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紙の本
数学の入門書としておすすめ
2019/03/16 06:49
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:類太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
問題の解き方の理論ではなく, 数学の概念と定理そして証明の研究に重点を置いている入門書である. 受験数学を意識した内容もいくらかあるが, 純粋な数学として理解できる形になっている.
多くの図説と文章を含み大学数学の観点からも親切ていねいに詳しく話をしていて, 文学的な作品としても楽しめる表現が多く, 読んでいて飽きなかった.
高校数学から大学数学への滑らかな接続のためにかなり役に立った.
受験参考書には書かれていない, 数学の本質や裏話, そして読み物として誰でも楽しめる, 数学から広がる話題や数学それ自体と直結する数学史などが多くあり, 読んでいて楽しいと思った. 例えば三次方程式の解の公式により実数解を持つ三次方程式を解くと実数解が虚数単位により表わされる逆説の複素平面を駆使した解決と, 代数学の基本定理の複素平面と背理法を駆使した証明は読んでいて気分爽快だった.
ゆとり課程にも新課程にも対応できる語り方なのは特にすばらしい.
受験が終わってからでもいいから, なるべく早く読めば人生が変わるであろう.
内容は, 大学入試では出題の頻度が低い平面幾何の扱い以外は, 新旧どちらの課程の数学も網羅している.
ただ分数の計算を既知として高校数学とその周辺を基盤としているので, 前書きにもあるように論理的厳密性は必ずしもない. 例えば次作もそうだが序盤にあるベン図による「証明」は高校教育と同じ誤りである. しかしかつての私も含めた数学の「初学者」には妥当なのかもしれない.「無限大は実数ではない」ことの「証明」は「無限大は実数ではない」ことを意味しない. (ただ脚注での無限大の定義は超実数としての無限大の定義を直観的に言い表している. )
これらに注意していれば高校数学から無理なく楽しく大学数学へ移行できると思う. なお読者に任せている検算などは無理に解かなくても良いと思う. 私は中学3年生の頃から高校1年生の頃まで楽しみながら読んでいた.
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