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紙の本
いやあ、前巻とちょっと間があくと全く話の展開をわすれるね。しかも、重要なはずの人物たちがどんどん消えていくってんだから、やっぱ、バーカーは只者じゃあない
2005/02/14 21:19
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
さて、クライヴ・バーカーの『アバラット』の待ちに待った第二巻である。哀しいことに、鳥頭のせいか「面白かった」「バーカーの画の才能は凄い、トールキン以上ではないか」という以外、何も覚えていないのはかなり読む上でハンディであるけれど、ともかくあの強烈なパステル画を見ているうちには、何かを思い出すに違いない。
「アバラット
ひとつの時間にひとつの島、昼と夜がせめぎあう世界。
草原の〈波〉に誘われ退屈な町チキンタウンを捨てたキャンディ、底知れぬ憎しみを抱く真夜中の王キャリオン、逃亡の旅を助ける異世界の朋友マリンゴ、そして、伝説の王女ボアと竜の退治人フィネガン……。
キャンディは果たして運命の子か、禍いのしるしか。
戦いの前触れに、25の島々がざわめきだした。
いま、決戦のときがきた。
アバラットの風をつかまえ、イザベラ海へ船を出せ。」
そうか、そんな話だったよな、と目次を開く。プロローグ「飢餓」。第一部「変質者、愚者、逃亡者」、第二部「打ち捨てられて、忘られて」、第三部「悪鬼の時代」、第四部「チキンタウン水没」。チキンタウンは、なんだか記憶がある。しかし、あの町が水没? 一体どんな展開をするのだろう。
人物紹介をすると、キャンディ・カッケンブッシュは、アバラットに迷い込んだ15歳の少女で主人公。その母で、現実に絶望しながら、娘を思うのがメリッサ。そして、家族に塗炭の苦しみを舐めさせる無能なアル中で、娘いじめの元凶が、父親のビル。ちなみに、この巻では、その冷血と無能ぶりとを見せつける。彼らが暮らしているのがミネソタのひなたくさい地方都市チキンタウン。
で、この巻で今までと違った顔を見せ始めるのが、真夜中の島ゴルゴシアムを治める、真夜中の王クリストファー・キャリオン。その原因となるのがキャリオンの祖母で冷酷で残忍な老女メイター・モトリー。で、キャリオンに拾われ、この巻でかなり重要な役割を果たすのが泥の採掘場で真夜中の王に拾われたレテオということになる。
全4巻ということだが、先は全く読めない。訳者の池央耿の言葉を借りれば「一つの絵解きがすなわち新しい伏線で、この重層構造によって物語は限りなく発展する」「作者は前編に顔を揃えた重量級の誰彼を惜しみなく退場させている」というように、予想外の展開をする。何でこの人が死ぬ? あの人はどうなった? そういう読者の思いを無視するかのように物語は驀進する。
現実と非現実の融合というか、あってはならないような世界がふれあいが、冒頭の私の疑問に繋がっていく。そこには、つい最近インドネシア周辺を襲った津波を思わせるような展開すらあるのだ。まさに、驚天動地の物語とでもいうべきだろうか。挿絵も含めて、もしかすると、トールキンの正統な後継者はバーカーではないか、そんな予感をすら抱かせる壮大な話である。
できることならば、もう少し早く次の巻が出ることを望む。何とか、年末には、それが私のささやかな夢である。
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