紙の本
描写が設定に深みを持たせる
2010/07/19 01:48
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
24年前に突然発生しTDHと名付けられたレトロウィルスは、致死率こそエボラ出血熱等に比べれば低いものの、後天的に遺伝子を変異させるという特徴を持っていた。つまり、人間の形質を他種に変化させるのだ。
変化のサイクルが非常に短く、多様性に富んだTDHの研究は困難を極めたが、日本人研究者5人の協力により、ワクチンを作り出すことに成功する。これにより、人類は死と変化の恐怖からまぬがれることはできた。
しかし、TDHは変化のサイクルが短いこと、進化ウィルスとしての可能性を秘めていることから、TDHの研究は現在も続けられている。そして世界各地を飛び回り、サンプルを採取する人々は、かつてのプラントハンターに擬して、レイスハンターと呼ばれる。
17歳の守屋篤志はそんなレイスハンターを目指す一人だ。飛び級入学した大学で、必要な知識・技能の習得に励んでいる。
TDHが作用したのは人類だけではない。このため、他の動物や虫たちもTDHによる形質変化を受け、凶暴化や巨大化したため、レイスハンターが赴く場所は危険地帯となった。このため、レイスハンターは、生物学的知識だけではなく冒険者としての能力も必要とされ、そのライセンス取得には厳しい条件が課せられているのだった。
そんな課程の特別実習において、テロ事件が発生する。一人犯人の拘束をまぬがれることに成功した守屋篤志は、人質となった実習生の救出を試みる。人質の中には、ワクチン作成者の一人の娘である神崎栞も含まれていた。
一種のサバイバル・アクションなのだけれど、設定と脇を固めるキャラクターが個人的に気に入った。特に、レイスハンターの基本技能として必要とされる能力を、実習の過程で細かく描写しているところが舞台設定に深みを持たせていると思う。
篤志を囲む女性キャラたちとのやりとりも、お約束といえばそうなのだが、何かツボにはまってしまう。
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一言。すまん、まともに話覚えてねぇ(ぉ)
とりあえず通して読んだのだが、あまり強烈に印象に残るシーンやキャラが無く、どうも全体的に印象が薄いというのが正直な感想だ。
話の流れは、よく組んであり読みやすく展開の進め方も上手いなと思う。
だから安心して読める、と言えるのだが、個人的に戦闘シーンはもっと派手に展開してほしかった。
話も戦闘もキャラも、なんだか平均的で、上手くまとまり過ぎている感じなのか。
どこか一つ、ぶっ飛んでたらすごく面白かったと思うだけに、ちょと残念。
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近未来が舞台の主人公の篤ことしーくんが「一人軍隊を作ろう」
の如く捕らえられてしまった研修生を助けていくというストーリー。
終わりのクロニクルを読めれば読めます!
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設定は面白いし、なかなか凝ってるって思ったけれどちょっぴりご都合主義が目立つ節も。ヒロインは一人に絞った方が男らしくていいかなぁと言う感じが。思うに……令嬢を出すならもう独りの彼女はいらないような……そんな気もしたのです。ちょっと不完全燃焼気味? 電撃小説大賞選考委員会奨励賞受賞作。
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早いですね。
組織が腐ってしまうのにそんなに時間は必要ないというのは分かるんだけど、いろいろ組織や資格の形式を整えるのに、そんな数年でできるのかなと思ったりしました。
学校の制度がかなり整っていたみたいですから。
それはそれとして。
特異な能力を取得した人間が、主人公しかないというのは変な話じゃないでしょうか。
いわゆる敵方にも、そんな人間がいたっておかしくない。
昆虫のみならず動物もそれを持っているのに、人間では主人公しかそれを持っていないというのは、都合の良すぎる話だと思ったりしました。
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世界観が面白かった。
三角関係もラノベらしくていいかなと。
今回だけで見れば良いのですが、戦闘がちょっと地味でした。
この調子で続くとなると辛いと思うので、そこに注目しながらもう少し読んでみるつもり。
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変異した生物を採集するハンターを目指す学生少年主人公と、テロリストの対決を描いたお話。
普段は、読むのが楽だからという理由でMF文庫的な頭の悪い萌え萌え美少女ライトノベルばっかり読んでいる俺なんだけど、たまに電撃文庫系のこうしたいかにも少年漫画チックなストロングスタイルのライトノベルを読むと、やっぱり面白いのかなと思う。
結構楽しめたし面白かったと思うんだけど、文章的にいまいち引っかかるところが散見される、必要以上に人物名が多い、設定がうるさい割には変異生物なんかの出番が少ない点などを考慮して星4つ。
そのあたりは、続巻に期待したい。
同じようなジャンルで考えると佐島勤の「魔法科高校の劣等生」を連想した。
・俺Tueee!主人公の存在
・優等生と劣等生の対立
・ハンター(魔法師)の社会的地位向上を訴える
とかそのあたりが共通点かな。
ただ、魔法科高校の劣等生の主人公、司波達也は絶対無敵完全無欠の超人主人公様だが、このシリアスレイジの主人公、守屋篤志はそこまで無敵ってわけでもない。
チート能力持ちだが、お飾り程度の「能力限界」は設定されている。
といっても、基本的に徹頭徹尾、ご都合主義で、「こんなこともあろうかと用意しておいた」「後一回くらいは能力がつかえるはず」などかなりやりたい放題になっている。
評価的には100点満点とは言いがたいけど、この手の少年主人公がしっかりがんばり活躍する話はやっぱり隙なんで、続巻に期待したい。
変異生物の扱い次第では、評価がもっと伸びるかもしれない。