紙の本
ケイと響生…二人の真の想い
2005/05/23 23:01
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゴン狐 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ワタルの友人に地下室に閉じ込められ、誰も来ないであろう絶望の中、響生にワタルではなく自分を選んで欲しいという切実な想いに気づくケイ。自分の心の痛みから、響生の痛みを全身で思い知り、その果ての別れを予感するケイの心情が切ない。
ワタルの演じた「剣」を観て、響生の出した「答え」は。助け出された榛原邸で雨降る中、冷たいガラス越しの二人の声なき対面に、月並みですが胸がきゅんとなります。(榛原いわくロミオとジュリエット…うーん)榛原の言いつけを破って響生の家に帰ったケイに、響生が直接「答え」を告げる場面が、静かな夜に優しく流れます。ケイに対する心が壊れんばかりの気持ちを、過激な方法でしか伝えることができなかった響生の真の想いが溢れていて、受け止めるケイでなくともその腕を伸ばして、響生を抱きしめたくなりそう。お互い求める愛が違う、でも必要としている想いの強さと、それを受け入れ前に進もうという決意が熱くて痛い。
榛原と響生の距離もどんどん接近してきて、眼が離せない。自分の心情は語らず、謎かけのような言葉しか投げかけない榛原に、頭を抱えるのは響生だけではないはず。ケイと響生よりも、この二人の関係の方が気になります。
ケイの演技に耐え切れず潰れた主役の代役として、ワタルがついにケイと同じ舞台に。
一つの舞台を互いに成功させようという、二人の共演者ぶりが見ものです。健気にケイをフォローするワタルが結構可愛いです。芝居中の二人の心の声の描写が、ちょっとうるさい感じがしますが。
「赤の神紋」のオーギュスト選考への最終対決に向けて、ケイと響生がどんな形で榛原とワタルに挑むのか、響生の意味深な言葉から続編が気になります。ついにあの人の登場か…と邪推するのは私だけでしょうか。
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「自らの作品を体現するワタルに、連城響生は圧倒される」・・・困るよ、連城。しっかりしてくれ〜。読むのが怖い。-----読みました。疲れたぁ〜。皆様のお心の深さについていけない(汗)。迫力の在るお話です。ぐったり。
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とうとう既刊読破。徐々に徐々に成長していく連城。ケイも可愛いけど、多分連城がいいんだろうけど榛原にも・・・ってああ煮え切らない。でも一番煮え切らなかったのは連城か 笑。いや、そんなトコが素敵ですが、連城は。
次の展開は恐らく会いに行くんでしょう。でもだとすると物語は佳境に入ってきていることになる。連城はどうやら榛原に対する執着・苦悩を自分の中で消化・昇華し始めてるようだし。たのしみたのしみ。飛鳥は連城の榛原に対する「どうしようもない殺意・憎悪と同じかそれ以上の屈折した愛情」のデフォルメとして登場していると思っているのですが・・・。飛鳥の扱いもどうなるかが楽しみだわ。
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ついに直接対決。手に握るほど汗はかかなかったけど、噛み締めすぎた奥歯の付け根が痛い・・・。怖い怖い怖い!ある程度は想像できた展開だったけど、それだけで済むはずもなくて。
冒頭しばらく出番のない、いてもいなくても物語は進行していってしまう、演劇人ではないけど小説家という微妙な位置にいる連城が、あれだけ影響されて振り回されているのに、それでもやっぱり「観客でしかない」ってところが切ないよ。追いすがっていきたいんだろうにもう一歩手が届かなくて。諦めずに足掻きはじめる気配のある彼の今後に希望なんか持ってみたりして。
でもほんと。「ただの観客でよかった」って。ものすごい緊張してものすごい興奮して、ものすんごい疲れた。読書って体力いるんだよ・・・。
20080417〜20080423
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連城はワタルの演じる帆津羅に完璧を見るが、天に祈りを捧げるようなケイを求める。舞台ではケイが拉致されたり、相手役がワタルに変わったりといろいろあるが、榛原の思うようにケイが覚醒していく。連城は一体いつまでうだうだとやっているのか、いらいらさせられる。ぐるぐるがしつこいのでは?
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最後にワタルにもう一度帆津羅のセリフを言ってもらうところから始まったこの巻。
結局、響生がどんな判断を下したのか、は謎のまま物語は中盤まで進みます。
この巻の見どころは、ワタルが演じる帆津羅を見た響生がケイとワタル、どちらを選んだのか、ということと。
ケイとワタルの舞台での直接対決。
響生は「言葉を天に上げられる」という基準で結局は選んだのですが、一方の榛原は「それはまやかしだ」と言う。
本当、この物語はそのまま通せばすっとするところを、素直に通さないんですよね。
あぁ、またひっくり返されたー! ってなる。
ものすごくフラストレーションがたまる!
でも、だからこそ面白いんですよね。
まぁ、本当のところ、人間って迷いながら進んでいくもんだから、リアルな小説にしたらこうなっちゃうのかもしれないけど、それにしても迷いすぎだと思うよ……(苦笑)
そして、ケイとワタルの直接対決。
本当に面白かったと思います。
読み応えがあるなー、と思うのはこんな時。
本当に演じる人じゃないのに、どうしてこんなに丁寧に描けるのか、すごいと思いました。
読みごたえは十分な小説ですが、後は優柔不断な登場人物たちにイライラしないか! ってことだけがポイントになると思います。
すっきりケリをつけたければ、最終巻まで買い揃えた上でじくり読んでもらえれば……と思います。
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シリーズ10
読み始めると止まらなくなる熱量を含んでる
このお話。
ケイの、共演者殺しのせいで、
なんと代役が、ワタル!
お互いをみとめ、助け合い、
二人で観覧車にまで乗っちゃって
ケイは連城とめ穏やかないい雰囲気!