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ルイーズが、カナダのニュートリノ検出器を操作中、突然密封されているはずの重水タンクの中に人影が現れる。
慌てて助けるが、その姿はまるでネアンデルタール人のようだった!
彼の名は物理学者のポンター。
ネアンデルタール人が進化した並行世界の現在から、事故でこちらの世界に転送されてしまったのだ。
一方、彼がいた世界では、同僚のアディカーが、ポンター殺害の罪で告発されていた!
ポンターは無事帰れるのか?
アディカーは無罪を証明できるのか?
これどもか、というほどネタが詰まっているのに、
さくさく読めてしまうソウヤー節(ってのも変だけど)は相変わらず。
けど、いつもに比べて密度が薄いかな……と思いきや、これはまだ全3巻中の第1巻。
裁判や会話の過程で、ネアンデルタール人の生活や社会が語られていくスタイルは、
今までの作品と比較して語るなら、『イリーガル・エイリアン』が一番近いかな。
いつものように、章の頭とかにニュースが出て来るんだけど、なんか楽しそう。
十分に面白いんだけど、
まだ1巻だし、ソウヤーの続き物自体初めてなんで、感想はまだ保留。
これまでの作品に比べると、ミステリ味は薄いし、
「ああ、なるほど!」という点もなくて、
今後の展開に備えての説明、土台といったところ。
存在を知った二つの世界は、はたしてどうなっていくのか?
一番最初のレイプ事件がどう関わってくるのかが、非常に楽しみ。
メアリの心の傷のエピソードだけで終わらせるはずないよなぁ。
とにかく、早く続きが読みたい。
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4万年前に人間のかわりにネアンデールタール人が地球の支配者になったら、世界はどう変わるのか。
量子コンピュータがきっかけでネアンデルタール人がやってきた。
住む世界の違う二つの意識が恋を育むl
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平行宇宙。
このネアンデルタールの世界には、神はいない。死後の世界はないという設定。相手が死んでからしなかったことを悔やむくらいなら、生きているうちにしておけということらしい。
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クロマニヨンが絶滅し、かわりにネアンデルタールが進化した世界という設定の並行宇宙を扱ったSFです。脳進化と宗教の関連性についての仮説や、意識萌芽と並行宇宙の分岐という設定はちょっと微妙でしたがエンターテイメント性が高く一気に読めました。
カナダ人の作家で、カナダ社会から見たアメリカ社会への視点という観点からもなかなか楽しめました。続編の「ヒューマン」、三部作最終の「ハイブリッド」と、お盆休みを通じて一気に読んでしまいました。同じ作者のほかの作品も読んでみたいと思わせます。
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クロマニヨンの代わりにネアンデルタールが進化したパラレルワールドからこちらの世界にやってきた主人公.
すぐれたパラレルワールドもの一般に言えることかもしれないが, 我々も想像してみない訳ではないところの, ありえたかもしれない (これからありえるかもしれない) 社会に対してメリットとデメリットを見事に描いていて面白い.
科学技術に関する話題はもちろん, 動物としての人間のありようにも迫り, ストーリーに素直に引き込まれる.
