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紙の本
エラリー・クイーンのひとり、ダネイの自伝的小説
2004/08/31 06:19
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投稿者:風(kaze) - この投稿者のレビュー一覧を見る
海外の推理小説作家エラリー・クイーンが、フレデリック・ダネイとマンフレッド・リーの合作名ということは、ご存知の方が多いでしょう。本書は、ダネイがダニエル・ネイサン名義で1953年に発表した、ミステリーではない小説。ダニーという10歳の少年の、近所の友だちと過ごしたひと夏の体験を描いた、自伝風の作品です。
未来の巨匠を思わせるエピソードとしては、友だちと暗号を解読したり、何としてでもシャーロック・ホームズものの新作を読みたいとダニーが願う件りが印象に残ります。また、苦境に立たされたダニーが、計略と機転をめぐらせてその場を切り抜けようとする辺り、探偵エラリーの活躍に通じるものを感じました。
へえっと意外な気がしたのは、ダニーがお金儲けにとても熱心なところ。もしダネイが、いとこのリーとコンビを組んで作家になっていなかったら、実業家として成功していたかもしれません。そう言えば、いとこのリー少年もテルフォードという名前で本書に出てきます。
本書は、作家クイーンの自伝的小説として読み、味わう作品なんだろうと思います。正直、一個の小説として見ると、さほど面白い作品とは言い難い。でも、偉大なミステリー作家エラリー・クイーンの少年時代の物語として読むと、飯城勇三さんの解説に列記されているように、他のクイーン作品との関わりも見えてきたりして興味を引かれるのですね。
また、私は本書を読んで、『クイーン談話室』の一冊もぜひ読んでみたくなりました。先日、明けの明星さんが、思わず手にとって読みたくなるような書評を書いていらっしゃいましたし、早く本が届かないかなと楽しみです。
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