紙の本
ウェブロブの核心を突いた本です
2005/05/02 14:55
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投稿者:恵果 - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近、新聞などでよく「ウェブログ」という言葉が見受けられるようになりました。従来のHPは、HTML言語で作成され、専用のシフトで作るにも、いろいろな技術上の能力が要りました。民間でも、HTLM言語やソフトの使い方などの研修が行われています。
わたしも、1995年に電子会議室でボードリーダを務めた経験があります。で、その頃のネチズン(情報市民)の行動とか心理を垣間見ることができました。振り返ってみると、わたしも、ウェブ日誌のような発言を繰り返していたんだなぁと懐かしく思います。今も、当時のニ
フティ会員の一般県民から、ときどきメールでお互いに連絡を取り合っています。また、ニフティの担当者とも情報を得ています。たとえば、「これだけは知っておきたい 個人情報保護」の共著者である同社の情報セキュリティ推進室課長の 鈴木 正朝氏に関することやサイトも教えてもらいました。
ウェブログは、これからのITによる個人情報の発信として、重要なツールとなることでしょう。そうした際に、留意すべき点を、心理学のうえから考察したのが本書です。
言葉だけでは、だめです。いくら情報化の専門用語を頻発しても、その真の意味を全然理解できない。そうした人は、時代に取り残されてしまうことになります。
紙の本
「書き続ける」ことに意義がある
2005/03/17 18:02
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:三中信宏 - この投稿者のレビュー一覧を見る
前評判が高い本だったこともあり,200ページあまりをするすると一気に読了した.本書は全体を通じて「社会心理学」の観点に立って,ウェブサイトやウェブログにまつわるさまざまな現象を分析していこうとする.類書にはないこの切り口が本書の大きな魅力だ.
第1章では,個人がどのような動機づけでホームページをもとうとするのかについて論じる.著者は,情報呈示・自己表現・コミュニケーション動機という三つの属性をそこに見いだす.国際的な比較をしたとき,日本のウェブサイトの多くが「情報よりは自己重視が多い」(p. 18)という特性が際立って強いことが指摘される.ウェブ日記をもつサイトの割合が日本では24%もあるのに対し,アメリカや中国ではそれぞれ8%,4%という低率であることに驚かされる.日本のウェブサイト所有者の多くは「自分を語る」ことに重きを置いているということなのだろう.
第3章と第4章は本書の核心部分である.第3章では,「なぜウェブログを書くのか」という問いに対して,ウェブ日記の心理学的な分析を通して答えようとする.著者はウェブ日記のもつ属性の正準判別分析を通して,「自己表出(自己効用)」の軸と「他者関係(他者効用)」の軸を発見した(pp. 85-86).そして,この二つの正準軸の張る空間の中で,ウェブ日記の4類型カテゴリー(p. 83)−−“事実”を述べる「備忘録」と「日誌」そして“心情”を語る「(狭義の)日記」と「公開日記」−−がうまく分かれることを示す.さらにこの章では,重回帰分析を用いて,ウェブログを書き続ける心理学的要因に関するモデルのテストを行なっている(pp. 88-92).この部分については,続く第4章において,共分散構造分析を用いた因果モデルの構築とテストという方向に発展させられる.
この章で特筆すべきことは,「日記」のもともともっていた「自己表現のためのメディア」である特性が,ウェブログという新しい環境のもとで,あらためて開花しつつあるのではないかという指摘だ.日記は明治中期に成立した読書文化としての「黙読」習慣の成立を前提とするという記述(p. 95)は確かに納得できる.ウェブ日記からウェブログへの変遷は「日記」が個人の中でもつ重みを増す方向に働きかけたということなのだろう.“心情”を語る日記についてのこのような分析は,他方で“事実”を述べる日記についても可能なのだろうか.そのような疑問は次の第4章の主題である.
第4章では,個人がウェブログを「書き続ける」(単に「書き始める」だけではなく)心理的動機を,第3章が分析した〈人間的側面〉に加えて,〈情報的側面〉にも注目して,共分散構造分析に基づく心理的潜在要因の因果モデルを構築し,それをテストしている(pp. 113-120).その結果,たいへんおもしろいことがわかった.“事実”に関する情報開示を主眼とする〈データベース型ウェブログ〉と個人的な“心情”を語る〈日記型ウェブログ〉とでは,「書き続ける」心理的動機づけが異なっていると著者は結論する.すなわち,両者のタイプは「欲求→効用→満足」という基本的な心理プロセスに関しては差がないが,〈日記型ウェブログ〉は,情報の提供や獲得が動機づけにつながっていないのに対し,〈データベース型ウェブログ〉では自己表現の満足度が動機づけに結びつかないという大きなちがいが見られる(pp. 117-118の図4-3と4-4).
最後の終章では,ウェブログのこれからを述べる.ウェブログのタイプ別を問わず「重要なポイントは,それらが継続して蓄積されていくこと」(p. 159),要するに「ただ書き続けること」(p. 136)という本書の中心的メッセージは確かに受け取りましたよ.ウェブログをやっているそこのアナタもぜひ本書を読みましょうね.付録の資料はたいへん参考になる.