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これはすごく面白かったあ。
平行宇宙とか量子コンピュータとか全然分かんないんだけど読んでるだけでわくわくしたし別の世界すごいと思った。
恐竜惑星とかすごい思い出した。
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話のメインは、「異文化の交流」。
ホモ・サピエンスの末裔である現代人と、パラレルワールドから飛ばされたクロマニヨンの末裔である独りの男との交流。
このクロマニヨンの男の言葉を借りて、作者のソウヤーが現代社会の問題を語っているようにも感じる。
とは言え、そんなメッセージ性の強い小説ではなく、とても良くできた物語だった。
SFらしくパラレルワールドの非現実的なつながりを量子理論で説明するかと思いきや、ロマンスや悲しみなどを経験する登場人物たちの心の動きを見事に描き、クロマニヨンの世界では裁判モノのストーリーが展開する。
面白かったので、続編の「ヒューマン」もこれから読むところです。
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我々の世界と、並行に存在するネアンデルタールが絶滅しクロマニヨン人が栄える世界が、量子コンピュターの実験の最中に繋がってしまう。
クロマニヨン人と比べて我々が、なんと理性がなく、利己主義で忍耐がないか思い知らされる。
物語は始まったばかりで、今後の展開に大いに期待してしまう。
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http://shinshu.fm/MHz/67.61/archives/0000310246.html
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地下深くで量子実験をしていた科学者は密閉された重水タンクの中に異形の人物が出現したのを発見する。
もしネアンデルタール人とクロマニョン人が違う進化を辿っていたら
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分厚い3部作 読み易いが設定に無理がある
表紙 5点岩郷 重力 内田 昌之訳
展開 6点2002年著作
文章 6点
内容 715点
合計 732点
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良いですね。壮大なるほら話。やっぱりSFはこうでなくっちゃ。
いわゆる並行宇宙もの。使い古されたテーマですが、何となく新鮮なんですよね。それはソーヤーが描いてみせるネアンデルタール人の世界の新しさでしょう。
ソーヤーというともう少し突拍子も無いというか、ファンタジーに近い世界が多いと思っていたのですが、今回はいかにもSFという感じです(考えてみれば、この話も十分に突拍子も無いのですが)。それも1970年代の感じでしょうか。どこと無くJ・P・ホーガンを思わせるものがあります。
3部作かな。次が楽しみです。
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クロマニヨンではなくネアンデルタールが進化した並行世界から量子コンピュータの事故でこの世界にやってきた、物理学者ポンターを巡る物語。
こちらの世界では突然現れたネアンデルタール人に大騒ぎする人々と、いきなり異種霊長類の文明社会に放り込まれたポンターの苦悩を描き、あちら(ネアンデルタール人の)世界では突然いなくなったポンターを巡って、殺人容疑をかけられるポンターの相方アディターの無実を証明する法廷劇を描く。
パラレルワールドものであり、異種進化ものであり、比較人類学ものであり、法廷劇であり、恋愛ものまで盛り込む、盛りだくさんの小説。俺が特に気に入ったのは異種霊長類でありながら、文明レベルは我々同等以上のポンターの目を通した、現代社会への皮肉と警鐘である。まるでガリバー旅行記な皮肉。特に宗教へのいびつさをポンターが痛烈に喝破するシーンは面白かった。
「来世を信じるから故意の犯罪が起こる。生まれ変わって償えばよいと思うから。今の命限りであるなら償えないような行為は行えないはず」なるほど、そっちの方が分かりやすい!
3部作の1作目、まだまだ回収してない伏線もあるし、気になる展開もあるし、こりゃ続編を読まない手はないぞ。
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SF。人類学。並行宇宙。
テーマが好きすぎる。
SF的なアイディアも面白いが、法廷ミステリ的な要素もあり、ストーリーも面白い。
これはシリーズ全部読もう。
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初ソウヤー。
面白かった。ネアンデルタール人が生きていて、科学技術を発達させていた平行世界。宗教の有無や言語、親族関係や裁判の社会制度など、遺伝子プールの浄化など別の宇宙人ではなく、地球と同じ環境で、ほぼ似た生物が進化していたら、こんな感じなんだろうなと思わせる。
人類よりも知性があり社会性のある優しい生物、ネアンデルタール人とサピエンスの違いと、意識の分岐点など、そしてなぜ彼らが居なくなってしまったのかなど、数万年前に思いを馳せることができてワクワクする。
p307「えーと、穀物からつくった食べ物ね。こちらの世界の人びとは、たいていはパンとか米を主食にしているの」「植物だけで六十億の人びとが快適にすごせているのですか?」「いえ、そうでもないわ。五億ほどの人びとには充分な食べ物がないの」「それはとても悪いことです」
p319「ぼくの世界では、なぐるということは殺すということです。ですから、ぼくたちは絶対におたがいをなぐりません。」
p339「いったん死んでしまったら、その人と仲直りをしたり、その人に償いをしたりすることはできませんし、そもそも道徳的な人生を送ったのですから、その人が現世の苦労を忘れて楽園にいるという可能性もありえないんです」
p387「ぜんぶ」ポンターはゆっくりと、悲しげに首を横にふった。「マンモスをぜんぶ殺したのですか…」
「あなたたちは思うままに殺す」「あなたたちがぼくたちを全滅させた」