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▼予想以上に良かったです。短編集なのでちょっと薄いですが、値段もそれなりに安いです。内容は濃い口。▼三つの短編の中では一番「ピコーン!」が好き。「阿修羅ガール」に繋がっていく経緯もよく見えてくるし、ちゃんと推理ものだし、タイトルがいい。「安っぽいハム」の描写に、ついオムレツが食べたくなったな。▼「バット男」から「人は何故暴力を振るうのか」という問いが生まれて、「スクールアタック・シンドローム」である程度の回答が与えられたのでしょうか。でも私「人を好きになることは非常に暴力的」という考え方をうまく消化できないです。怖くなって、相手をメタクソにするまで愛せないです。そういえば昔B'sの歌にでてきた「純愛ってのは相手をめちゃくちゃにしたい気持ちだろうな(うろ覚え)」というフレーズの意味がさっぱりわからなく「はぁ?」という気持ちになったことを思い出しました。▼「熊の場所」ショタラヴ。じゃなかった。ネコラヴ。でもなかった。逃げてはいけない「熊の場所」が、まー君にとっては何処だったんだろうか。
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文庫サイズでお値段もお手ごろになった上に表紙もかわいい♪作品ごとに文体も違ったりします。凝ってますね。 同じくオススメです!
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実は最後のだけ読んでません…途中でつまんなくなった。
熊の場所とバット男は面白かった。
この本は装丁も可愛い。えぐいけど可愛い。中表紙は滅茶苦茶変でえぐいけど、可愛い(言い過ぎ)。
というかこの装丁、内容そのまんま。
えぐくて可愛いのです。
バット男よりも熊の場所のほうが好きかな…いや。少年が出てるからじゃないですよ。ええ。断じて違います。
正直ハアハアゆってるまーくんには萌えましたが断じて違います。
相変わらず舞城ワールドは落ちのない話で脳みそ揺さぶられる感じがいいと思いますな。
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何故に文庫ではなく新書なの?という疑問はさて置き、ハードカバーに比べて小さく軽く薄く持ち運び易くなったのは嬉しいトコロ。対して値段がそれ程安くなってないのは残念。読後感は正直イマイチ。面白くないワケではない。ただ納得が出来なかっただけ。三作に共通する主題は恐怖よりももっと根底的な対外的な認識において、何らかの事象や現象、出来事を他の事象や現象、出来事と関連付けを行い、その間に意味を見出し認識、思い込んでしまう人々の自意識についてではなかろうか?とか考えている。要は因果律や運命論の類である。起こるべくして起こったかの様に見える現象や感情を運命や因果、神の意志などによる必然に託してしまう人々の意識についてだ。例えば「熊の場所」において"僕"は"まー君"に殺されるかもしれないことを運命の様に思い仕方がないとあきらめ、また猫を何匹も殺していると思われる"まー君"が犬や人を殺したのではないかと思う意識も同様だ。『バット男』では"僕"は"バット男"の存在を弱者が更なる弱者を叩く世の中のシステムの存在を原理として、その犠牲者として見なしている。また"僕"自身もいつかそのシステムに取り込まれ"バット男"になることを恐れて神に祈っているような次第だ。『ピコーン!』に至ってはソレはより顕著で、死んでしまった”チョコ”の彼氏は停電を引き起こしたことによりサタンに見立てられてしまい”チョコ”自信は彼氏がニヤけて死んでいたことを、朦朧とした意識の中でズボンから性器を露出されたことに自分のフェラチオを期待したからに違いない、と思い込んで納得してしまう。それぞれに何も必然性の無い不条理な、不可解な事象、現象、出来事に遭遇した人々がその不条理さ、不可解さ故に単純に納得することが出来ずに、自分の中に消化する為に必然性を求め運命や神という概念に頼るその姿、そこに至るまでの過程は確かに現実的であり滑稽であり、かつなんとも切実で切なくさせられてしまう。またその様を描いている作者がこの現実のそういった部分と真摯に向き合っていることが感じられ、なんともニンマリさせられてしまう。その反面、読後感がイマイチと感じるのは、各話の結末、オチの付け方、形にイマイチ納得が出来ないからで『熊の場所』のラスト、西暁町を出て行った18年後に"まー君"が枯れ井戸に落ちて死んでその周囲には猫の死骸があった、ってのは何か因果応報の形に落ち着こうとしているだけのように思えるし、『バット男』のラストが神に祈るというのは結局のところ、この世の中に存在している弱者が更なる弱者を叩くシステムよりも、より上位のシステムの介入を望んでいるだけであり、そこには劇中で"僕"がかって望んでいた「"バット男"がやり返す=システムの打開」を自らが主体となって行う、などという意思は全く感じられない。