紙の本
本を楽しむという至福の時間を満喫できる作品です。
2005/04/01 00:22
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投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る
東京創元社の看板シリーズである、ミステリフロンティアの1冊。
本好きというより図書館好きの方には本当によだれの出るぐらい楽しい本なのには間違いない。
内容的には北村薫や加納朋子の作品と同系等(日常のミステリ)といったらよいであろう。
ただ、主人公文子の個性がやはり先輩たちの名作と比べたら弱いような気がするのは私だけであろうか…
次作以降、偉大なる先輩に本作以上に肉薄することを心から希望したい。
舞台は某地方都市の図書館でその名は秋庭市立秋葉図書館。
市の名前と図書館名が一字違ってるのが物語全体を左右するのであるが、これは読んでのお楽しみ。
最初は些細な話だったのだが、徐々に奥深い話への変化と文子の恋心の描写が出てくるところが読みどころである。
探偵役の能勢さん(既婚であるが)への淡い恋心はもちろんのこと、途中から登場する独身男性との恋模様が多少なりともヤキモキさせるところが心地よい。
これからぽかぽか暖かくなっていく季節柄、図書館でじっくりと没頭出来る1冊であることには間違いないであろう。
森谷さんに聞きたいのは、図書館が舞台だからこそ、きっと読者には買って読んで欲しいという願いが込められているのだろうか?
凄く複雑だろうな…
現実の図書館って私の思い過ごしかもしれないが“事務的”であるイメージが強い。
本作を読みながら、少なくとも図書館の裏側というか細部を学んだ読者が大半であろう。
そういう観点で言えば、図書館利用者のマナーアップにも1役を買っているのかもしれない。
読書って人間に心の平和をもたらせてくれる。
その理由は本作を読めば明確である。
なぜなら、本好きにとっては本作の装丁を見てるだけでうっとり出来得る1冊であるから…
図書館が生活の一部と自負している方には必読の1冊であると断言したく思う。
マイレコ
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日常の謎というカテゴリーなんだろうけど、この「日常」と「謎」の段差は激しいな。この「謎」は謎を解決するためにあるみたいだ。
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「千年の黙」ほど重厚ではないものの、本や図書館への愛が詰まっていて、本好き・図書館好きにはたまらない一冊です。もう、たまりませんでした。
本好き・図書館好きには特にプッシュしたい一冊です。本・図書館双方大好きな方は是非。読み終えたあと、きっと図書館に行きたくなるはず。
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とある辺鄙な場所に建てられた秋庭市立秋葉図書館(人を食ったような名前だけど、ちゃんと理由があります)を舞台に、新米図書館司書の文子さんのまわりで起こる小さな事件。それが図書館と言う場所、文子さんの人柄から、優しい季節と時の流れの中で語られます。
謎解きは、もっぱら先輩司書の能勢さんが行う感じで、この構図は、先日、読んだ方に教えてもらったけど北村薫さんの「空飛ぶ馬」の円紫さんと「私」シリーズのコンビに似ているのです。
ただ、能勢さんは、謎解きが出来すぎる上に、結果をもったいぶる傾向にあったので、少し好きになれなかったのです(特に前半の短編はその傾向が強いです)。それに、そんな能勢さんを文子さんは、特別な気持ちが少しあるみただったので・・・余計にかわいそうな気持ちに(^^)
後半は、そのあたりの感情もはっきり書かれていて、謎解きよりもずっと楽しい話になっています。
それにしても、司書の性格の記述は面白いです。本を大切に扱う姿や並べ方まで気にする姿など、パブロフの犬状態の司書の気持ちをうまく言いえています。図書館で働く方が読まれたら、また違った楽しみがあるかもしれないです。
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図書館で起こる本に関わる謎に図書館員全員(と言っても数人)で解決するのですが、登場人物みんないい人ばっかりです。
何より本に愛情がある!(笑)
いつも能勢が解決してしまうんですが、頼りになる人物ですね。
文子が惹かれるのもわかる、うん。
図書館の地主の秋葉さんもまた豪快でいい味出してます。
そして図書館員の習性という言葉が出てくるんですが、素敵な習性だなあと思う。
本屋さんで乱雑に置かれている本を綺麗に並べたくなるのに共感。
全部で5話あるんですが、毎回完結なので読みやすいと思います。
本好きさんには是非ともおすすめしたい一冊です。2005.10.18読了
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図書館が舞台というだけで、点が少し甘くなるなぁ。好きな話は「銀杏黄葉」。こういう悪戯に近い経験があるもんで。
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日常の謎派になるようですが、加納作品や北村作品のほんわかした感じとは少し違う気がする。よく言えばもう少し大人の苦味が利いてるような。個人的には脇役が結構良い感じで存在感があるのに、主役級の2人がそれほどでも……という感じでなんか不思議な作品でした。
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YA+図書館の話という噂?を聞いて興味本位から読んでみましたが面白かったです!
