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紙の本

自衛隊内部の危機管理の必要性

2004/11/29 22:20

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ヴィア・ノヴァ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 世の中全てうまくいくとは限らない。予測不能で本来好ましくない状態に置かれたり、事故が発生したりした時どうするかという危機管理は大切であろう。しかし自衛隊員一人一人の危機管理が適切になされていないのではと本書を読んで心配になった。

 外交関係において常に話し合い、問題が起きた時にも適切な対話や譲歩、時には制裁を加えて平和な関係を築くことが戦争を防ぐ最良の方法であろう。しかし現実には最善を尽くしても問題が解決しなかったり相手から一方的に攻撃を受けたりする危険はいつでも起こりうることであり、好ましくないことが実際に起きた時に国民の生命や財産を守る危機管理のために自衛隊が必要とされていると思う。

 自衛隊員の生活においても同様のことが言えると思う。自衛隊の色々とストレスのたまりやすい閉鎖的な生活では、ギャンブル、過度の女遊びや飲酒、借金、いじめ、恐喝など本書に取り上げられているような様々な問題が一般社会より起こりやすい環境にありそうである。しかし、借金はしてはいけない、いじめはしてはいけないなど、通り一遍の指導は行われているようだが、実際にそのような問題が起きたときの適切な相談や対応といった危機管理がなされていないようだ。実際に問題が起きても誰にも相談できず、周囲が気付いても適切な対応も出来ないまま事態をますます悪化させる最悪な展開が本書には溢れている。

 問題を絶対起こしてはいけない、そのための完全な教育を行えば問題はおきない、我々は完璧な教育をしているはずであり、だから問題が起こったときの対応など考えるのは完全な教育のために無駄であり必要も無い、そんな単純な考えが自衛隊内での主流であるようだ。確かに予防的な手段は一定の効果があるだろうし、実際に問題が起きていなければそれだけで充分であるだろうが、本書を読む限り現実には自殺やストレスによる不祥事が頻発しておりしかも増加傾向にあるという。

 第3章のモザンピークで自衛隊が行ったPKO活動の取材で、酒も出て「いける」ポルトガル軍の食事についてある日本の自衛官が「自衛隊は『演習』ですから、現場でうまいものを食おうなんて発想はありません。…長期滞在するには、ああでなければ(書評社注ポルトガル軍のような食事のこと)体が持ちませんよ」と語っているのが象徴的であるだろう。実際に困難な状況が発生したときには粗食では身体・精神とも持たないと思うのだが、そういう最悪の事態を想定した危機管理は出来ていないようだ。内部での危機管理がうまく処理出来ていない自衛隊に日本の危機管理をゆだねることは出来ないだろう。自衛官一人一人の様々な問題について、最悪の事態を想定した危機管理体制を整えていく。そのことが日本の安全の重要な担い手である自衛官の幸せとなり、結果としてより安全で平和な日本につながると思った。ちなみに本書と合わせて一ノ瀬俊也著「明治・大正・昭和軍隊マニュアル-人はなぜ戦場へ行ったのか」(光文社新書)も是非読んでいただきたい。危機管理をしないのは日本の治安機関の悪しき伝統であることがよく解ると思う。

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