紙の本
酒飲み必読
2005/12/06 12:12
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つな - この投稿者のレビュー一覧を見る
ここで取り上げられている「ちんみ」は、順に青ムロくさや、たたみいわし、とうふよう、さなぎ、またたび、がん漬け、ふきみそ、ふぐこぬかづけ、うばい、からすみ、かぶらずし、このこ、ふなずし、とうふみそづけ、ほやしょうゆづけ、きんちゃくなす、しおなっとう、などなどなどの全68品・・・・。
最初に杉浦氏の「ちんみ」の美しい絵と簡単な説明がつき、2、3頁ほどの小品が載せられるという構成。そこに出てくるのは、微妙な関係の男女、女友達や、家族の風景など。どれもごく短いのだけれど、いずれも印象深い味わい。人物たちの距離感が、実に程よい。
そして、ほとんどの場合、「ちんみ」にはそれにふさわしいお酒が登場する。これがまた、その飲み方、食べ方を含め、お洒落と言うよりも、粋という言葉が似合う感じ。グラスの選択や、お酒の選択も素敵。
巻末には、「ごくらくちんみ」お取り寄せガイドつき。美味しいお酒を呑みたくなること請け合いの一冊。
紙の本
早く一杯…
2004/10/07 22:23
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投稿者:らんつる - この投稿者のレビュー一覧を見る
小説新潮を買う楽しみのひとつがこの連載だった。
登場する珍味の描写もさることながら、大人の男女、男同士、女同士に漂う絶妙な間合いを映した掌編が絶品。
切れ味の良い刃物で切り取ったようなシーン、グラデーションにほんのり霞んだひとこま、どれもがしみわたる余韻を残す。
月刊誌の中、様々な料理(小説)の合間の「箸休め」として楽しみだったけれど、こうして一冊の本にまとまってもやはり一話ずつ、ゆっくりと味わいたい。
この本の問題点はただひとつ、早く帰って美味しいもので一杯…という考えが、頭から離れなくなる事だ。
紙の本
一杯やりたくなりました。
2007/11/25 19:28
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投稿者:オクヤマメグミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ちんみ。珍味。私の食べたことのない物がたくさん紹介されていた。
見た目がグロテスクだったり、「そんな部分を食べるの?」と驚愕するような食材だったり。
多くが酒の肴になっている。
冷酒や熱燗、時には小洒落てワインやシャンパンで。
ちびちび飲みながら珍味をつまむ。
ちょっと嘗めながら味わう新しい世界。
その匂いや喉ごし、歯触り、口の中に広がる芳醇な香りまで読み手に伝わってくる。
3~5ページ程度の掌編小説とともに楽しめる。
小説の登場人物と同様、酸いも甘いも踏み越えた者が知る珍味の世界。
うーん、試してみたいです!
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ものすごくお腹がすく。
そして無性に呑みたくなる。
て、それだけでなくて、一話一話の逸話が良い。沁みる。
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■酒と肴と男と女が束の間に浮かび上がり、風景が切り取られる。それぞれに慈しみがあり哀しみがあり、情は浅くないのですが、それでも吹けば飛ぶよなちっぽけなものかも知れません。■杉浦さんというと江戸のイメージですが、これを読むと現代もまた江戸の昔から人がつなげてきた時間だなと思えます。ちなみにイラストはありますがマンガではありません。超・短編集とのこと。■☆5つとしたいのですが、私は酒を呑まないので☆の一つは酒呑みに委ねます。さて?
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実はワタクシ 珍味系は苦手でして… でもね、そんなワタシをその気にさせるソノ表現力。それに、なんといっても飲みたくなります。さ、酒・・・
いや、極楽ゴクラク
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「お江戸でござる」でお馴染みの杉浦日向子さんの本。たくさんの珍味それぞれにまつわる短い話(3ページくらい)とご自身によるかわいい挿絵がついています。珍味によって合わせるお酒もさまざま。まだまだお子ちゃまな私は背伸びして真似してみたいなあ。ご親切に取り寄せガイドまでついています。この本をきっかけに世界が広がる予感大!
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珍味にまつわる超短編。
その短編が、滋味あふれる珍味の如く味わい深い
切なく、温かく、物悲しく、達観してて。
江戸っこ気質な会話がよかったです。
飾らない、一見冷たそうな言葉の中に
温かさがあるんですよね。
お酒が大好きな方に、是非オススメの一冊。
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大好きな杉浦日向子の本、といっても私が持っているのは「百物語:マンガ」の2冊だけだが・・・。
食べ物好き(嫌いな人はあんまりいないと思いますが)な私ですが、手も足も出ない食べ物が多すぎるのが欠点(羨ましい)。
この本は、珍味だけではなく酒と肴と友情からくる楽しさが湧いてくる。また、食べたくても食べられそうもない高価なものをサラリと食べるという、生活の楽しみ方が充満している。
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お酒と肴が本当に大好きなんだなあと
つくづく感じられる本でした!(笑)
と言いますか、この本の珍味、
どれも美味しそう!!たまらん!!
今すぐクイッとやりたくなってしまいます(^^;)
さすが酒好き日向子さんです!
美味しい肴と美味しいお酒、
買いに行こうかな。。。(笑)
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酒の肴をテーマに短編小説の抜き書き、または書き出しに思えるような短編がたくさん。人生ってアレよね?としみじみ思う話でいっぱいです。
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杉浦日向子のごくらくちんみを読みました。江戸時代の風俗の紹介で有名な杉浦日向子が、いろいろな珍味の紹介とお酒の紹介と男と女の物語をかけあわせたエッセイ風の本でした。私は基本的に珍味やお酒に興味を持つ人間ではないのですが、それでも面白く読むことが出来ました。
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酒の肴が多いちんみ話。で、小話。杉浦さんの好みなのか、上あごにぬっとするちんみが多い気がしないでもない。
酒肴とゲテは紙一重で、食べたいなー。と、思うものもあったけど、うーん、ちょっとご遠慮申し上げたい。というものもあり。
クジラのベーコンの話は、そうか、給食で洗礼を受けたからこそ美味しく感じられるものなんだと、目からウロコ。
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エッセイだと思っていたらとても短いピリッとした短編集でした。
全てのストーリーのタイトルは『珍味』。
そのほとんどが口にしたことないモノばかりで、
珍味、特に日本の珍味は奥が深く、それに合うお酒が
多いことに気付かされた本でした。
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日本の津々浦々の珍味を、ショートストーリーを絡めて挿絵付きで紹介。読んでいるだけで本当によだれが出る。お酒は飲めませんが珍味は本気で好きなのです…からすみとかふぐの卵巣の粕漬けとか…ああ食べたい。お酒飲めたら更に美味しいんだろうなぁ…江戸文化への考察も深い杉浦さん、本当にご冥福をお祈り致します。