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津原泰水はこわいのに、気がつくと一歩、また一歩と核心に近づいていくのを止められないような不思議さが癖になる。
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表紙絵と解説が萩尾望都だったので読んでみた。怖かった。「トレチア」を言い訳に、残酷犯罪を重ねていく子ども達。「サテライト」という閉じられた都市空間の歪みと暗部。
実験的な書き方。膨大な知識に基づいた描写。おもしろく読みましたが、それぞれのシーンにどういう意味があったのかというと正直結局よく分からなかったので・・ 星みっつ。
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「三四郎はそれから門を出た」で紹介されていたので読んでみた。
正体がつかめない怖さ、近づいているようで遠ざかっているような不安。
結論は見えない。でもこの雰囲気は大好き。
萩尾望都の表紙もイメージにぴったり。
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(2010/01/11購入)(2010/01/14読了)
萩尾望都の絵が怖いんだが。
今敏のアニメ「妄想代理人」を思い出した。
蠣崎旺児の位置付けが良くわからない。効果的な構成になっていないのではないか。
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郊外の新興団地「緋沼サテライト」で、惨殺事件がおきる。その犯人は「少年トレチア」であった。
タイトルと、萩尾望都さまの表紙で騙されます。ジェブナイル、もしくはそれに近いものなのかと思ったらさにあらず。しかしながら、半ば騙されて読み進めるほうが面白いのも事実。ジェブナイルとファンタジーとホラーの境界を飛び交っているという印象。
いつの時代も「都市伝説」というものは存在する。そして、子供特有の残虐さも常に存在している。また、宗教に限らず何かを信仰する気持ちも、遺伝子にそういうプログラムがあるのかと思える確かさで、そこにある。
それらのバランスが合わさった悲劇なのか、それとも、均衡が崩れた故の破壊だったのか、全く正反対のベクトルなのに、その判断がつかない。
ただ、緋沼サテライトには、普通の生活の中に普通に存在するものがあっただけなのだと。
この作品のなかには、たくさんの人物が登場する。
そのどれもが個性的で、力強い。だから、悲劇がおこったのだろうかとも思う。人の思いは重い。サテライトはその重さに耐えきれなかったのだろうか。
そして、津原泰水はそんな哀れな都市の姿を描きたかったのではないだろうか。そんな気がする。
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一見まとまりがない、オチがない、というこの作品の特徴は、それ自体が、人工の街の特徴になっており、とらえどころのない不安感の表出でもある。
命を奪ったものは自らの命で贖い、しかし彼らの生み出した作品は残るという結末が、なんだか著者「らしい」ように感じる。
この作品と「奇譚集」は三浦しをん「三四郎はそれから門を出た」に書評が収録されていることに今さら気付いた。あるいは意識下で選書に影響していたのか…は不明ですが。
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郊外の振興団地緋沼サテライトで起きる残虐な事件。犯人は架空だったはずの少年「トレチア」なのか。
ミステリ、ホラー、幻想入り交じり、どう動くのかわからぬ展開に振り回された感がある。残虐なシーンがかなり細かく描かれていて、気分が悪くなる。そして唐突な夢の終わり。次の「トレチア」が現れるまで。