紙の本
あまりにも有名なジョン・デューイの古典です!
2016/06/07 09:08
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、19世紀のアメリカの哲学者であり教育者であるジョン・デューイの論集です。彼は子ども中心主義の教育を進めていく上で、子どもの経験は、子どもが物事に打ち込み、積極的に物事に対処していく上ではとても重要なことであると説き、経験の連続性とそれとの相互作用による教育上の効果を詳細に述べています。我が国の現代の教育方針や様々な教育活動に大いに役立つ示唆を提供してくれる良書です。
紙の本
名著を読んでいるはずが、迷著に思えることのないように
2022/02/27 02:27
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投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
書名からして、大学の教育学関係の
講義でしたお目にかからないような、
ガッチガチの教科書かと思いきや、
ひもといてみると、以外に興味深いことを
教えてくれる本です。
学習者を束縛する伝統教育への反省から、
進歩主義教育には自由を過度に尊重する
という欠陥がある、という指摘などは、
教育業界の試行錯誤の流れを簡潔に
表現しているようなくだりで、実に示唆的です。
訳文がこなれていないのは、学術書には
有りがちな点で、已むを得ないところかと。
寧ろ、読者の方が、
じゃあ、いっちょ原書でも、
と奮起するのを期待したいですね。
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教育学専攻なんだから一冊くらい読まなきゃ!
って思って読んだ本ではなく、たまたま授業でこの本の第二章をプレゼンしなきゃいけなかったから勢いで全部読みました。でも教育学専攻なんだから読まなきゃという気持ちも一応あったぞ!久々に骨の折れる本を読んだ。結構本気出して読んだら同じ事ばっか言ってることに気づいてだんだん面倒くさくなってきた。でもせっかく読んだんだから細かく要約でもするかって思って一章毎に要約してたら字数ぶっ飛んでめんどくなった。頑張って自分用に一章毎にまとめたが、ここでは簡単に。
教育は伝統的教育か進歩主義教育のどちらかに進まなければならない。デューイはこの本で、後者に進んだ場合にその上で必要な条件を今まで述べてきただけであり、決してどちらかの立場を養護するわけではない。で、その条件ってのが「(教育的な)経験」だったりするわけです。この本の一・二章を読めばここまでわかるので、それだけでこの本はほとんど読んだと言っても過言ではないでしょう!あとは似たようなことがひたすら書かれています。あとは最終章の結論を読めばいいかな。結局デューイがこの本で本当に述べたいことは、「伝統的」でも「進歩主義」でもない「教育」なんだと。
まぁでも「経験の内在する可能性が知的に指導され開発されるものとして扱われた教育を非常に信頼している。」といってることからどう考えても後者を支持しているんだと思います。
教育的な経験が大事だとかいろいろ言ってるけど、この本ではまったくもって具体例が書かれていないので実際にどういうことすればいいのかまったくわからない。なのでこれだけみるとデューイがただの理論家にしかみえてこないかもしれません!訳者も今の教育者は全員読めって言ってるけど読んでも何すれば良いかあんまりわからないんじゃないかな?他の文献も読んだらわかるかも!たぶん読まないけど。
さて、これを機に教育学専攻を名乗ろうか!
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デューイの晩年の著作であるため教育実践と哲学がそれぞれ完結された形で簡潔に書かれているのでわかりやすいかと(他に比べて)。
ただデューイの独特の文体により読みづらい。
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教育哲学をテーマにした論稿なので、学校教育に限らず「○○教育」と表される教育活動にあてはまる。もちろん「成人教育」・「従業員教育」等といったことも含まれると思う。
教師の積極的な指導が伴うことによってはじめて、生徒が主体的に教育的経験を得られる。このことも職場での従業員教育で大切なことだろう。日常の職場の業務経験の持つ高次な教育的意味を、意識するかしないかで、職場での人の育ちも変わってくるはずだ。
この視点は、第4章の「社会的統制」のテクストでもしっくりくる。「因習は摩擦を防ぐ潤滑油」(P.94)というフレーズだけ聞いてもしかり。
とはいえ、基本的に、本書は学校教育の現場の先生方に読むように意図されている。訳者あとがきでは、特に体験・経験を基づく知識を身に付けることが望まれている「総合的学習の時間」の理論書として活用されるよう言及されている。また、直近の指導要領改定で示された集団宿泊活動や、自然体験活動、職場体験活動の設定に際して、参考にすべき指針であるに違いない。
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すでに基礎づけられた知識や方法に従うやり方より、生徒の経験の中に教材を発見することのほうが、どんなにか困難かを指摘するが、デューイは教える者の態度それを求めている。それを見出す教える側にも知的努力を求めている。生徒の主体的な教育的経験は、教師の積極的な指導なくして成り立たないというメッセージである。(訳者あとがきより)
