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みんなの評価3.7

評価内訳

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紙の本

1千年の目眩

2004/12/22 21:44

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ずっと机に向かって、あるいはパソに向かって仕事をしていることが続いていて、そんな中でふと空を見上げると電線や雲雀や細い雲の高さに不意に目の焦点が合ってくらくらっとくるような、あの目眩の感じだと思う。距離の違う物が遠近感を無視して一つの視野にかわりばんこに割り込んで来るとやってくる。
 あるいは泥水に漬かりながら這いずる屈辱と、金の舟で銀河を滑る至福を一飛びで体験する、光年の距離を隔ててもなお一つの時を共有するめくるめく感覚。
 空間の距離だけでなく、時間の落差も感覚を狂わせる。登場人物にも読者にも、自分の立ち位置を見失わせる効果を与える。
  時は私にめまいだけを残してゆく(小椋佳「めまい」)
 そして世界像は大きな揺らぎを持ちながら、それでいて1千年、いや2千年以上もの昔から描かれ続けてきた人間像、愚かで情熱的で狡猾で愛に溢れ力強い、古典的、神話的な人々が数十年後にも1千年後の世界にも生きている様を、1950年代に書いた。そのスタイルは現代21世紀的でも緻密でもない、チープで素朴でぶっきらぼうすなわちスピーディー、展開自体は振幅が大きく重量感がある、この組み合わせが奇跡的なのだ。
 作品で言えば、「ごきげん目盛り」「昔を今になすよすもがな」で人物像が強烈で、表題作、「イブのいないアダム」で世界像の振幅が大きい。中編「地獄は永遠に」がまた、文字通り地獄巡りではあるが、世界の上の方だか下の方だかにあるそいつよりも柔らかくて、ナンセンスで、べらぼうで、破裂している。他のいかにもこの当時によくあったようなアイデアの作品でも、べスターのスタイルと組み合わせると、たちまち魔法のようなきらめきを放ちだすのがまた面白い。核戦争や科学の暴走によって世界が破滅する設定も時代を感じる。
 長編「虎よ!虎よ!」「分解された男」がべスターの代表作とされるが、この小ヒネリの効いた短編集でもその味わいは十分楽しめると思う。

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