『ピコーン!』では彼氏がニヤけて死んでいたことを、朦朧とした意識の中でズボンから性器を露出されたことに自分のフェラチオを期待したからに違いない、と思い込んで納得する一見すれば綺麗なラストだけど、本当のところはそれが事実かどうかなんてところは全く分からない。根拠などどこにもないのだ。分からないことを分かるように、起こってしまった不条理な不可解な出来事の理由を外部に求め解釈して納得するのは確かに人の性である。それを劇中に描くことにもちろん問題なんて一切ないのだけど、それを小説の物語の結末として持ってくるのは正直、作り手としてどうなんだろう?と感じたワケだ。確かにかなり綺麗にまとまってはいるんだけどね〜『ピコーン!』なんかは、特に。
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★5つでもいいんだけど。舞城は、奈津川シリーズが面白すぎるので、それと比べるとどうしてもキャラ立ちが。。ま、これは短編集だから当たり前なんだけど。でも、これはいい短編集でした。
村上春樹を引用して、フェ○の技巧の話に繋がっちゃうのには笑いました。
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舞城作品の中ではイマイチだった。短編だからか?大体舞城作品を読んでると深いところに響く言葉や文があったりするが、これには記憶なし。
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舞城王太郎の作品の登場人物はだいたいにしてフツーの人たち(社会的に、というような。もちろん例外もある)なんだけど、その人たちに自分=作者の言いたいこと(書く意味みたいなもん)が凝縮されている気がする。読後、思っていたよりも期待以上のメッセージがあり凄くうれしい。
特に「熊の場所」は友人2人に猫のしっぽの数がふえるところと、夜中身体を確かめられるところと、お父さんの話の三つの部分を抽出して人に話してしまった。
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やっぱり舞城さんの文体って凄いよなあ、と思ってしまいます。短編の三連発。全然、軽くないし、むしろ、かなり重い。でも、最後には必ず突き抜ける。
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ミステリ過ぎずグロ過ぎず、バイオレンス少々。適度にブンガクしている舞城ワールド入門編。お気に入りは「ピコーン!」です。
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2006年現在、最も好きな作家、舞城王太郎。
疾走。ワクワク感。
自分が本を読むときに求めるものが全てこの中にある。
そりゃぁ難しいのも、泣けるのも、楽しいのも、謎解きもいいよぉ、もちろん。
でもそこを超えたとこにあるんだよねぇ。あ、褒めすぎ?
自分にとって熊の場所ってどこなんだろうなぁ。
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舞城王太郎全開の短編集。「熊の場所」はミステリーランドでも良かったのでは。。わりと世間では評価が高い「ピコーン」は大好きですけど、うわーと思うような表現もあってきっと年齢層高い読者には眉をひそめられそうな。
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あなたの「熊の場所」はどこですか?
舞城王太郎の魅力を余すところなく表現した傑作集!
僕がまー君の猫殺しに気がついたのは僕とまー君が2人とも11の時、つまり同じ保育所に通っていた僕たちが一緒に西暁小学校に上がり、同じ教室で勉強し始めて5年目の頃だった。<本文より>
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短編が3つ入った作品。
・「熊の場所」
・「バット男」
・「ピコーン!」
「熊の場所」は、それなりにワクワク読みました。
3つともに共通して、大部分が現代風の口語体で書かれていて、読みやすいような読みにくいような…
僕は、かっちりした文章が意外に好きらしいです 笑
短編集やったんで、違う作品を読んでみたら、また違った印象をもつと思います。
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舞城好きな方は是非!
動物虐待要素が許せない方にはあまりお勧めできませんが・・・(そう言う私もそれだけは許せません
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「熊の場所」「バット男」「ピコーン!」の三編の短編集です。
全部面白く、全部感心させられます。
特に「ピコーン!」のぶっ飛び具合にはただただ驚きます。舞城の女語りは面白いです。本当に。