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紙の本
幻想作家ダンセイニの真髄
2004/08/05 22:50
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おがわつとむ - この投稿者のレビュー一覧を見る
好評のうちに第三冊、四冊の刊行が決まった、河出文庫のダンセイニ幻想短編集成であるが、本書「夢見る人の物語」は、いわゆる幻想作家ダンセイニの本領が発揮された感がある一冊である。
私が、ダンセイニに初めて触れたのは、高校一年生の時。
当時ちくま文庫から出ていた「妖精族のむすめ」に収録されていた幻想短編郡に、
あっというまに魅了されたものだ。
そのときに印象にのこったのは、「妖精族のむすめ」「サクノスを除いては破るあたわざる堅砦」などのダンセイニらしい幻想短編であった。
今思えば、荒俣氏の熱っぽい翻訳が大きく作用していたことは、はっきりしているが、
幻想作家としてダンセイニをみたときに、読者が、作家によって提示される風景そのものの美しさに酔えるか否かというのは、大きな評価軸になるといえよう。
こうしたダンセイニの幻想短編の危うい美しさはどこから起因しているのだろうか。
ダンセイニの幻想短編は、美しい夢想そのものだからではないだろうか
夢は実際に触れえぬからこそ夢なのであり、実際に触れることができてしまったら、
それは夢ではなく、単なる現実である。
それゆえに、ダンセイニは、自己の幻想短編において、読者と作品との間に決定的な
距離感を設定する。
はかなさゆえの美しさ。
妖美ともいえる幻想作家ダンセイニの作品世界を本書から窺うことができる。
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