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暗黒大陸中国の真実 正 みんなのレビュー
- ラルフ・タウンゼント (著), 田中 秀雄 (訳), 先田 賢紀智 (訳)
- 税込価格:2,530円(23pt)
- 出版社:芙蓉書房出版
- 発売日:2004/07/15
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紙の本
今だからこそ読んでみよう
2004/10/04 23:33
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Yostos - この投稿者のレビュー一覧を見る
約70年前、つまり戦前にかかれた本で、著者は元上海・福州副領事のラルフ・タウンゼントという米国人。論調としては、当時の中国の国、そしてその国民性、民族性を多くのエピソードで語りながら、当時の欧米での中国の評価とその中国擁護の外交施策に警鐘を鳴らしたものだ。
個々のエピソードが事実だとしても、そこに中国人に対する著者の見方にはある種の偏見があるであろうことは否めない。それほど、厳しい見方が展開されている。対して、日本人に対する評価は非常に高く、戦前の日本を擁護する姿勢が強くでている。これを真珠湾攻撃以降も主張し続けたというのだから、戦中拘束されたというのもわかる気がする。
当時の中国や世界情勢に詳しいわけではないし、すべてが正しいとらえられているとは限らない。著者の偏見に多少ゆがんでいたのかもしれないことは肝に銘じておくべきだろう。本書だけを読んで「あぁ、中国って」という思いや考えを抱くのは非常に危険だと思う。ただ、当時のあるレベルの知識人が肌で感じた中国の姿の一つであることは事実である。確かに耳に新しい話が多いと感じる。これもこういった情報は戦中、戦後の経緯で正しく世に出づらかった事情もあろう。われわれも、こういった状況を認識した上で一つの情報としてきちんと接すべきであろう。
そういうことを承知であえて感想を書くと、本書の内容を読みながらまるで今日の中国のようだと感じた。こういう感覚は、私だけではないだろう。現在、仕事上中国との交渉や協業をすることが多いが、程度の差こそあれ本書で描かれた中国人像が色濃く残っているなと共感する部分は多い。アジアアップでの騒動を除外しても、やはりそこには「反xxx」に狂う中国とそれにおもねる米国と「列強」が。
当時は無策に日本は立ち上がってしまった訳だが、「さて、今度は?」と考えてしまう。
紙の本
出版社からのオススメ
2004/08/26 03:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:米米クラブ会員 - この投稿者のレビュー一覧を見る
近代史研究者として、私が親日派アメリカ人外交官としてのラルフ・タウンゼントを知ったのは7年ほど前で、本書が再刊された頃だが、そんなことは当時知る由もなかった。
本書の原書と再刊書を手に入れ、読み始めて驚いたのは彼の中国人に対する手厳しい評価と日本人に対する高い評価だった。そして生々しくも赤裸々な中国の混乱の実態だった。
そしてふとこの本の再刊の時期と1937年のいわゆる南京事件を扱い、日本を非難した『レイプオブ南京』の発刊の時期がほぼ重なっていることに気づいた。再刊され、本が売れ始めた頃に、『レイプオブ南京』が出ている。もしかしたら、本書の再刊に在米華僑たちが危機感を持って刊行したのが『レイプオブ南京』ではないのか?と思ったのだ。
『レイプオブ南京』はその杜撰な歴史記述と出所不明の写真が問題となって邦訳はされなかったが、それでも日本で騒然とした話題の書となった。本書と正反対の意図でできている。確証はない。ただ本書の内容は、在米中国人に『レイプオブ南京』を刊行させたくなるほどの強烈な中国批判に満ちている。その当否は別にして、一読してもらいたいと思う。
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