三中信宏
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200507 内容はblogというより、テキスト系サイトについての考察。ちょっと人文系のアプローチで期待とはちょっと違った。
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ブログの参考文献が少ない中で光る一冊。とても参考になった。というか自分がやろうと思っていたことはこの本で大抵答えが出ていた(´д`)
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卒研でテーマにしようと思っていた分野の先生がそのテーマについて書いてあった書籍。ウェブログが広まる前に書かれてあるもので、社会性にフォーカスを充てるのではなく、あくまで心理的な要素を中心に記述してある。
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05-04-21
ウェブログ(Weblog)とは、日記的なWebサイトの総称で、ブログ(Blog)と縮めて呼ばれています。ウェブ日記との違いは、日付ごとの日記に対して、コメントができたり、トラックバック(わたしももう一つ分かっていません)が行われることです。
ウェブログの心理学
作者: 山下清美, 川上善郎, 川浦康至, 三浦麻子
出版社/メーカー: NTT出版
メディア: 単行本
「ウェブログの心理学」という本があります。この本は、ウェブログとは何か。どのように誕生し発展してきたか。社会心理学から、なぜウェブログは書かれ、読まれるのか、といった内容です。目次は以下の通り。
第1章 インターネット時代のコミュニケーション
第2章 コミュニティに見るウェブログの歴史
第3章 ウェブログの社会心理学
第4章 ウェブログの現在と未来
終 章 ウェブログの・個人・社会
付 録 ウェブログの歩き方、年表、論文・記事リスト
とくに面白かったのは、第3章でした。「なぜ人はウェブログを書き続けるのか」、この「はてなダイヤリー」の利用者にウェブログ作成に関する質問紙調査を行った結果、「欲求→効用→満足→継続意向」というような流れがあることが分かりました。以下は、その流れの詳細です。
?ウェブログを書きたいという欲求
・自分を見つめたい。
・人からよく見られたい。
・人とつながっていたい。
・自分のもっている情報を提供したい。
・有益な情報を得たい。
?ウェブログを書くことによる心理的な効用
・自分の問題や感情などを、整理し明確にすることができる。
・不満や葛藤などを発散し、すっきりとすることができる。
・自分に共感してくれる他者との出会い、親しくなれる。
?心理的な満足感
?ウェブログの継続意向
コメントやトラックバックなど、読者からのフィードバックは、ポジティブなもの(共感、励まし、賛辞、感謝など)とネガティブなもの(抗議、いやがらせ、不適切な引用や悪用など)が、心理的な効用や満足感に大きな影響を及ぼします。ポジティブな場合は、ウェブログの継続意向を高め、ネガティブな場合は、ウェブログの継続意向を減衰させることが分かりました。
ということで、皆さんのポジティブな反応をお待ちしています。
わたしの場合の「書きたいという欲求」「心理的な効用」って、何だと思われますか。それは秘密にしておきましょう (^_^) 。
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僕らはなんで日記を公開するのか?
この疑問に答えてる本。いろんなところにああ、わかるわかるというところがあった
僕は現実の自分を忘れて本当の自分を取り戻すためというより備忘録として、またコミュニケーションのきっかけとして書いてるかな
心理系の話だけではなく、インターネットの歴史とか書いてて面白い
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現代のウェブログという流行を心理学的・学術的視点から捉えた興味深げな一冊。
著者の一人である山下清美さんの『ウェブログの心理学』や『ウェブログの歩き方』という論文はpdfで読めるのだが、さすが書籍ということで。
ウェブログの歴史や3章・4章の心理学的考察に感心した。
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ウェブ日記を書く理由として
?日々の生活の記録を自分のために覚書として残す(備忘録)
?日々得た情報を他人に提供できる(日誌)
?他人に自分という人間を知ってもらえる(公開日記)
?自分で自分を理解することができる(狭義の日記)
?特に理由なし
…とあってなるほどな、と思いました。
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2005年の本なので、ネットの急速な発展を見るともう古いのかもしれない。
だが自分語り、自分探しといったテーマに興味があれば読んでみるのも良いと思う。
一応心理学と書いてあるように、人はなぜネット上に自分の事を書くのかということを考察している。
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ブログを研究していたのでとても助けられた本。ブログ登場の前からあったWeb日記をふまえて研究されており、非常に勉強になった。
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ウェブログがなぜこんなに広く受け入れられているのか、これからどんな展望があるのかを
心理学的に分析してみようという本だった。
だけど、心理学というよりも社会学的アプローチが主だったように感じる。
5つつの章立てで冒頭に上げた疑問を解消する前に
ウェブログというものが発生してから今のブログが流行するまでのことを
振り返ってあったので、より理解が深まった。
ウェブ上に書くものではないいわゆる「普通」の日記とウェブログを書くそれぞれの目的に
大きな差がないこと、主にコミュニケーションが求められていることも考えさせられるものがあった。
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ブログを書く人々が何を考えているのか知りたったが、
どうもそういう本でもなかったらしい。
心理学とのタイトルだが、その要素は薄いと思う。
大半はウェブログの周辺や歴史、使い方など。
自分が読み取れたのは、
ブログで自己を表現できる高揚感と、
そこから発生するコミュニケーションの楽しみが、
多くの人がブログを書く理由になっているであろうという事。
2005年の本なので、今読むのも遅いのかも知れない。
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ウェブログの変遷については、大変詳細で想像するにtwitterなども、歴史の繰り返しなのだな、と思えるのだが、心理学的な調査や切り込みが弱いと感じた。
気になった記述
・インターネットは公共空間なのに、その中に私的空間が何の違和感もなくまざりあっている。
・発信主体を優先したコミュニケーション(WEB)と記事(トピック)を優先したコミュニケーション(メーリングリスト)の混在。
・自己開示の働き
*感情の表出(カタルシス)
*自己の明確化 ※この2点は相手を必要とせず、日記でよい。
*社会的妥当性の確認
*二者関係(親密度)の発展
*社会的コントロール(印象操作の一つ)
・SNSは社会強者にとってより有力。リアルな強さがネット上でも発揮される。
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ウェブ上のブログの歴史や
ウェブログの目的の分類から、人はなぜウェブログがはやるのかを分かりやすく説明している。
自分がなぜ、ブログやTwitterやfacebookをやるのかを改めて考えるよいきっかけになりました。