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檸檬のころ みんなのレビュー

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みんなのレビュー99件

みんなの評価4.0

評価内訳

99 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

現代に生きる人の為の文学作品。

2006/05/08 05:01

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る

作者の豊島ミホさんは1982年秋田生まれの24歳。
2002年新潮社主催の第1回Rー18賞の読者賞を受賞、プロデビュー。
最新作の『夜の朝顔』を含めて現在まで6作品を上梓している。
年齢が近い島本理生さんと作風比較してみたい。
島本理生さんとの違いは、豊島さんの方が適度にスパイスの効いた文章を書くと言った感じでしょうか。
ひと言で言えば島本さんが“純粋”な気持ちを描写した小説、豊島さんが“素直”な気持ちを描写した小説と言えそうです。
島本さんの登場人物の方が“刹那主義”的な生き方をしているような気がする。
いずれにしても両名とも“これからの文壇を背負って立つべく逸材であることは間違いない”と断言したい。
さて本作、本当に読ませてくれます。
東北の片田舎コンビニもない高校が舞台。
女性主人公だけでなく男性主人公も登場(中には担任の先生も登場)する。
テクニック的にも連作短編集のもたらす特性・・・(登場人物を上手く繋げている)を十分に生かしきっている。
最後のあとがきにおいて作者が自分の高校時代とは違うって言っているがはたしてどうなのだろう。
人を成長させる大きな要素って何だろう?
その答えを本書にて豊島さんは読者に明確にしてくれている。
それは“失恋”と“別れ”である。
このふたつの言葉は人生において表裏一体となっているからだ。
全7編からなるが「ラブソング」と「雪の降る町、春に散る花」が秀逸。
どちらも切なく胸キュン物で、前述した“失恋”と“別れ”が凝縮されている。
若い頃の恋愛って相手が唯一無二の存在。いったん思い込んだら、どうしてもとどめることができない世界。
辻本君に失恋しちゃった恵ちゃん、あなたはフィクションとは思えないほどとっても読者に身近です(笑)
ラストの野球部のエース佐々木君と吹奏楽部の加代子ちゃん。
ふたりのなれそめに始まって、別れる(というか離れる)までの過程が読者の胸に突き刺ささって離れない。
まるで同じ教室で同じ授業を受けたクラスメートのような感覚でもって、2人の旅立ち(あえて別れじゃなくってこの言葉を使わせていただきますね)を見送った自分を誇りに思いたいような気分。
寂しい気持ちもあるが、安心感も漂う。
お互いが心の糧となっていることを見届けれたからだ。
反面、作者の豊島さんはあの年代特有の普遍的な悩み・苦しみを比較的淡々と語っているようにも見受けられる。
先に比較した島本さんが“切実”なら、豊島さんは“淡々”という言葉があてはまるかな?
いや“淡々”という言葉は誤解を招くかもしれない。
淡々と書きながら最後には酸っぱく終わるのが本作の特徴なのであるから。
まるで檸檬の如く(笑)
そのあたり感性豊かな女性読者に聞いてみたい気もするのであるが・・・
若い頃って本当に小さなことで悩みますよね。
本作に登場するどの登場人物も悩んでいます。
もちろん、当事者にとっては小さなことではありません。
まさに、生きるか死ぬか・・・ハムレットの世界なのです。
ある読者には懐かしいあの頃を思い起こさせてくれ、また登場人物と同年代の方が読んだら隣の席のあの子って作中の○○にそっくりだと共感できそうな話。
少し傷つきにくくなったあなたにも是非読んで欲しいなと思ったりする。
かつて梶井基次郎の文学作品『檸檬』を読んだような感覚で読んで欲しい。
なぜなら生きてきてよかったというしあわせを感じる名作であるからだ。
個人的には、好きな女性に本作のような作品をプレゼントしたい衝動に駆られた。
きっと受け取って読まれた方にとって“忘れられない1冊”となりそうだからだ。
そう男性読者に思わせてくれる豊島さん、あなたは凄い。
これから追いかけますので待っててくださいね。
活字中毒日記

