紙の本
十代の頃の恋を思い出させてくれる本です。あなたは最近恋の仕方を忘れている方にオススメ。心の震えを取り戻せます。
2004/11/15 14:22
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エルフ - この投稿者のレビュー一覧を見る
十代の頃は今思うと人との別れが上手く出来なかったような気がします。
それでも人を好きになり、別れることなど思いもせずに相手の領域に飛び込んで行き、一時の幸せに喜びを感じ、また離れていく瞬間に絶望を感じる。
その感じ方の表現がとても上手い作品なんですよね。
会社の昼休憩中に読みきったくらい短い作品なんですが、どっぷりとこの物語に浸かってしまいました。
好きなうちに別れてしまった相手というのは心の中にいつまでも住み着いているもの。
主人公の「わたし」の心の中にはずっと冠くんがいて、それでも時が経つにつれ隣には「せっちゃん」という異性がいるようになる。
同じだけど違う「好き」という感情。
自分の全てのパワーを向けて「好き」になる相手と自然と隣にいることで「好き」になる相手。
多分思春期ってこういう人の好きになり方ってするような気がします。
懐かしさやほろ苦さを思い出させてくれる作品でした。
著者のあとがきより
「他人というのは異物だから、絶対に溶けあうことのない部分がある以上、深く受け入れようとすると、どうしても苦しまなければならない。その息苦しさや、それでもだれかを強く必要とする気持ちを、この本から感じ取っていただけたら嬉しい。」
十七歳でこういう文章が書ける島本さんは注目せずにはいられない若手作家さんです。
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高校生でこれだけ書ければたいしたものだとは思いますが作品として本にする価値があるかは、かなり疑問です。
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言葉じゃなくて、理屈じゃなくて、もっと簡単で優しくて大きなもの。生きている私が、生きているあなたにしてあげられる精一杯のこと。その威力を知ってほしい、と胸が痛むほど強く願ったことが、私にもあったことを思い出しました。[2004.12.12]
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本編のシルエットも良かったけど、その他に載っていた短編『植物たちの呼吸』や『ヨル』の世界観のほうが好き♪
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しんとした風景の中で語られる物語のようだ。熱く流れるもので自分を探し出すことが出来る人間は多いのかもしれない。
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恋愛の微妙な心の動きを描く、短編集。
文章の表現としては悪くないが、内容に面白味がない。最後の「ヨル」という話だけは、まぁマシな方か。
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内容がちょっと微妙。つまらないわけじゃないけど、面白みにかける。でも文章っていうか表現の仕方はとても好き。
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恋の切なさが胸に込み上げてきて、電車の中で読みながら涙してしまいました。若い作者なのに恋愛感情を客観的に描けることが不思議…。同じ歳の頃の自分を思い出すと、自分の気持ちをどうコントロールしていいのかさえも分からなかったような気がします。
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今度は島本理生さんにはまりましたよ。見事に(笑)
とにかくリズムのいい音楽でした。言うなればオルゴール。一度回したらきちんとエンディングまで奏でてリットしていって終わる。そういう工程がしっかりしていてとても読みやすかったです。
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最近こうゆうソフトでフェイドアウト的な話に入り込めないのでちょっと。絶賛されているのはどの部分かが不思議。
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やっぱり私はあの場面で泣いてはいけないと思うし、自分ルールをやぶれなかった冠くんの気持ちが負けていたと思う。
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さらりと読めた恋愛小説。青春というか、昔の恋愛を思い出すような感覚。
初めて好きになった人は、心に大きな傷を負っていた。でもあたしは高校生でまだまだ若くて分からないことがいっぱいあった。でもその人が好きだってことは、よく知ってた。そのせつないつたない気持ちを精一杯受け止めて生きた。好きな人は一生好きなのです。それがよくわかりました。島本理生さんの文章、好き。
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島本理生のデビュー作。うーん切ない。高校生が書いただけあって、懐かしさも同時に思い起こさせる。設定や主人公に目立った特徴・突飛さが無いだけに感情移入する人が多そう。
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表題作『シルエット』は読みやすい文体で書かれたあたたかい作品。男性陣がとても魅力的。冠くんの持つ優しさが残酷だと思った。『ヨル』は乾いた砂のような作品。さらさらと頼りなくて、風が吹けばすぐにどこかへ飛んで行く。(2006.06.12)
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群像新人賞優秀作の表題作と、デビュー作『ヨル』他一篇を収録。設定の平凡さが読んでる最中気にならないのは、登場人物の誰にも作為的なものを感じないから? この作者の話の終わらせ方は相当好みかも。