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経験を基盤とした教育論。手段と目的、科学的論考、自由についての論考など、日本の教育界が欠いているポイントをついており、とても興味深い。ただ、デューイの文章がくどいのと、それ以上に訳文がまずいのでとても読みづらかった。文末にならないと意味が分からないのは、とても辛い。20〜30年前によく見られた直訳、悪訳でした。
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8月21日(日)13時~17時
・やまさ
五日間参加して、とても学びをえることができた
時間管理ができなかった
100kmを通して感じたこと
歩く、って大変だなと思った
誰でもできることだが、誰もしないこと
それが大変
歩いていて、自分は日ごろ歩いてないな、と思った
車での生活だった
歩くことの感覚が戻ってきた
最近ランニングコースに通学路をいれたりした
大学院に入って感じたこと
みんな本読んでいる
本を沢山読む人は頭がいいと思う
「経験と教育」ジョン・デューイ
教育に関わる人には必ず読んでほしい
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要するに教師が積極的な指導が生徒の主体的な経験の獲得に繋がる、ということか。
特に衝動から目的が形成される過程とその中で教育者が担うべき役割に関する記述は興味深かった。
経験が個人の変化に与える影響に関する考え方も面白い。
ただ筆者の元々の文体が回りくどいのか、訳がまずいのか(それともその両方か)で非常に読みにくい(苦笑)
あと抽象的な議論に終始しているので、具体例に当てはめて言いたいことを明確にイメージしながら読み進めていったのもあり、ページ数自体は少ないのに結構読了に時間がかかってしまった。
内容自体は面白いので特に学校教育に携わる人は読むと勉強になるかも。
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「総合的学習」の哲学。
哲学書独特の文体に慣れれば、書いてあることは明快。
1938年に書かれた本書で「伝統的教育」vs「進歩的教育」とされている対立の実相がうまくイメージできないので、誤解しているかもしれないなあと思いつつ。
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内容はいいんだけど翻訳が下手。
もっと流れて読みたい。
教育のあるべき姿、なんとなく掴んでることの裏付け、論拠、将来性など。
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2007/6/20
この本,原著は1938年に書かれた古典なんすね.
で,何が書かれているかというと~
「学生を静かに席に座らせて,話を聞かせるだけの
伝統的教育」
「学生の自由を過度に尊重し,押しつけに否定的になりすぎ,教師が何も出来なくなる進歩主義教育」
の二項対立に対して警鐘をならしている.
本人自身は進歩主義的な教育(目指すところは現代でいうところの総合教育とほぼ同じ)を求めているのだが,当時の進歩主義教育が,
ただ,伝統的教育を否定するだけで,伝統的教育にまけずおとらずひどいことになっている事を指摘している.
本人も認めるように進歩主義教育は伝統的教育以上に圧倒的にデザインが難しいのだ.
だから,A xor Bのような,両端の二者択一な議論は意味をなさない.
どう,進歩主義教育を経験の哲学に基づいて作り上げていくかが問題なのだ.
って,今の「ゆとり教育」の議論とかと,何も変ってねーじゃん!!
70年間,ここの改革,なんもなしかよー!! orz
(それだけ難しい問題なんだと思いますが.)
ジョン・デューイは記号論のC.S.パースとならんで,アメリカのプラグマティズムの指導者の一人.
デューイは教育の分野で仕事をした人らしいが,読んでいると,プラグマティストなだけあって,
パースと共通した世界観のようなものを感じました.
コミュニケーション,論理的な議論は言語にしかされ得ないが,その解釈の自由度は常に残る.その乖離を無視すれば伝統的教育に,
直視すれば進歩主義や総合教育の道が開かれるのだと思うのだ.
要するに情報を記号論から捉えなおせっていう話になるんですね.
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原書名:Experience and education
第1章 伝統的教育対進歩主義教育
第2章 経験についての理論の必要
第3章 経験の基準
第4章 社会的統制
第5章 自由の本性
第6章 目的の意味
第7章 教材の進歩主義的組織化
第8章 経験―教育の手段と目的
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経験の再構築論、相互作用論にハートをつかまれました。
ソーシャルワークの領域で大切にしてきたことが、がっつり重なります。
個人の経験を、社会とつなぐこと。
もっと読み込んで、自分の中に染み込ませたいです。
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デューイの『経験と教育』に星印で評価をつける、というのも奇妙な気がするのだが、とりあえずこんな感じか。
たんに教育論を振りかざしたものではなく、そもそも自由や経験とはなにか、といった深みのある話が読めてよかった。
デューイというと政治的には「左派」プラグマティズムというイメージがある。が(かなり簡略化すると)そうした従来の保守または進歩主義のイデオロギーに染まった教育を「プラグマティックに乗り越える」ということが重要とのこと。このあたりが一見すると「左」っぽいのだが、デューイの立ち位置はそこではないという(当たり前のこと)をあらためてよく理解できた。
個人的には教育論よりも「行動と思考の一致・不一致」というあたりを論じている箇所が一番おもしろかった。