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氷の花たば 新版 みんなのレビュー
- アリソン・アトリー (作), 石井 桃子 (訳), 中川 李枝子 (訳)
- 税込価格:704円(6pt)
- 出版社:岩波書店
- 発売日:2004/11/16
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文庫
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紙の本
人間と不思議なものたちが自然と共存する世界
2010/12/07 22:52
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『時の旅人』のアリソン・アトリーの短編集で、
原題は、"John Barleycorn: Twelve tales of Fairy and Magic"である。
もとは12作品が収録されているが、訳者が次の6編を選んで翻訳した。
・メリー・ゴー・ラウンド
・七面鳥とガチョウ
・木こりの娘
・妖精の船
・氷の花たば
・麦の子 ジョン・バーリコーン
原書では、"John Barleycorn"を表題作にしているが、
本書は『氷の花たば』を表題としているため、冬が似合う短編集に思える。
アリソン・アトリーといえば、『時の旅人』の印象が最も強いのだが、
そちらでは著者の略歴は語られていなかった。
また、『農場にくらして』は、アリソンの自伝的作品といわれているが、
そちらでも著者の略歴は語られていない。
どちらの本でも、本書にある石井桃子氏のあとがきを
参照してほしいと書かれていたのだ。
本編はもちろんだが、本書を手にして、
やっとそれを読むことができるという楽しみもあった。
そこでは、著者のひととなりにふれることができる。
6つの短編は、どれも伝承的な味わいがあり、不思議な存在が登場する。
人間と不思議なものたちが自然と共存する世界だ。
『メリー・ゴー・ラウンド』と『妖精の船』では、
不思議な体験をするのは子供たちだが、
大人たちは子供たちから不思議な話を聞いたとき、きっと夢でしょうと言いはしても
否定するのではなくそれをそのまま自然に受け止める。
『妖精の船』のお父さんは、
子供がそれを忘れないようにと聞いた話を歌にしてあげる。
そのような姿勢は、この時代の人たちの
不思議な出来事との接し方を表しているようであった。
『七面鳥とガチョウ』は、クリスマスをお城で過ごしたいと農場を抜け出す動物たちの物語。
これも冬に合ったお話だ。
『木こりの娘』では、暖炉の中に現れた金色のクマを救うために、
娘はイラクサでみどりの上着を作る。
『氷の花たば』では、雪道で遭難した男を救った白いマントの男が
礼として「炉端の石の上においてあるバスケットにはいっているもの」を求める。
救われた男が家に帰ってみると、バスケットにはいっていたのは、
生まれて間もない自分の娘だった。
どちらの話も、自然の中で人と人ならぬものが距離を隔てぬ場所にいる。
娘たちは、その境界線を超えるのだ。
『麦の子 ジョン・バリーコーン』は、
ひとりぼっちのおばあさんのところに現れる不思議な男の子の物語。
不思議な世界への境界線を超えるときは、たいていひとりだ。
そう考えると孤独も悪くないかもしれない。
紙の本
守り抜く6編
2016/11/15 10:20
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者が愛するロンドン北西のチルターンの丘が美しく描かれている。自然界を守るために、民間でできることを考えさせられた。
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