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シャバヌ 砂漠の風の娘 みんなのレビュー

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みんなのレビュー4件

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紙の本

しょせんはアメリカ人がパキスタン人のふりをして書いた小説の域を出ない。私たちが知りたいのは、パキスタンの人が発する声なのだ

2005/04/23 22:54

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

絶賛の紹介文つきの本で、それを信じて読み始めた私は、主人公である12歳の少女のあまりの身勝手な思いにたじろぐ。無論、私の砂漠の国に対する偏見、というか思い込みがあることは確かである。しかし、つい最近、高一、或は中二の娘たちを見ながら、一応自由の国と言われる日本人以上に我を通そうとする主人公に違和感を覚えるのだ。
いったい、シャバヌに自由と言う概念を教えた人間がいるのだろうか。なぜ、少女は両親の思いや姉の幸せより、自分の自由を優先しようとするのだろう。本当に、これはかの国の人間が書いた話なのだろうか。なんだか、あとがきを読むと、描写の素晴らしさばかりが語られ、あたかも少女がこれを書いたかのような文にも思えるのだが。
ところが、本を読み進めるうちに、その違和感がだんだん大きくなってしまい、息抜きにカバーを見て納得したのである。著者スザンヌ・ステープルズは、れっきとしたアメリカ人ではないか。どうりでシャバヌの価値観が年齢に似合わずいかにも米国的自由優先のはずである。アメリカでの賞をとったというのも、まさに賞を与える側の価値観の反映だ。
平気で土足で他人の国に進駐し、何が何でも自分たちが考える自由が一番、とばかり押し付けるかの国。どんな小さな世界にも、自分たちの自由とは違う、それでいてやはり自由としかいいようがないものがあろうとは夢にも思わない脳天気。やはり、読む前にここらは抑えておかないと、この作品を間違って受け止めてしまう恐れがある。
「雨のあとの砂漠は、空気が澄んでる。砂はまるで水面のようにきらきらしている。わたしは、この砂漠が大好き。ラクダたちが大好き。なのに、結婚したら永遠にここを離れなくちゃあならない。
わたしはこの砂漠の風のように、自由な心で生きていたい。わたしの心の奥には、わたしだけの秘密があるんだ。
パキスタンのインド国境近くチョリスターン砂漠で、ラクダを放牧して暮らす少女シャバヌ。慣習のくびきの中で精いっぱい自分らしく生きようとする姿を、生き生きとえがく物語。
アメリカ・ニューベリー賞オナー作品」
主人公は12歳の、ラクダの世話が好きな勝気な少女。姉は13歳のプーラン、美少女ということになっている。父親はアバシ、といっても名前で呼ばれることは殆どない。母親は名前は不明。ちなみに、両親の年齢も不明である。シャバヌたちは、元王のラクダ部隊にいた祖父とともにパキスタンのチョリスターン砂漠で暮らす。
13歳の姉は、今年の夏、モンスーンの季節になったら、親戚のハミルと結婚することになっている。シャバヌ自身も、大人になったらハミルの弟で現在16歳のムラドと結婚することになっている。姉はのんびり屋さんというか、すこし鈍感なところがあるけれど、それを補う美しさがある。それに引き換え、シャバヌときたら他人のことより、いや両親や姉の幸せよりは自分が自由であることしか考えられない、男のような子供である。
金原瑞人・築地誠子の共訳で、あとがきではパキスタンの自然描写、少女の生活を絶賛ということになるけれど、冒頭に書いたようにではここで起きる事件や少女の造形に無理が無いか、といえば私は問題あり、と意義を唱えたい。たとえ砂漠の民の生活がどんなに詳細に描かれようと、これは外にいる人間の限界を超えてはいない。やはり、本当のパキスタンの文学を、彼らの言葉で語られた話を読みたい、そう思う。

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2010/02/26 19:12

投稿元:ブクログ

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2011/02/23 22:10

投稿元:ブクログ

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2011/04/06 18:41

投稿元:ブクログ

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