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紙の本

まだ瑞々しい記憶

2005/07/19 15:45

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:maoi - この投稿者のレビュー一覧を見る

東京から新幹線で北へ四時間。そこから更にローカル線を乗り
継ぐと、りんご畑もある、のどかな田園に囲まれた高校がある。
本書は、コンビニさえ存在しない、そんな田舎の何もない高校で、その中でも決して目立つ存在ではなかった子達が、高校生だったり、卒業生となって辿っていく人生を綴ってゆく短編集
です。
著者は小説の舞台となった、北国の高校を卒業してまだ数年。
そのせいか、まだ、こんなにも瑞々しく、妙に生々しく記憶が
保存されている。
思い返すと私の高校時代は、もはや他人の記憶のように感じて
しまうくらい遠いことがある。小説の環境とは違うけど、私の
高校生活も「平凡」という一言で括られてしまう類いだろう。
主人公のひとりに、小嶋サトという少女がいる。その世代に特
徴的な自意識過剰なのに、凄くナイーブな面を持っており、本
人もなんだか日々を持て余し気味だ。回りの人間も彼女の事で、相当悩んでいる。
当初、回りの人達が、必要以上に彼女を追い立てている気がし
たのだけど、彼女がふわふわと、もがき苦しんでいる姿は、も
しかして著者の自己投影かもしれないと思った。
そして、何故だかサトの日常が、共通点のないはずの自分の高
校時代と重なってゆく。
他人の記憶のように遠かった、今まで懐かしいとも思わなかった、でも今なら大切に思える、心の奥底に沈みこんでいた記憶が、私はサトを通して蘇って来た。
小説がこんな風に、自分の記憶とクロスするのは稀な事ではな
いだろうか。
一見、平易な文章で綴られている文章なのに、著者の小説家と
しての力量を見た気がする。
ただ、ここに出て来る登場人物達は、あまり幸せには思えない。
当たり前の事だけど、自分の思い描いた通りに人生は運んでゆ
かないし、その後の人生も、高校時代に縛られすぎているような、気がしないでもない。
言えるのは、どこで過ごそうと、高校時代なんて思い返すと、
意外と苦味の強い皮を持ったレモンの様なものなのかも知れな
いと思った。

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紙の本

同じように世界は回る。

2007/04/09 09:17

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オクヤマメグミ - この投稿者のレビュー一覧を見る

あとがきによると、著者いわく『底辺の、地味な人なりの青春』を描いた短編集。映画原作ということで手に取った。
檸檬のころ。
それはいつ頃だろうか…と思い浮かべる。
甘さと酸っぱさが同居するそれはやはり、10代の学生の頃だと思う。
漢字で書くと少々レトロな感じがするけれど。
舞台は地方都市だ。
コンビニもなく、駅前の繁華街も都会と比べれば全然物足りない。
でも、そんな街にも同じように新しい季節が訪れる。
初めての電車通学、部活、恋、下宿生活…。新しい事だらけで目眩がしそうだ。
まるで追体験するようにページをめくっていく。
湧き上がる気持ちを丁寧に描いた『ラブソング』も印象的だったけど、巻末の『雪の降る町、春に散る花』がいちばん胸をしめつけた。この話の登場人物は他の作品にも登場している。その後の物語だ。
卒業して離れ離れになることが永遠の別れだと思っていた頃。
『ずっと続けばいいのにって思ってた』
最後の最後にやっと自分の気持ちを彼にぶつけた彼女。泣きそうになった。
あの頃は終わりがあるなんて信じられなかった…という同じ想いを抱きながら。

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2005/05/11 16:08

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2005/08/15 22:14

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2005/08/29 18:34

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2005/10/14 02:59

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2005/10/21 18:46

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2005/10/29 00:54

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2005/11/28 22:03

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2005/12/01 19:42

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2006/05/06 22:50

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