この仕事をしてたからかしら。作者は同業者かしら。面白かったけど、ちょっと?かなりヒヤヒヤした。
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秋庭市の外れも外れ、寂れた田舎町の郊外にある図書館でおこる、ちいさな事件(でも、本人たちには重大なんですけど)を司書さんたちが解きあかしていくお話です。
文体が涼しげっていうかさわやかで、言葉の選び方がとても綺麗でした。
登場人物、物語ともに、素朴な魅力にあふれててよかったです。悪い意味じゃなく、田舎を舞台にした小説らしいというか。
みんな可愛くて素敵だ…!最終話に出てきた佐竹さんがお気に入りでした。あきらめずに主人公を口説き落としてほしいもんですvV
ほとんどの話が「本」とか「物語」に関わってて、一話目が「クローディアの秘密」だったんですよね。最近トモダチに借りたところだったので、そうそう!なんて思いながら読んだんですけど。
本が大好きで、本に囲まれてれば幸せ!って気持ちが分かる人にはかなり共感できるお話だと思います
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辺鄙な場所にある図書館で起こった事件を描いた連作短編のミステリ。
雰囲気としては北村薫さんを彷彿とさせる話。
ミステリなので事件は起こるんですが、殺人事件とかじゃないのでどことなくほんわかムード。
個性的な司書さんたちが、個性的過ぎず、「あぁいるかもなぁ」っていうくらいの現実味を帯びていて良い感じ。
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日当たりのいい喫茶店で、おいしいコーヒーの味が消えない程度にミルクと砂糖を入れて、ゆっくりとした時間をすごしながら読んでほしい本。第二話なんてまさにそうです。でも、第五話は重すぎた。
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野原の真中に立つ図書館。利用者は多くなく、長閑すぎる。が、そんな図書館にささやかな謎がふりかかる。そんな感じ。
図書館で働く主人公・文子を取り巻く面々が素敵な人ばかりで爽やか。
ああ女性が書いた小説だなって感じます。一行一行がなにとなく綺麗。
図書館が好きで、謎解き小説が好きなら読んでみたらいかがでしょう。
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秋庭市のはずれのはずれに建つ秋葉図書館で起こる事件の数々。立地条件などウチの図書館に似てるとこありますが、中身は・・・(??)ここで働いてる人たちは司書の授業で習ったことをまんま実践してる司書のカガミのような人たちの気がします・・・。図書館の話なので自分と重ねつつ推理しながら楽しく読めました。読みながら反省することもしばしば⇒「あなたはこれから図書館として本をそろえていくことになるのだけど、忘れてはだめ。あなたは代理なの。具体的に言えば、秋庭市民八万人の代理として、本を受け入れていくの。秋庭市民から預かったお金を使ってね。だからたった一冊の本についても、なぜこの本を買ったのか、または買わなかったのか、いつ何時説明を求められるかわからない。そしてその時にはあなたは合理的な説明をして、図書館の判断を納得してもらわなくてはならない。忘れないでね。」その通りです・・・
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図書館モノ。主人公の文子にはあんまり共感できなかったけど、能勢さんの謎解きは面白かったです。利用者が少なくて、れんげ野原のまんなかにある図書館・・・・私だったら家の近くにあったら絶対通うと思う。
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殺人事件のない、日常系謎解きミステリー。
さらっと読みやすかったです。
図書館が舞台で、主人公は新米司書・文子。
図書館好きな私にはそれだけでわくわくでした。