海が美しい、一番お気に入りの写真、
「ひかりが そっとはいってくる ゆめでまいごになった ここころのなかへ」
石こ賢さんの「十力の金剛石」の露の美しさを表したような、
「だれのものでもない ほうせきがいっぱい」
プリンスエドワード島の青い空と白い雲、草原に白い灯台の、
「おはようそら おはよううみ」・・・
時々、美しい朝焼けや黄金色の海が眺めたくなって、見ています。
谷川俊太郎さんの詩が好きな方にも、
雄大なカナダの自然があさを迎える写真を見たい方にもオススメです。
紙の本
朝のリレー
2004/08/08 13:10
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:郁江 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今年のお正月 朝日新聞に大きく掲載された 「ネスカフェ」の広告を覚えているだろうか? それは「ネスカフェの朝のリレー寝顔フォトコンテスト」の開催を告げるもので 谷川俊太郎さんの「朝のリレー」の詩とあどけない寝顔の写真のコラボレーションだった。
正月そうそう 谷川さんの詩を読めて 私は 年柄もなく お年玉をもらった 子供のような気持ちになった。谷川さんは「クレーの天使」を読んで以来大好きで、その新聞の切り抜きは今も 大切に 私の手元にある。
新しい年 朝の始まりに ふさわしい詩で「いつも どこかで 朝が始まっている/ぼくらは朝をリレーするのだ/それはあなたが 見送った朝を誰かがしっかりと受け止めた証拠なのだ」お気に入りのフレーズが頭に残る。一日の始まりを こんな気持ちで受け止めて生きていきたい。強くそう願った。
その「朝のリレー」がついに本になった。「朝」という写真絵本でもう一度私の前に 姿を現した。この喜びを より多くの人と分かち合いたい。そんな思いで 今書評を書いています。言葉と写真 全く違った媒体で あさを届けてくれる。そして読んだ後の清涼感 私にとって特別な一冊です。
紙の本
ユニークな体裁
2020/01/26 05:28
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投稿者:Otto Rosenthal - この投稿者のレビュー一覧を見る
左綴じの『あさ』は吉村和敏さんの写真がメインのビジュアルブック、右綴じの『朝』は朝をテーマにした谷川俊太郎さんの詩集、それが一冊になったユニークな本です。
紙の本
清々しい気持ちになれます
2013/02/26 21:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:てつちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
前から気になっていました。
最近、谷川さんの詩が素直に感じれるようになってきました。
写真集としても良いともいます。
空の色が最高です。
紙の本
写真と詩
2020/01/30 13:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Otto - この投稿者のレビュー一覧を見る
写真と詩の感じがとても良い。「あさ」は、どの写真も美しく、あさの素晴らしさを感じさせてくれる。「朝」は詩をじっくり楽しめる。