紙の本
龍臥亭再び
2006/02/20 23:44
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
あの龍臥亭の事件から八年、事件にめぐり合わせた人々が、再び龍臥亭へと集う。作家の石岡和己も招かれるが、そこで待っていたものは、過去の事件に負けないくらいの、土地に残る伝説に彩られた不思議で恐ろしい殺人事件だった。
島田荘司のミステリ、一時はかなりハマって続けざまに次々と読んで読み返してをしていたのですが、ここしばらくご無沙汰でした。で、久しぶりに読んでの感想は、やっぱりおもしろかった〜。ミステリというと、トリックやら犯罪の動機やらが重要なポイントなのですが、そんなのは抜きにして、あの独特の雰囲気づくりの上手さは超一流、そこに浸れるだけで、もう十分に満足してしまいます。
本作では、作者の生み出した二大探偵、御手洗潔と吉敷竹史が、出会いはしませんが同じ事件の謎を解く。ファンにしてみれば、もうたまりません。また、『龍臥亭事件』から島田ワールドの住人となった犬坊里美が司法試験に合格、弁護士になるつもり、刑事事件をやるかどうかはわからないと語らせていますが、もしかしたらこの先、吉敷警部と協力して、あるいは刑事と容疑者の弁護人として対立、などといった事件も読めるのでは、と期待がふくらみます。
今後の島田ワールドの展開がとても楽しみです。
投稿元:
レビューを見る
『龍臥亭事件』と『涙流れるままに』を読まずに読むと後悔する作品だと思いました。様々に絡み合った糸がほどけて、やがて一つの線を結んでいく様を感じ取れないからです。
というか、吉敷シリーズと御手洗シリーズをある程度読んだ人じゃないと楽しめないかなあと思います。
投稿元:
レビューを見る
石岡和己、犬坊里美、そして加納通子――。雪に閉ざされた龍臥邸に、八年前のあの事件の関係者が、再び集まった。雪中から発見された行き倒れの死体と、衆人環視の神社から、神隠しのように消えた巫子の謎! 貝繁村に伝わる「森孝魔王」の伝説との不思議な符合は、何を意味するのか!
幻想の龍臥亭事件が、いま、その幕を開ける!
【感想】
http://plaza.rakuten.co.jp/tarotadasuke/diary/200501090000/
投稿元:
レビューを見る
『龍臥亭事件』が出て、それからパロディなどが何冊か出たけれど、もう前作の感動を忘れていて、この本を読みながらイマイチ乗り切れなかったところがある。どうしても2大スター(笑)はまだ出てこないのかー?と読み進めてしまった。もう一度前作から読みなおしたらいいかも
投稿元:
レビューを見る
「龍臥亭事件」の関係者に再び起こる事件です。金田一作品にあるような村の閉鎖的怖さがあります。
かなり大人な描写が多いのでお子様は注意です。
投稿元:
レビューを見る
『森孝魔王』・・・この一言に尽きる。相変わらず不可能犯罪と奇抜なトリックだが、本作は最初から最後までマンガのようだった。卓越した文章力なのに、会話中心の冒頭から、戦時中の研究のシーンなど、展開に効率の悪さを感じるのは私だけだろうか?犯人の推理も容易だし、ラストも決していいとは思えない。御手洗と吉敷が登場するのはファンにとって嬉しいことだが、吉敷は今まで一体どうしていたのだろう・・・逆にストレスが溜まった作品だった。
投稿元:
レビューを見る
島田荘司先生はやはり凄い。
「龍臥亭事件」に続く、この「龍臥亭幻想」もモノスゴク面白かったです!
今回は、「龍臥亭」自体の物語とは言えないかもしれないですが、前作と充分リンクしています。
ネタバレしない程度に感想を書くと、
まず第一に登場人物が魅力的。
独特の方言がとっても可愛くて、笑うシーンじゃなくても、つい顔がほころんでしまうくらい。
もちろん言葉遣いだけではなく、前作から引き続いての人をはじめに登場人物がしっかりと描かれていて感情移入しやすい。
そしてそして、今作は我らが石岡君がとっても男前!!
あの石岡君も、もう五十代となってしまいました…。「くん」付けで呼ぶのはいささか失礼かと思えるくらい、しっかりとした大人になっています!
頼りなくて情けないイメージはあまりないですねー。
肝心のミステリの方はというと、こちらももちろん文句なし。
ラスト、事件の本当の真実がわかった時、あなたも吃驚すること請け合いです。
島田先生の作品を読むと、いつも「トリックやロジックだけでは、面白いミステリを書くことはできない」ということを思い知らされます。
膨大な知識で裏打ちされてこそ、物語に深みが増す。
決して特殊な文章でも奇を衒った書き方でもないのにぐいぐい引き込まれるのは、もうさすがの一言に尽きるでしょう。
とにかくオススメの一冊(上下巻だから二冊だけど)。
島田先生は、やっぱり特別だなあと改めて思いました。
投稿元:
レビューを見る
龍臥亭事件から8年後。再びその当時の関係者が集まった。明治時代の貝繁村に起こった伝説の殺人事件が再び蘇る。
投稿元:
レビューを見る
御手洗モノのワトソン役・石岡くんが、探偵役というか仲介役となって御手洗と吉敷がクロスする。龍臥亭事件から8年後、事件の関係者が集まった時、新たな殺人事件が始まる。「あの人達」のその後がちょっと分かって良かったなと思う。
投稿元:
レビューを見る
吉敷作品を読んでから読んだほうが絶対よかった!!!後悔・・・
でも犯人は、やっぱりわからなかった。あとから読み返すと、ここにもヒント、ここにもヒント。島田さんに感服!!!
投稿元:
レビューを見る
上下巻。
石岡君探偵デビュー。
里美ちゃんはこの時が一番魅力的だったような気がするのは気のせいかな。
津山30人殺しをモチーフにした作品。
投稿元:
レビューを見る
御手洗シリーズと思って購入したら、
うっかり吉敷刑事がいたりして、そんなお話。(これこれ)
御手洗シリーズしか読んでないもんで。
内容は軽いけれど読みやすくてありがたかったです。(上下巻だけど)
件の竜臥亭を良い意味でフォローしているような。主に50代突入おめでとうな石岡君の。
吉敷さんのあまりの地味ぶりに逆に感動。
投稿元:
レビューを見る
ようやく読めたこの本。
しかし……前回の龍臥亭事件の時も思いましたが、まったく人間社会は怖いです。閉鎖された社会って、どんな残酷なことがおこなわれても、そのまま完結してしまってどうにもならない。
島田先生の作品は、トリックや殺人以前に、こうした社会の問題や人間関係の闇が深い。
深いというより、重い。
心臓にガツンときます。
投稿元:
レビューを見る
2006年02月19日
久しぶりに島田荘司読んだ。
出たばっかりのときは途中でやめちゃったけど
ちゃんと読んだら良かったよ。
あ、でも文体がですます体から突然言い切りになったときにものすごく違和感を感じた。文中文(民話)でね。
あれはいったいなんだったのだ…
投稿元:
レビューを見る
龍臥亭事件もすごかったけど、これはそれ以上だ。
島田荘司はこの中で、善悪/道徳に関する意見を開陳しているが、それも非常に興味深かった。